弘前での取材先で見つけた神棚です。
神棚って、廃れていそうで、実際に取材に行くとほとんどついているもの。
仏壇は少人数の核家族というのが一般的になって、
まぁ、だいたいはその家で亡くなる方がいて、はじめて作る、購入する
というのが一般的。
なので、新築当時はほとんどが造作されていないというケースが多い。
その傾向は北海道の方が高いものがあります。
しかし、ひるがえって、神棚の方は案外、ない家の方が少ない。
家を新築するときに御祓いをしてもらう関係からか、
神様の方が縁ができやすいということを表しているのでしょうか。
というようなことなのですが、
伝統が生きている地域では、大工さんの手作りというのが一般的。
というか、大工さんからの新築祝いとして、神棚プレゼントが多いのですね。
職人らしく、手作業をプレゼントにするという伝統。
で、この家では、シンプルながら、
ちょっと使い勝手にも配慮したスッキリデザインの神棚でした。
この家は、設計者の関与している住宅なので、
たぶん、設計者が新築祝いに大工さんに設計図を渡して作ってもらったものでしょう。
神様の祭壇を載せる台はシンプルな平台。
その上にまぁ、よく売っている祭壇が載っけてあります。
ふつうならば、その平台の上に飾り物やお供えも載せるのですが、
それだと、毎日、お水を買えるときにもいちいち踏み台を用意して
やらなければならないことになる。
神棚って、大体が2m以上の高さの位置に据えられますから。
で、毎日大切にしたいと考えれば、
水を載せる台など、このように段違いにして下にあると便利。
注連縄もこのように付けるとまた、変化があって楽しい。
微妙だなと思うのは高さ。毎日使うのに頭がぶつかるようでは困る。
その点、絶妙な高さに据え付けられているので、その点もセーフ。
そんな作られようの神棚ですが、
出来上がってのスタイルは、実にスッキリとしたプロポーション。
ここは吹き抜けに面しているので、上を人が通ることもない。
悪くないモダンデザインで、家の雰囲気にも合っている。
ちょっとした部分ですが、モダンと伝統との融合という感じで
ほほえましいと思った次第です。
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