上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

僧走の夏に★

2018-08-14 | うぐいすよもやま日記
京都真如堂の中にある8つの塔頭(たっちゅう)のうちのひとつ、吉祥院では、初夏に先代ご住職が亡くなられました。
昨年のお彼岸位からお姿が見えず臥せっておられるようでしたが、御年90歳であられたので「大往生」と表現させてもらってよいのでしょうか。
訃報の届いたのが6月の地震後のことで、うちも体力的精神的に余裕がなく、通夜も葬式も参列ならず。
このお盆は、先代が亡くなられてから初めて吉祥院に伺ったことになり、失礼を詫びました。
報せに書かれてあった、歴代ご住職のお墓を探し、お参りさせてもらいました。
先代ご住職は「いかにもな僧侶」という感じの重厚感あふれるお姿で、私が子供の頃からお世話になっていました。インテリで講話も楽しく、かつ気さくな方でした。
あんなに元気だった方でも、死ぬことには抗えない。
今はこの墓石の下で眠ってはるのかな…と思うと、不思議な気持ちです。

「八月は祈りの月」で、いろんなところで「祈る」ことが多いのですが、お坊さんにとっては「走る走る」超忙しい月のようです。
うちのマンションでも町中でも、バイクや車に乗って汗を拭き拭き檀家を回るお坊さんを、しょっちゅう見かけます。
「師走」ならぬ「僧走」と呼びたくなりますね。
真如堂吉祥院の現ご住職はなかなかの「ITお坊さん」で、WEB日記もつけてはります。
これを読んでると、お寺も大変。。。激務なのですね。
暑くても寒くても、お寺と庭は手入れしないといけなくて、スタッフを雇っているわけでもなく(昔ながらの“小僧さん”とかいないのかな?)、何から何まで自分でやらなくてはならない。
そして並行して読経の外回りで、檀家さんが遠隔地ならば何時間もかけて。
私も、兄が亡くなった時に「なんで葬式に呼んでくれなかったの!京都から行ったのに!」とあとで言われたんですが、とても悪くて言えませんでした。過密スケジュールで(だから葬儀屋さんが用意したお坊さんが読経)。

お寺ってクラドファンディングですよね。
少子化や墓離れで、お寺の収入も減る一方だったら、いつかは「廃寺」になってしまう。
私自身は実は、多額のお金をかけて葬送し墓を建て戒名を頂くことに疑問を持っています。
でも、「お墓があるお寺」が存在すること、そこで守ってくれてる人がいることの、精神的バックボーン感はとても大きい。ここが無いと、本当に「根無し草」だな、と思うのも事実です。
いつ行ってもそこには「安らかな場所」がある。
それを維持していくには、やはりお金も労力も、檀家が寄付していくしかない。
「必要としている人」が、「必要とするところ」のために、お金を出す。訪れる。維持してくれている人に感謝を伝える。
私はここが廃寺になったら悲し過ぎるので、可能な限り「クラウド」に参加したいです★
コメント
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