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主訴 仮歯が何回もとれる

2019-03-13 08:07:22 | Weblog
ここ最近、いろいろすることが多く、
今月はブログをまったく更新していないことに気づいた。
ということで今回も症例を提示しよう。

症例は某所付属病院の補綴科で治療中であるが
右下6のインレー脱離と何回も仮歯がとれることを主訴に来院。
なんで通院中の科にいかないのか疑問なのだが
患者は仮歯が何回も脱離することに関して主治医に質問するも
全体的な噛み合わせに問題が強いと言われたとのこと。
疑問に思った家族にすすめられ当院にきたらしい。

とりあえず私は、仮歯の形態が脱離を繰り返す大きな原因ではないと判断し、
全体的な問題へ対処を行い、その後、
暫間補綴物のある項目を考慮した中、形態修正を行った。
経過を観察では、暫間補綴物は脱離しなくなった。

全体的なかみ合わせが悪いという疑いがあるときは
局所的な治療を終わらせる前に、その問題を解決するべきだが、
何がどう悪いからどうするべきかの診断と理論を基に、
その理論をしっかり手技に反映して結果をだすことに
我々はこだわるべきであろう。
慣れてなく四苦八苦しても、必ずその努力の結果は出ると思う。
補綴物や修復物の治療は所詮対症療法に過ぎないということを
常に我々は肝に銘じるべきである。

補足として、
もし仮歯が何回もとれることに対して的確な処置がされてなかったら
その部に最終補綴物をいれたらどうなるか、また強度が高い補綴物で
補綴したらどうなるか、予後は容易にわかると思う。