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総義歯補綴から思うこと

2018-03-04 20:40:49 | Weblog
無歯顎の治療における総義歯治療は難易度の高い咬合治療といわれている。
そのため色々な理論が提唱されて、多くの研修会が行われている。
また、無歯顎補綴で義歯のみでは機能性安定性が乏しいとされる場合、インプラントを併用したIODや
BAFB、A4などの治療法が紹介されているが、結構臨床では機能的な面だけで考えると
顎口腔機能回復を考えた治療を適切に行えば、普通にIODすら必要ない症例が多くあると考える。

私の20年以上の臨床経験では、保存修復、エンド、口腔外科、補綴、これらの分野において、
大学の授業で習った手技を忠実に守りながら行った臨床を見直してみると、
予後がよくないという経過の症例があったという経験がない、、たぶん、、
そのため学会や勉強会、研修会に行かなければ『よい治療ができないかも』という考えをもつ前に
基本を見つめ直し、学校で習った学術を『まずは丁寧に実践してみてはいかがなものか』と思う次第。

提示している写真は総義歯であるが、これらも通法通りに筋圧形成し、印象を行い、
義歯のことをよくわかっている技工士に総義歯を作成してもらうと、
保険治療でも十分に機能しているという症例群のごく一部である。
提示している写真を含め、欠損補綴における義歯補綴治療の治療ステップや予後などについては
BADSで私は提示と解説をしているので、メンバーは知っていると思う。

ちなみに保険外診療の総義歯において、金属床の設計が適切でないものが多くみられる。
また、義歯では食事が味気ない、おいしくないという主訴の患者がたまにいるが
確かにこの点はある理由があってそのようになるのだが、ある点に対して義歯にちょっとした
配慮をすればある程度は改善できることも忘れてはならない。

保険外診療でないとしっかり作れない、良い結果がだせない、という事例はそんなに多くないと思う。
保険診療、自費診療の違いは何かを問われたら、
ほとんどの場合、材質の違いによる快適性が大きな違いであると私は考える。

3月11日 PGI名古屋の例会にて、我らの親分・西川洋二先生にお越しいただき
総義歯治療について講演していただける。
大学で習う基礎となる概念の臨床への意義と、総義歯学における重要な観点を交え
どのように総義歯治療を行っていくかを6時間たっぷり解説してくださる。
我が親分の症例はほとんどが保険診療中心で、良好な予後ばかりなので、
臨床医向きの講演が楽しみである。

追伸
こないだのオフの日といっていた日の夜、地区の歯科医師会の会合があったことを
完全に失念していたことに翌日気づいた。。。 ごめんなさい

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