上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

ラフマニノフざんまい

2008-05-26 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
そうか。あれは「ロシアの鐘の音」だったのか…。

大ちゃんのラフマニノフに触れたブログを書き、ラフマニノフの映画を見(やっと大阪でも公開だ!)、トドメにNHKでラフマニノフ特集を見てしまいました。中村紘子さん、二の腕のお肉のすごいこと(^^;)。でもパワフルで、さすがは「ピアニストいう名の蛮族」。
番組欄に「スケート」と書いてあったから、「村主バージョンか?高橋バージョンか?」と賭けてましたが、アッサリ村主バージョンでした(笑)。
でもあーやってあらためて見ると、すぐりんの女性版ラフマニは、繊細でたおやかで美しいです。やっぱ村主版を見た直後だと、高橋版は「男っぽ~」く見えるから不思議だす。
解説では、“伊藤みどりさん「も」高橋大輔さん「も」ラフマニノフで滑ってました!”となってますが、エバン・ライサチェクさん「も」アレクサンダー・アブトさん「も」滑ってますね…ね。他にもた~くさん?

ロシアの美青年アブトは、ソルトレイク五輪のFSで華麗に滑っておりましたが、その頃のコーチはあの真央ちゃんについていたアルチュニアンなんですよね。
あの陰鬱~でダンディなおっちゃんっぷりと、アブトのなびく金髪とヒラヒラ薄青の衣装、ラフマニのピアノの典雅な味わいが見事にマッチして、独特の世界を作り上げておりました。
なんつーかこう、「いかにもな日本人」な私にさ、「舶来感」を与えてくれたんですよ。「遠い夢の国から舞い降りてきました~^^」というのかな。

「ライサチェクさん」のラフマニも良かったんだよね~~~。
私、しつこく言ってる(笑)。世界Jrの頃でしたが。今、ライサはダークな「濃いい」系ばっか滑るじゃない?もっとこんな、繊細で美しいクラシックも絶対合うと思うんだけどなあ。彼のイメージが元々「明るくハジケる太陽」なんで、F・キャロルコーチに換わってからのコンセプトが、イマイチ私にはしっくり来ないのよー。いかがでしょう。ライサファンの皆様。

映画の「ラフマニノフ・愛の調べ」は…「愛の調べ」のコピーが安っぽいんだけど(笑)。なかなか面白かったです(主演男優がプーチンに似てる…と思ったのは私だけ?)。
印象的だったのは、「白いライラックの花」が、映画全編にキーワード的に散りばめられていて、「愛」の象徴になっていること。
あんなに無造作に、町かどや庭や野原や森に、いつもライラックが咲き誇っていたら、どんなにか美しいことでしょうか。日本だったらさしずめ「金木犀」とか「沈丁花」とかいったところかな。
舞台がほとんど禁酒法時代(か?)のアメリカなので、ファッションがノスタルジックで良いです。女性の髪がショートボブで、ドレスはロングでタイト。帽子のデザインがいい。昔「コットン・クラブ」というコッポラの映画がありましたが、あーゆー雰囲気。
セルゲイ・ラフマニノフは、幼少時に両親が離婚。家を出て「ピアノの天才」人生を歩む運命となりますが、このロシア時代の描写が少ないので、もうちっと「可愛い少年時代」を見たいところ。
チャイコフスキーとかストラビンスキーとか一杯、大スターも登場しますが、その辺の濃い脇役キャラは余り掘り下げず、ラフマニノフと、恋人であり妻であるナターシャとの愛に焦点を当てています。
ってかさー。ラフマニノフに「男」としての魅力がどーも乏しいんですけど。私だったら、こんなワガママ勝手・神経質な男につくすの嫌だよ(笑)。
何故ナターシャが惚れたのか。幼馴じみでもあるけど…くされ縁ってヤツかしら。でもなんか解る。キラキラ輝く才能と「支えてあげたいダメ男っぷり」。それって、女の人がのめり込む要素のひとつかもね。
ロシアからアメリカへの亡命とか、もっと劇的に演出するのかと思いきや、「今ふう」にアッサリしています。新天地でウハウハと成功しお金も儲けて、やがてスポイルされていく筋書きかしら…と思いきや、唐突に「家族愛にめざめたセルゲイ」で映画は終わるのでした。
「ラフマニノフ・苦悩の芸術の秘密」を期待していた私には、少々肩すかしでしたが、でもなかなか「白い花の香り」が残る1本ではありました。それにやっぱ音楽がいいからねー。

う~ん。今季も誰か「ラフマニノフ」滑ってくれるかな?あなたはどんなプログラムがお好きー。
コメント (3)
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