三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

暖房設備計画

2008年02月17日 07時52分30秒 | 住宅性能・設備

宮城県での住宅リフォーム取材時の写真。
このお宅、平屋で60坪近いという面積なので、
暖房の選択は難しい。
断熱工事はそこそこしっかりできても、暖房は全館暖房ではコストが問題。
2階建てだと、工夫もできるけれど、平屋では
たとえば蓄熱暖房を考えたら台数が増える。コストアップ。
ということから、このお宅では写真の温水ルームヒーターを選択。
このシステムでは、5台までこのヒーターを設置できるんですね。
しかし、部屋数7LDKで、設置が確認できたのは3台、
まぁ、コストを考えても、どうしても非暖房室ができる。
伺ったときには、家族が暖房のある部屋で集まって過ごされていました。
伺ってすぐには気付かなかったのですが、
下の男の子どもさんは、ぴったりこのヒーターにくっついている。
ヒーターは移動しますが、移動にともなってセットで動いている(笑)。
撮影の関係で部屋を動いていただいたときには
移動先の部屋でそこのヒーターにぴったりくっついている。
なんともわかりやすい「快適指向」ぶりでした(笑)。
で、どうしてもそこも撮影のため、移動せざるを得なくなったら、
今度は屋外で壁に向かってキャッチボールを始めていて、
ついに体を動かして温まることにしていました。
さすが男の子、やることがわかりやすいなと変に関心もいたしました。
確かに理にかなっていると思いますね。

ということなんですが、
平屋の古い家って、確かにリフォームばかりでなく、
全館暖房って言う意味からは、暖房設計が難しい。
たぶん、居間や食堂というLD空間を家の真ん中に計画して、
その他の居室を囲むように配置することで、
暖房熱源の広がりを工夫する、ということになるでしょうが、
既存の条件がそういう工夫を受け入れられない場合、
なかなかに難しいだろうな、と理解できますね。
この家の場合、住みながらの工事で、
半分を工事しながら、半分で住んでもらうということだったので、
間取り的にも難しかったようです。
このあたり、なかなか難しいプランニングですね。
とくに既存建物の制約のあるリフォームでは
どのように考えるべきか、
設計という観点から見たら、暖房設備計画というのは本当に難しい。

しかし、子どもさんのライフスタイル(笑)は、
まことに正直に「快適性」を表しているわけで、
そういう方向で、設計プランニングは
考えられていかなければならないのは自明だと思いますね。

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