ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

ジェネシスのアナログ盤 A TRICK OF THE TAIL 「トリック・オブ・ザ・テイル」

2016年07月06日 | プログレ

 「幻惑のブロードウェイ」は当時の混沌としたバンド状況の中で産まれたまさに奇跡のアルバムだったと私は確信する。しかしその後、ピーター・ゲイブリエルが脱退するというとてもショッキングな事態が発生し、その出来事を乗り越えて作られた A Trick Of The Tailもまた奇跡のアルバムであった。私自身もピーターという看板シンガーがやめた時点で、正直ジェネシスは終わったと思っていた。音楽評論家の立川直樹氏もこのアルバムの解説で「ピーターを失ったジェネシスはそのまま崩壊してしまうのではないかと思った」と述べている。当然期待しないで、つまり全く買うつもりもなく店頭でこのアルバムを試聴したのだが、2曲目が終わった時点でもう買うことに決めていた、それほど衝撃的(良い意味で)なアルバムだったのだ。その詳細についてはこちらで触れている。

 手元にあるのは国内初盤で、シングルジャケットに歌詞カード付き(RJ-7082)。バンド存続の安心感と内容の素晴らしさに満ちた私にとって記念するべき愛聴盤だが、音的には音圧も高くはなくおとなしい印象。バランスの良いサウンドというのが妥当か。ヒプノシスが担当したジャケットのイラストが各曲とリンクしていて、お伽話的な別世界の雰囲気を加味している。そのジャケットだが、後にオリジナルは見開きで、イラスト入りのインサートが付属していることがわかり、その入れ物欲しさに後発プレスのUK盤を入手した。今後再プレス盤が発売されるようで、オリジナル・ジャケットの復刻とリマスター(あるいはリミックス?)のアナログ化であることを期待し予約を入れている。フィル・コリンズ時代のアルバムではこれが一番好きだという気持ちは今も変わらないのである。

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