上位下達の命令には絶対服従を強い、私を滅して「奉公」する忠実なる臣民の育成を理想とし、部下には思考を停止して上に従うことを強制しながら、指導者がどんな失態を犯しても決して責任を取らず、見苦しくウソをついて逃げおおせるという点で、安倍内閣と日大首脳部の類似性を指摘する声は高い。安倍内閣と日大の共通点はルーツが同じという点に行き着かざるを得ない。日大の学祖は吉田松陰門下の長州藩士・山田顕義であり、山田は終生松陰を尊敬し続けた。安倍首相も吉田松陰を尊敬し、伊藤・山縣・品川・山田など松陰の弟子たちが築き上げた明治の精神の復活を理想としていることは周知の事実であろう。
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「愛国教育」を掲げる小学校は国民の血税の結晶である国有資産を政権とのコネを利用して不当な安値で詐取するし、文科省は学生に対する締め付けを強化する一方、天下り先で月に2回の勤務で年収1000万円ももらっている。週6でバイトしても授業料もねん出できずにいる教え子は、「天下り先で月2回で1000万円」とういうニュースに接して、さすがにキレていた。結局、「韓国や中国が国民の不満の矛先を『反日』でそらそうとしているのと同じことを、日本もやっているのではないか」と。気づいてくれてうれしかった。
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都会育ちの大学生で、しかも経済学を専攻していると、だいたい「農協は悪」と刷り込まれている。本屋にいけば、経団連系の御用学者たちが出版した農協批判の本ばかり並んでいるし、経済学部だと農業のことなど全く知らないまま、新古典派モデルを受け売りして「農協は悪」「日本の農業は甘やかされすぎ」と平気でのたまう学者先生方も多いので、必然的にそうなってしまう。
私は農協とは何ら関係ないし、JA全中がいまのままでよいとは何ら思っていない。しかし安倍政権の農協改革は、TPPと関連してJAバンクの資金やJA共済を狙うアメリカの金融・保険業界の要請に従って、安保法制と同じく、米国の言いなりに行っているに過ぎず、何ら日本の国内状況を改善するものではない。
今年は、安倍政権の行っている農協改革について農家の方々の意見を伺ってくるように学生たちに言っておいた。学生たちが提出したレポートを読むとなかなかしっかりした内容が多かった。いくつか紹介します。自分たちが信じていたドグマを疑い、さらに勉強して欲しい。
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どのようにして弁証法的な対話空間をつくるのかという点で、前の記事の続きです。
高校や大学の中で行われているディベートですが、これは糾弾的知性を再生産してしまう取り組みだと指摘しました。相手の発言の揚げ足を取ったり、些細な論理的矛盾を突いて、攻撃すれば勝ってしまうというゲームだからです。
国会論戦の中で行われている討論などを見ても、現実社会で行われている議論は往々にしてディベート的です。です . . . 本文を読む
>そんなに中国が戦争を仕掛けてくるというのであれば、そんなに韓国と外交がうまくいかないのであれば、アジアの玄関口に住む僕が、韓国人や中国人と話して、遊んで、酒を飲み交わし、もっともっと仲良くなってやります。
後藤宏基さんのこの言葉、本当にその通りだと思います。対話こそが最大の戦争の抑止力だと思います。「糾弾的攻撃」は戦争の原因になり得ますが、「弁証法的対話」は戦争を抑止します。
実際、中国人留学生と日本人学生が対話を通して双方の認識をアウフヘーベンさせることは可能です。太平洋戦争の歴史認識に関しては、日本人、中国人、韓国人の認識が異なるもっともセンシティブな点ですが、それでも弁証法的対話が行われれば、双方の歴史認識は接近していきます。 . . . 本文を読む
「就活自殺」に加えて、「就職できたけど卒業できなかった自殺」が追加されます。文科省、まるで韓非子のようです。人間を管理し、統制することしか考えない。これで日本経済が良くなるわけないです。効率的に知識を詰め込んで模倣だけすればよかった明治時代とは違うんだから、大学生時代に一つのことにじっくり取り組むような時間的ゆとりを持たせた教育をしなきゃ、新しい技術・製品・経営のイノベーションなんて出てくるわけがありません。しかし薩長土肥藩閥文部官僚の末裔たちは、まだ明治時代の発想で教育しようとしています。 . . . 本文を読む
自発的にB層になるのを選択することが、自己防衛手段になっています。私は、何とかC層を育てたいと思っています。もちろんC層化する学生もいますが、「擬似A層」になるか「B層」になる方が多いのが現実なのではないでしょうか。
「擬似A層」というのは、私の勝手な造語です。「一流企業に就職するためには日経新聞を読め!」なんて周囲から言われて、一生懸命に日経新聞やビジネス誌を読んだりしているうちに、自分の妄想の中で「勝ち組」になったような気になっていく人々です(実際にはなかなかなれないのですが)。「妄想勝ち組」化すると、「日本が生き残るためにはTPPしかない!」とか、「強い者が生き残るのが市場原理だ!」なんて平気で言うようになっていきます。こうした層に対しては、「本当のエリートは、決して弱者に対する配慮を忘れないものだ」と諭すのですが、なかなか・・・。
ちなみに、私の括りの中で、「C層」とは真正保守と左派・リベラルの双方を含みます。市場原理主義・新自由主義を批判し、かつ人種差別をしない人々すべてです。
B層ネトウヨに対しては、とにかく真正保守になるように指導します。真正保守は、決して排外主義を煽らない、人種差別をしない、日本の品格を汚すようなヘイト・スピーチを垂れ流さなない。「保守なら日本を貶めるな、恥を知れ!」と。 . . . 本文を読む
「スノーデンの行為をどう評価するか」を聞くと、21人中17人がその行為を肯定的に評価した。「悪い」あるいは「良くない」と答えたのは3人のみ。どちらとも言えないが1人。
*アメリカ政府からは反国家・反政府と思われているが、アメリカを愛しているからこその活動であったと思う。
*内部告発することでアメリカを変えようする意志があるのは良いと思った。
*CIAに狙われる可能性もあるのに暴露したのはすごく勇気のある行為だと思う。
*ふつう言いたいことがあっても、自分の生活が気になって話せないが、スノーデンは正しいことが言える人だと思った . . . 本文を読む
以下の二つの言い方を比べてみよう。
「ゆとり世代の連中は根性がないもんだから、3年も経たずにすぐに離職する。それで会社のせいにするのは、「ゆとり」の連中が甘ったれだからだ」
「3年ももたずに離職せざるを得ないのは、心身ともに疲弊して若者を使い捨てにするブラック企業が増えたからだ」
どちらが言説だろう? . . . 本文を読む
文科省は、一方で退学者を減らせと要求しながら、他方では単位を厳格化しろ、予習・復習を義務づけよ・・・などと退学者が増えざるを得ないような要求ばかりしてくる。前期にほとんど単位を取れていない学生に面接していると、こんな例があった。「コンビニのバイト先でバイトのスタッフの取りまとめ役をしているので、人手が足りないと責任をとって自分がシフトに入らないとならない。どこの大学も試験期間がかぶるので、その時期は人手が足りなくなる。リーダーの自分が代わりにシフトに入らざるえを得ず、自分の試験を受けられなくなってしまった」。夜勤バイトで睡眠時間3時間というような学生に予習・復習などする時間があるかどうか。大学中退者をさらに増やすようなノルマばかり増やして何が面白いのだろう。 . . . 本文を読む
PARC制作/土屋トカチ監督の新作DVDが出ました。紹介いたします。
私も「取材協力者」に名を連ねています。といっても協力したのは私というよりも、教え子たちです。私のゼミの学生たちが複数出演しています。これを見ると学生が従事するバイトのいたるところに違法性があることも分かります。学生たちが被害にあっても泣き寝入りしないためにも、大学・高校の授業などで教材として使うと効果的と思われます。
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前回の記事で書いたブラックバイトの件。なんと「ブラックバイト」で検索して私のブログ記事を見つけたという某民法局の某番組のスタッフの方から電話があり、ブラックバイトで苦しむ学生に取材したいとのことであった。先週、大学1年生のゼミに取材にきて、学生5人にインタビューしていかれた。そのうち放映されるみたいです。
ブラックバイトのひどい状況は小泉改革の頃からとくに変わっていないように思えるが、ここに来 . . . 本文を読む
大学1年生のゼミで、「みんなのバイト体験報告会」という企画を開いてみた。出席していた20人のうち13人は何らかのバイトをしていた。みなの報告を聞いてみると、13人中6人は「ブラック」といえるのではないかと思われるケースであった。ブラックバイトに従事している比率は相当に高いといえる。
某牛丼チェーンでバイトしている学生は、大学が終わってから23時から朝8時まで夜勤のバイトをしていて、あまり睡眠 . . . 本文を読む
前の記事で紹介した2013年度の私の担当ゼミの卒論発表会。
3年生は就活の真っ最中なのだが、企業の合同説明会等を途中で抜け出してでもリクルートスーツのまま4年生の卒論発表会に駆けつけてくれた。
3年生、就活中で自分のことで精一杯になってもおかしくないのに、また、就活でお金もすごく必要な時期なのに、教員も知らないところでこっそりお金を出し合って卒業生全員にサプライズで花束を贈呈し、4年生を . . . 本文を読む
大学は試験も終わり、3年生はすっかりリクルートスーツに身を固めて就活モード。4年生は卒論も書き終わって就職するまでのつかの間のバカンスモード。
そんな中、昨日は私の担当するゼミの卒業論文発表会だった。今年の4年生は16人。朝10時から夕方6時までかけて一挙に16人の発表を終えた。
本年度の当ゼミのMVP受賞論文を紹介したい。
Yくんの卒論テーマは「兼業農家の可能性」。Yくんの実家は1. . . . 本文を読む