世界的な開発経済学者の速水佑次郎氏が亡くなられた。心よりお悔やみ申し上げます。
折しも私は、近著において、ポール・クルーグマン氏と速水佑次郎氏の貿易論を比較しながら、「速水の方が(クルーグマンより)学者の資質として数段は格上である」と書いていた。追悼の意味を込めて、拙著のその部分を引用させていただきたい。速水氏は、関税政策の重要性を十分に強調されていた。
***拙著『自由貿易神話解体新書』 . . . 本文を読む
今年の9月に出した拙著『自由貿易神話解体新書 ―関税こそが雇用と食と環境を守る』(花伝社)で訴えたことは主要に三点あった。
①自由貿易が失業者を増加させ労働条件を悪化させること。
②自由貿易が飢餓人口を増加させること。
③自由貿易が種の絶滅など環境破壊を推し進めること。
これらはいずれも国民国家の枠を超えて、世界規模で発生する。ゆえに私は、巷にあふれているナショナリズムからの自由貿易 . . . 本文を読む
「私は裁判所に期待していない。しかし事実を踏まえた判決がかけるものなら、やってみろ!」
さる12月21日、八ッ場ダム建設への公金支出差し止めを求める住民訴訟の結審があり、坂本博之弁護士からは、陳述書にはない、このような異例の発言も飛び出した。傍聴席にいるほとんどの人々の感情を代弁した発言であったと思う。
治水・利水両面での虚偽とデータの捏造、地すべりの危険性が指摘されながら杜撰な調査で工事 . . . 本文を読む
自民党に投票した人々がみな改憲論者というわけではないだろうし、原発再稼働に賛成というわけでもないだろう。そこまで日本が右傾化しているようにも思えない。
自民党の提示した国土強靭化計画200兆円の利権もあって、地方の建設業界などの盤石な組織票が勝ったというだけのことだろう。投票率の低さも、組織票がしっかりしている自民党・公明党の大勝に大いに貢献したのだろう。
どこの地方も、製造業の海外移転 . . . 本文を読む
日本ではいまだにTPPを自由貿易協定の一種であると考えている人々は多い。TPPは自由貿易協定ではない。貿易強制協定である。USTR(米国通商代表部)に群がる利権ロビイストたちが、日本の規則を、米国のロビイストの都合に合致するように強制的に改変するという、「自由」とは対極的な強制協定である。
オバマ自身がそう言っているのだから明らかだ。何故か、オバマが国内向けにアピールしている「Trade En . . . 本文を読む
10月16日に第7回の利根川・江戸川有識者会議が開かれ、国交省による1947年の洪水氾濫図のねつ造問題などが指摘されてから、4回続けて予定されていた有識者会議がキャンセルになりました。こちらは授業を休講にしたり、仕事を他の先生に代わってもらったり都合をつけて予定を空けるのが大変なのですが、国交省はいつも直前になって会議のキャンセルを伝えてきます。正直、ひどい迷惑をこうむっています。
どう . . . 本文を読む