ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

50年後のザ・ビートルズ追体験〜12月10日は初のベスト盤「オールディズ」

2016年12月10日 | ザ・ビートルズ
 50年前の今日12月10日はアルバム A Beatles Collection Of Oldiesの発売日であった。66年8月の北米ツアーをもって長い休暇に入ったビートルズはEMIとの年に2枚アルバムをリリースするという契約があったためこのベスト盤を出すことになったそう。それまで発売されたヒット曲にイギリスでは未発表だったBAD BOYを加えた16曲の構成だが、クリスマス商戦の時期にもかかわらず最高位で6位とビートルズにしては振るわない売り上げだったとのこと。

 しかし、私にとってはとても思い出深いアルバムである。初めて買ったビートルズのレコードだったからだ。中学生になってビートルズが好きになり、さてどのレコードを買おうかと迷った時に知ったのがこのアルバムの存在で、とにかく知っている曲が満載。もうこれしかない、という感覚だった。おかげでその後何度も何度も聴くことになった。ある意味私にとってビートルズの原点である。その後ビートルズの世界がどんどん広がっていき、忘れがちの存在かもしれないが、今日改めて針を落とすとあの頃の自分の姿を思い出すノスタルジックなアルバムでもある。

 さて、自分達の音楽作りに集中していたビートルズはスタジオでの作業が長くなり、自作のリリースまで相当な時間を要するようになっていく。というわけで、次回の50年遅れ追っかけビートルズは、来年6月1日の「サージェント・ペパーズ」である。

ライブ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル / ザ・ビートルズ

2016年09月19日 | ザ・ビートルズ
 Hollywood Bowlのライブ盤は1977年にリリースされたとのことで、ビートルズが解散してからかなり経っての初ライブ盤お披露目となったわけだ。私自身はなかなかこのアルバムを耳にする機会がなく、2年ほど前にようやく中古でレコードを手に入れた。そしてこの度、本アルバムがCD化され今月9日に発売となった。

 そもそもレコードを聴いた時に、ビートルズの演奏とずっと鳴り止まぬ歓声が全く別物で、まるで両方を無理矢理合わせたように感じたものだが、実際にはビートル・マニアといわれた黄色い歓声は彼らの演奏中途切れなく渦巻いていた。その中でPAシステムもない状況で演奏していたライブである。時には「カン」に頼って演奏していたのではないだろうか。もしそうだとしても、本当に素晴らしい演奏を彼らは聞かせる。さすがデビュー前も百戦錬磨のライブ活動を重ねただけのことはある。ビート・バンドとしての実力を発揮している。そんなことを感じさせる生々しいサウンドがリミックスとリマスターされたCDから飛び出してくるのだ。今回はLP盤の13曲に4曲がボートラとして加わった。いずれも未発表とのことだが大ヒットした「抱きしめたい」や大好きな Baby’s In Blackなどが含まれ私としては大満足である。

 ところで、ライブ盤というと、大方のアーティストは会場の臨場感をだすためかヴォーカルにリバーブやエコー処理をする場合が多いのだが私はそれがあまり好きではない。本アルバムもその処理は同じで、やはり声にリバーブが加えられているのが、CDの方ではまた違った響きのように感じられる。少し違和感を感じながらも全体を聴き通したわけだが、結論としては「やっぱりビートルズはイイ!」のである。

50年後のザ・ビートルズ追体験 8月5日は「リヴォルヴァー」発売

2016年08月05日 | ザ・ビートルズ
 1966年8月5日、ビートルズの7枚目のオリジナル・アルバムREVOLVERが発売された。録音は同年の3月から6月とのことで、その後来日公演が行われた。また、本アルバムからの新曲3曲が6月20日米国キャピトルから発売されたYesterday And Todayにすでに収録され、オリジナルアルバムより先に日の目を見ている。

 私がこのアルバムを耳にしたのは発売後何年も経ってからのことで、確かに1枚購入していた。しかし今なぜか手元にない。買ったという事実はアルバムに興味があったからで、手元にないのは処分したのだと思う。記憶がはっきりしないのだが、当初Here There And Everywhereのような美しいバラードやブラスロック的Got To Get You Into My Lifeなどはラジオで聞いて気に入っていた。しかしアルバム全体を聞くと、何か違うものを感じたのではないかと思う。まず、ジャケットがモノクロで地味な印象だ。そして再びストリングスと組んだEleanor Rigby は暗い曲に思えたし、Tomorrow Never Knows も何となく不気味であった。1曲目のTaxmanなど軽快なロックで気に入った曲もいくつかあるのだけれど、全体的にはあまりなじめない第一印象だったのだと思う。

 それはあくまで当時の思いである。今や私の中では音頭としてすっかり定着してしまったYellow Submarine、She said - I saidの歌詞での対比がもしかしたらHello Goodbyeの原型かもしれないShe Said She Said、スピード感があり最後のコードがカッコイイAnd Your Bird Can Sing、ほのぼのとしたポールらしい曲のFor No One、そしてインド楽器やブラスなど曲に応じてゲスト・ミュージシャンを招くなど、実に多彩な曲とサウンドが揃っている。前作までの作りとは明らかに違う、だからこそ音楽的には次作のサージェント・ペパー…に匹敵するアルバムであると言われるのも納得の一枚だ。ビートルズはその年ライブ活動を中止する。創作活動やレコーディングに費やす時間が増え、サウンドはより高度かつ多様になっていく。そうした部分での過度期、さらに進化する過程の一枚として重要なアルバムであると思う。

 手元にあるのは来日20周年として86年に国内発売された2回目のモノラル盤、ステレオのFOREVER帯盤、そして昨年発売したモノボックスの一枚。モノラルの2枚を比較すると、アビーロード・スタジオ・マスターによる英国カッティングとされる日本盤の方の音圧が高く、ボックス盤の方はサウンド的にはおとなしめ。だがそれは英国的な落ち着いた音質であるとあえて言っておこう。

 さて、50年後の追っかけビートルズ、次は12月10日発売のA Collection Of Beatles Oldiesである。

ビートルズ来日50周年!本当なら今日28日が初来日の日だった & UNRELEASED MASTERS4枚組

2016年06月28日 | ザ・ビートルズ
 50年前の明日6月29日、ビートルズが来日した。台風で11時間遅れ、未明の到着だったそうなので、となると本当は本日28日に日本の土を踏むはずだったのだ。当時の私は小学生、まるでビートルズのことなど知らないで過ごしていた。世論の反対を押し切り武道館で初めて音楽ライブを開催したこと、ステージの模様がテレビ中継されたこと、ビートルズの演奏は30分程度しかなかったこと、その前座にドリフターズ(いかりや長介さんの方)が出たことなど、後になって知った事実ばかりであるが、当時の若者の熱狂は想像に難くない。

 というわけでもないのだが、このタイミングでビートルズの初期のライブ音源CDを入手。UNRELEASED MASTERS というタイトルのボックス・セットで LOST DECCA TAPES, LOST STUDIO SESSIONS, ON THE TELLY, ED SULLIVAN &HOLLYWOOD BOWL OUTTAKES の4枚組である。一聴してまずはCDの音質が良い。音圧が高いというのか、迫力あるサウンドである。そして初期ビートルズのライブバンドとしての演奏力がやはりすごい。売れっ子としての勢いも演奏に感じられる。オフィシャルのBBCセッションより良いかもしれないと思ったほどだ。ON THE TELLY では Yesterday をポールが歌っているのだが、バックにストリングスの伴奏が鳴っている。これはいったいどういう仕組みだったのだろうか?

 今年は9月にライヴ・ドキュメンタリー映画 EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years が上映されたり、10月にはリンゴ・スターがスティーヴ・ルカサーやトッド・ラングレンを引き連れて来日するらしく、来日50周年記念の年としてビートルズ関係の話題で盛り上がることになりそうだ。

ザ・ビートルズ: 6月20日はキャピトル盤 YESTERDAY AND TODAY の発売日

2016年06月20日 | ザ・ビートルズ

 CDジャーナルムック「ビートルズストーリーVol.4 1966」によると50年前の1966年4月から5月にかけてビートルズは新しいアルバムのレコーディングに勤しんでいた。Revolverだ。さらに5月3日には彼らの来日公演が決まったとの新聞報道がなされた。そして6月30日から5日間にわたってビートルズは我が国に上陸した。そうしたビートルズ旋風が吹き荒れたタイミングの中、その10日前の6月20日にアメリカ・キャピトルからリリースされた新譜がYESTERDAY AND TODAYであった。

 50年後の追体験、今回はブッチャー・カバーの回収問題で大きな話題になった本アルバムである。私は特にこのアルバムが好きだ。中学生の時初めて聴いたビートルズのレコードだったからだ。しかしそれは自分で買ったのではなく、友人の家に行って聞かせてもらったものだ。当時はビートルズのことはあまり知らなくともYesterdayは良い曲だという認識があり、少しずつビートルズが身近になりつつあった。その時、この名曲を聞くことのできるレコードとしてとても印象に残ったアルバムなのである。

 オープニングのDrive My Car、大好きな曲だが最初に聞いたのはRubber Soulではなくこのアルバムだった。そのRubber Soulからセレクトされたのは、Nowhere ManやIf I Needed Someoneなど自分好みの曲が並ぶ。そしてDay Tripper、We Can work It Outというシングルヒット曲も収録。さらに本アルバムには発売前のRevolverからの3曲が含まれていて、それらはオリジナル・アルバムより先にリリースされたことになる。(実際にはI'm Only Sleepingなどは英国盤の決定ヴァージョンと違うミックスが収録されているのだが。)

 私の所有する本アルバムは中古で購入した国内盤と米国盤のアップル・レーベル、そしてキャピトル・レインボー・レーベル復刻盤の3枚である。米国アップル・レーベルはSTEREO盤でレインボーの方もジャケットにはSTEREOと表記されている。しかし針を落とすと音がどう聞いても中央に定位している。調べるとステレオ編集テープが間に合わなく従来のモノラル録音をプレスした盤が短期間出荷されたらしい。いわゆるミス・プレス盤である。というわけで偶然モノ盤とステレオ盤の両方を所有することになった。そんなレア・アイテムがあるからこそビートルズは面白いとなるのである。

 さて、間もなくビートルズの来日50周年ということでテレビ等ではこのところ特集番組を放送している向きがある。今の若者達は50年前のこの一大イベントにどの程度興味関心を持っているのかわからないが、私の世代以上は大いに盛り上げるのではないかと思う。それなりに楽しみたい。そして、次はいよいよ8月5日のRevolverである。

追悼!キース・エマーソンとジョージ・マーティン~その2

2016年05月09日 | ザ・ビートルズ
 ジョージ・マーティンが第5のビートルズと言われていた人物なのはここで触れるまでもない。3月9日に亡くなった時、もう90歳だったとのこと。そして、彼について4月13日付け北海道新聞が大きく取り上げている。和久井光司氏の追悼寄稿文に加え、マーティン氏と北海道の関わりについて述べられている。

 それによるとビートルズのプロデュース以外にプロデューサーやエンジニアを派遣する会社AIRを設立し、その後カリブ海の島にAIRスタジオを創設するなど経営者としての手腕を発揮した彼は、実は北海道とも大きな関わりがあった。AIRスタジオが89年にハリケーンにより被害を受け閉鎖に追い込まれ、その時無事だった機材一式がマーティン氏の手により札幌南区の芸術の森に建てられた「ファンハウス札幌スタジオ」に提供されたのである。スタジオの内装に用いられた寒冷地の松や札幌軟石の効果で「バランスが最高だ」とも語っていたそう。完成したスタジオに実際にマーティン氏も訪問していたのだ。この事実はこの記事を読むまで知らなかった。5人目のビートルズが札幌の地を踏んでいた、ファンとしてはとても喜ばしいことだ。そしてこのスタジオは今「芸森スタジオ」と変わり、昨年10月にここでも紹介した大貫妙子&小松亮太のアルバムTINTなど名作が録音されている。あのアルバムもとても音がよい感じがした。なるほど、そういうことだったのか、と妙に納得した私である。亡きジョージ・マーティン、札幌の音楽文化に多大に貢献してくれた。ありがとう、ジョージ!

 以上、二人の音楽偉人を追悼し、次の話題に触れようと準備していたら、まさにその人の訃報が届いた。冨田勲氏が亡くなったのである…。


50年後のザ・ビートルズ追体験~ラバー・ソウル

2015年12月03日 | ザ・ビートルズ
 およそ1年前のこのブログで1964年12月4日はBeatles For Saleの発売日だったことを述べた。この時期はクリスマス商戦である。そんな時にビートルズのLPはファンにとっては嬉しい贈り物だったことだろう。そしてその1年後の50年前の今日3日、アルバムRubber Soulがリリースされた。ビートルズがレコーディング・アーティストとして臨んだ最初の作品だとジョン・レノンが語ったというこのアルバムは、A Hard Day’s Night以来、全曲彼らのオリジナルで占められている。12月8日に全英チャートで初登場1位となり、その後12週間その座を守った。これまた嬉しいクリスマス・プレゼントである。

 私はこのアルバムに収録されている曲のうち、GirlとMichelleは実はポール・モーリアのオーケストラ演奏で最初に知った。小学生の頃で、つまりビートルズの曲だとは知らなかったわけだが、特にMichelleは美しい曲だなと思っていた。こうしたこともその後ビートルズ・ファンになったきっかけのひとつである。

 Rubber Soulは彼らのアルバムの中でも特にお気に入りの一枚である。好きな曲がたくさんある。1曲目のDrive My Carのイントロのかっこよさ、ドスのきいたポールの歌声には本当にしびれる(死語?)。Nowhere Man(「ひとりぼっちのあいつ」という名邦題!)のコーラスの凄さ、You Won’t See Me、 In My Life、 ジョージのIf I needed Someoneの美しい旋律、Michelleの不思議な英語は実はフランス語だった驚き、そしてRun For Your Lifeの印象的な旋律…。

 余談だがシタールが初めて使われた名曲Norwegian Wood は「ノルウェー製の家具」が正しい訳だと言われており、私もそう思うが副題のThis Bird Has Flownが続くとどうしてもノルウェーの「森」をイメージしてしまう。

 今手元にあるアナログ盤はリマスター後のUSAステレオ盤、モノLPボックスのモノラル盤、そして65年12月6日にリリースされたキャピトル盤のステレオ仕様の3枚。キャピトル盤はRubber Soulからの10曲にHELP!から2曲を加えた変な構成。しかしI'm Looking Through Youの冒頭で2回ギターをやり直すヴァージョンが収録され、また音圧的な迫力があってつい聞き込んでしまう1枚だ。

 さて、50年後のビートルズ追体験、次は来年6月のYesterday And Todayと8月のRevolverである。

ベスト盤「ザ・ビートルズ1」~新たに7種類の形態でリリース

2015年09月16日 | ザ・ビートルズ
 このところ紙ジャケやボックスセット、モノLPなど、ビートルズの作品が何らかの形で再リリースされてきたが、来る11月にベストアルバム「ザ・ビートルズ1」が新たな7種類のヴァージョンで発売になるらしい。すでに色々なサイトでアナウンスされている。

 一つの作品を7種類で出すとは驚きであるが、その内容はCD、DVD、Blu-rayそしてブックレットが組み合わされているとのこと。つまり各曲の映像版が新たに加わった。ビートルズが今で言うプロモーション・ビデオ制作の先駆的役割を演じたとは言われているが、デビューの頃からそうだった訳ではない。従って初期の作品の映像とは何なのか気にはなる。

 しかしそれ以上に興味をそそられたのは、「音源はジョージ・マーティンの息子であるジャイルズ・マーティンが担当。アナログ・マスターから全く新しいステレオ・ミックスがほどこされ、DVDとブルーレイには5.1サラウンドの音源も収録されています。(Amazon Japanより)」との説明部分。これだけ読むと、リマスターを終えた今、いよいよビートルズの作品のリミックス化が始まったとも理解できる。

 今までビートルズ作品のリミックスが行われたのは、“Yellow Submarine SONGTRACK”と“LOVE”の2作品だけだったと思う。後者はステレオと共に5.1chサラウンド版が作られたが、曲自体は様々な楽曲が切り貼りされた別物であった。プロデュースしたのはジョージ・マーティンと息子のジャイルズ。そのジャイルズが今回の「1」に関わり、ナンバー1になった曲の再ステレオ化と5.1ch化を行った。この新たなミックスはぜひ聞いてみたい。そして国内盤のCDはSHM-CDであるとのこと。私はSHM-CDとDVDによる「初回限定スペシャル・プライス盤」を(予算の関係からも)予約注文した。

 さて、どのようなサウンドが聴かれるのか。世界同時11月6日発売である。
 (こちらのサイトに詳しい紹介あり。

今日の一枚×2:ワゴンセールで買った日本独自編集盤「ビートルズ!」「ビートルズNo.2」

2015年09月06日 | ザ・ビートルズ
 札幌の中古レコード店の店前ワゴンで見つけた2枚のLP。どちらも1000円を切る値段で購入。

 まず日本でのファースト・アルバムとなった通称「ビートルズ!」。初版は64年4月5日発売。こちらは70年にレーベルがアップルに変わってから、また73年東芝音楽工業株式会社が東芝EMI株式会社に変わってからの盤(AR-8026)で、裏面の解説はDJ高崎一郎氏。歌詞カードあり。よく言われるように日本独自編集で、抱きしめたい、SHE LOVES YOU、 FROM ME TO YOU、 PLEASE PLEASE ME、 ALL MY LOVINGなどのヒット曲が満載の皆が喜ぶ選曲。改めて曲名を見たら、全14曲中「抱きしめたい」だけが日本語タイトルで他はすべて原題のまま。そういえばビートルズの曲は邦題が少ないと今気がついた。40年前の商品とは思えない迫力あるサウンドを聞かせてくれる1枚である。

 次に「ビートルズNO.2」はキャピトル盤SECOND ALBUMと同じデザインのジャケットを持つこちらも日本独自編集版。64年6月5日発売。私が買ったのはアップル・レーベルで東芝音楽工業株式会社による1700円価格表示、薄いペラジャケットのもの(AR-8027)。こちらも歌詞カードあり。私はこの日本独自編集版の知識があまりなくて、ジャケットだけでは米国盤と区別がつかず、店の人にSECOND ALBUMを見せてもらってようやく判断した。しかし実は表のfeaturing CAN’T BUY ME LOVE…以下の表記がキャピトル盤と違うのだそうだ。そしてこちらのレコードは前述の「ビートルズ!」よりもさらに音が太く、良い音を出してくれる掘り出し物の一枚だった。

 このNo.2に「ビートルズNO.5」を加えた日本編集の3枚はいずれもモノラルである。ただし1枚目の「ビートルズ」は、私が購入したAR-8036からはステレオ・ヴァージョンをモノラル化した「似せ(偽)モノ」であるとのこと。そうすることに何か意味があったのだろうか、ビートルズはやはり奥深い…。

今日の一枚: 映画”A HARD DAY’S NIGHT”のサントラ・アナログ盤

2015年09月02日 | ザ・ビートルズ
 札幌の中古店で見つけた一枚。前から欲しかったのだが、昨年発売のTHE U.S. ALBUMS BOX SETの中の1枚としてCDで入手したので積極的には探していなかった。今回たまたま巡り会ったのと千円台だったので購入。

 レコード・コレクターズ増刊のTHE BEATLES MATERIALS VOL.1 によると64年6月26日に米United Artistsが北米のみでリリースした映画のサントラ盤でビートルズの楽曲の他、ジョージ・マーティン・オーケストラによる4曲が収録されている。そして、盤の黒いレーベルの上部にカラフルな○があるのと、ジャケット表面右下にUnited Artistsロゴが入っているのは初版なのだそうだ。まさしくこれがそう。

 その初版のレコード・サウンドはどうなのか。…よくわからないというのが実感。レコード自体は普通よりも若干重たい感じがして、安定感がある。しかし針を乗せてみるとジャリジャリした音と時々大きなプチノイズが発生する。特にB面にその兆候が大きい。だから安かったのかもしれない。しかし、それが良いのだ。何せ50年以上前のレコードである。新品同様である方がおかしい。ジャケ裏面にはかつての所有者のサインが書かれている。当時はそうすることが普通だったと何かで読んだ記憶がある。そんな当時の状況を感じさせるからこその初版なのである。

 いずれにせよ、これでMEET THE BEATLESからYESTERDAY AND TODAYまでの米国リリース・アナログ盤を揃えることができたのは嬉しい限りである。

50年後のザ・ビートルズ追体験 今月は"Help!"2枚

2015年08月12日 | ザ・ビートルズ
 50年前の8月6日、オリジナルアルバムとしてのHelp!が、そして8月13日映画Help!のサントラ盤がキャピトルからリリースされた。当時ビートルズは2月中旬からニューアルバムのレコーディングを開始し、下旬から2作目の映画の撮影に入ったそうだ。従ってこの年の半分は映画の制作に関わったことになる。これは前作A HARD DAY’S NIGHT を手がけた前年とほぼ同じ動きなのだそうだ。つまり、アイドルとして多忙を極めていた中での音楽制作状況だった。映画の公開は8月11日。初めてカラーで紹介された動くビートルズの姿に全世界が興奮したとの話がある。

 さて、現在アルバムHelp!に関しては、私は3枚のLPを所有している。最初に買ったのはキャピトル盤のサントラである。オープニングがまるで007の音楽とそっくりで、間髪入れずに「ヘルプ!」と始まるところがとてもかっこ良く思えた。見開きのジャケットも映画の中のカラー写真があり大変豪華な感じがした。ビートルズの7曲とケン・ソーンの手がけた映画のスコア5曲が収録されている。ケン・ソーンは後に映画「スーパーマン2」のスコアも担当した作曲家だが、それは私のお気に入りの1枚でもある。本アルバムは発売前に予約が100万枚を突破していたそうだ。

 一方、オリジナルアルバムとしてのHelp!は映画外の曲としてYesterdayという超名曲も含まれているが、シングル・ジャケットということもあり、何だか地味な感じを受けた。そういう理由だろうか、長年なぜかこちらのアルバムを「購入する」という行為に至らずにいた。それが86年に地元のスーパーのレコード店で「来日20周年特別企画限定発売オリジナル・モノーラルレコード」として「ホワイトアルバム」までの10種のオリジナル・アルバムが並んでいるのを見つけて、それまで持っていなかったこのアルバムを購入するに至ったのである。それが私にとって2枚目のHelp!だった。余談だが、その時は「珍しい赤色レコードで、本来のモノラルが聞ける」という程度の気持ちだったが、現在これらの盤がここまで貴重となり、プレミア価格になるとは思ってもみなかった。私は計4枚を購入したがもっと買っておけば良かったと悔やまれる(笑)。

 このモノ盤の帯には「アビーロード・スタジオ・オリジナル・マスター 英国カッティング」と記載され、中の解説では「イギリスEMIで厳重に保管されているマスター・テープより直接カッティングされたラッカー盤からプレスされているため、音質も可能な限りの最高のものとなっている。」とされている。3枚目の購入となった昨年のモノLPボックスの復刻版は本当のオリジナルの音源と考えられるが、実際聞き比べてみると国内モノ盤の方が中高音がスッキリと聞こえる気がしたのはなぜだろう(安いレコード・プレーヤーでの個人的感想)。

 さて、次回は12月のRubber Soul(ラバー・ソウル)だ。


50年後のザ・ビートルズ追体験~今月はBEATLES VI?

2015年07月12日 | ザ・ビートルズ
 50年前のアルバムリリースと同日にアナログ盤でビートルズを聴く一人追体験、今月はこれだ!BEATES VI… しかし、このアルバムのリリースは1965年6月14日であり、またまたやってしまった、すっかり忘れていたのだ!すでに7月の中旬である。気をとり直して改めてターンテーブルに乗せた。

 タイトルから一目瞭然であるが、これはキャピトル盤の6枚目のアルバムである。手元には国内盤と米国盤の2枚がある。国内盤は随分昔から持っていた。自分としては全キャピトル盤の中で1、2を争う好きなアルバムである。なぜならまず、ジャケット写真が良い。昔不良ぽい格好をしていた者達とは思えないナイスな4青年が笑顔で写っている(ジャケ写真は2012年09月10日の本ブログ記事参照を)。そして曲目。アルバム未収録のYES IT ISが含まれているというのがこのアルバムの売りだったと思う、そしてその曲がハーモニーの美しいバラード曲なのである。それだけで充分買いのアルバムだったが、収録曲としてBEATLES’65に使われなかったBEATLES FOR SALEの6曲と、何と英国でもまだ発表されていなかったHELP!からの新曲3曲が含まれていたのである。オリジナルのアルバムより先に新曲が聞けるとは、何という状況だったのだろうか!?ともかくリリース後3週目からビルボード誌で連続6週ナンバーワンを維持したそうだ。FOR SALEからHELP!への変化の様子が一枚のアルバムで把握できる貴重なアルバムであるとも言える。

 なお、手元の米国盤の方は、2012年09月10日記事でも紹介したがRIAA横のナンバーが3と示されている比較的初期のもの。ジャケットはまさに50年前と言えるくらい年季が入っていて、書き込みもされている。しかし、そのおかげでかなり安く手に入れることができたし、盤は全く問題なし、迫力ある素晴らしいモノラル・サウンドで、大変気に入っている。

 さて、いよいよ次は8月のHELP!だ。英国のオリジナル盤と映画のサントラとしてのキャピタル盤の2枚がほぼ同時期にリリースされている。次こそ忘れべからず…。

50年後のビートルズ追体験~今月はキャピトル盤 THE EARLY BEATLES

2015年03月28日 | ザ・ビートルズ
 ビートルズのアルバムを50年後の発売日と同じ日に、アナログ盤で聞こうというビートルズ追体験。50年前の1965年3月22日はザ・ビートルズのアメリカ・キャピトル盤アルバム、THE EARLY BEATLESが発売された日である。今回はちょうど日曜日であった先日22日に、手持ちのこのアルバムに針を落とすことができた。

 オープニングはLOVE ME DOである。「初期傑作集」とでも名付けられたこのアルバム、キャピトルとしてはデビュー時期の作品をリリースしたい意図があった、というのも、アメリカでのビートルズの楽曲の発売権利は最初はヴィー・ジェイ・レコードというゴスペル専門の会社が持っていたからだ、というのはよく知られた話。つまり、このアルバムでようやくキャピトルはビートルズのデビューアルバムをリリースしたことになった。ただし、ヴィー・ジェイがすでに発売したアルバム(それもジャケットや曲順を変えて4回も)のためファンにはジャケット写真以外新鮮味がなく、売り上げの順位的には苦戦したらしい。

 私の所有する本アルバムは、レーベルがリンゴである。68年以降変更になったそうなので、決して初期のものではない。しかし、ジャケットの作りは初期のものと全く同じで、なかなか良い。さらにそのリンゴのレーベルだが、濃い緑色で印刷されている。昔見たビートルズのアルバムはそんな濃い緑色が印象的だった記憶があるのだが、その後のレーベルは薄い緑ばかりだった。私はこの濃い緑にノスタルジーを感じていて、たまに遭遇すると子供の頃を思い出してうれしくなる。

 さてこの後はいよいよ映画「ヘルプ!(4人はアイドル)」の公開と、アルバムHELP!のリリースへと向かっていく。

ビートルズのイヤー・ブックTHE BEATLES STORY’64(発行ファミマ・ドット・コム)

2015年02月14日 | ザ・ビートルズ
 とうとうこのような本が出た。ビートルズの全活動を1年1冊にまとめたイヤー・ブックで、VOL.1として1964年のビートルズ・ストーリーである。昨年が生誕50周年という節目であることは私も充分承知しているが、ここまで徹底してビートルズを論じるとは、自称大ファンとしては買わずにはいられない。そして2014年12月20日、64年の活動からちょうど50年後としてぎりぎりでの発行である。

 注目すべき記事は月ごとに日々の行動が説明されている部分。1月当初はフランス公演が組まれていたがまだ爆発的な人気を博していたわけではないこと、前年末にアメリカで発売されたシングル「抱きしめたい」がフランス滞在中に1位になりそこから彼らの快進撃が始まった等の顛末が述べられている。そういう意味では64年始めは大きく変化のあった時期で、その後あっという間にかれらは超アイドルになっていくわけだ。さらに映画「ハード・デイズ・ナイト」の撮影も含め、5月まではほとんど休みなく働いていることがわかる。その他、この本には64年リリースのアルバム、楽曲、書籍等の紹介や状況がわかる写真も掲載されていて、数年後全冊が発行されたならばかなり詳細なビートルズの記録集となるに違いない。

 ところで、50年後の同日にアルバムを「追っかけ視聴」している私だが、この時期は2月5日に日本でNo Reply/Eight Days A weekと Rock and Roll Music/Every Little Thingの2枚のシングル盤が発売された。後者は2011年に来日45周年記念で日本版の復刻アナログ・シングル盤がリリースされ私も購入したので今回針を落としてみた。3月15日にはBeatles For Saleの日本盤「ビートルズ’65」が発売となる。そして追っかけとしては同月22日にアメリカでリリースされたキャピトル盤The Early Beatlesを聞くことになる。

 さて、VOL.2のビートルズ・ストーリー’65はいつ出版となるだろうか。

紙ジャケ盤LET IT BEとビジュアル版ザ・ビートルズ全史「1000点の貴重な資料で体感する歴史大図鑑」

2014年12月25日 | ザ・ビートルズ
 ステレオ盤SHM-CD紙ジャケシリーズのLET IT BEが届いた。こちらも一見「帯」に見えるカバーが付いている。日本リリース時の見開き・ダブルジャケットではなくオリジナル英国盤と同じシングル・ジャケットである。「日本独自企画」ということなら、かつてのダブルジャケの再現が良かったなあ、いや(前にも書いたが)ボックス版の再現を!と思ってしまう。同封のスリーブは白い紙仕様。
 ところで、今年流行ったアナ雪のLET IT GO、そしてこのLET IT BEは訳すとどちらも「ありのままに」となるだろうが、違いは何か。聞くところによるとLET IT GOには「意志が感じられる」とのこと。なるほど、確かに映画撮影時のビートルズ、ポール以外はGOではなくBEだったかも、と言うと皆さんに怒られるかもしれない。

 さて、日経BPムック「大人のロック!」から新しいビートルズ特集が発刊となった。今回の一冊も、広範囲な資料を基にメンバーの誕生からバンドの解散までを追い、ビートルズを「音楽遺産」と位置づけその魅力を余すところなく伝えようとしている。
 彼らの史実の紹介については初めて知ることもあり興味深く読んだが、私が特に関心を持ったのはEPやシングル盤レコード、各国のジャケ違いアルバム、オープンリール版のアルバムの紹介である。様々な形でビートルズの音楽が世の中にリリースされたことを再認識した。そして、時々彼らの使用した楽器の紹介もされている。よくぞここまでたくさんの資料を集めたものだと感心している。そういう意味でもとても読み応え、見応えのある一冊である。この年末年始はこれで50年前にGET BACK...。