MとAのミュージカル・ラン日記 ♪♪♪

音楽を聴きながら走る市民ランナーのブログです。ランと音楽以外のスポーツについても書きます。今は大谷翔平に夢中です!

ランニングにおけるランニングギア

2016-02-18 | 1日1ラン
 走るために必要なものなんて極端に言えば何もないくらいに思っていて、少なくともほかのあまたあるスポーツに比べれば「お金もかからない(だろう)」というのも走ることを選んだ理由の一つだ。

 それでも、どうしても何か1つくらい必要なものはないか、と聞かれたなら「ランニングシューズ」だと答えるだろう。

 「走ることは歩くことに比べて3倍の衝撃が足にかかる」と言われるが、これは故障しているのに走ったとき、痛いほど得心することになる。

 ランナーをやっていると、主に「走りすぎ」に起因する故障に次々見舞われることになる。そうしたとき、「歩く分にはほとんど痛みも感じない」のに「では走ってみるか」と、とてもゆっくり走り出した途端「あいた、た、た、た、た」と悶絶するという経験したランナーは私だけではないはずだ。

 またしても極端に言えば、ウエアなんてなんだっていい。そりゃ速乾性のものが(それなりの距離を走るなら)いいけど、速乾性の服なんて今時いくらでもある。綿100%のTシャツだって、うんと困るというほどでもなかろう。

 日差しが強ければ帽子もあったほうがいいけど、帽子の1つや2つどの家にもある。夏に限らず、サングラスはしたほうがいいと思うけど、これもまあ1つくらいは持ってそうだし、なきゃ日常用に買ったらいい。

 そう考えていくと、実際のところ、やはり、大したランニングギアなど不要なのだ。ところが、何事もそうだが、続けていくうちに、だんだんと競技レベルが上がり、レースに出たり、ラン仲間ができたり、となる。楽に走りタイムを縮めたい。あれがいい、これがいいと聞けば手を出してみたくなる。人目を気にすれば、ちょっとかっこいいウェアがほしくなる(ナイキやアディダスのマーケティングの餌食?となる)。

 そして、始めたころのことはすっかり忘れてしまう。

 「Born to Run」で一躍脚光を浴びることとなった、驚異的なトレイルランニング能力を持つタラウマラ族の履く「ワラーチ」にも注目が集まった。これは車のゴムタイヤから作られる、行ってしまえばただのゴム草履。それが彼らの「ランニングシューズ」「ランニングギア」。世界中でマネするランナーがたくさん現れた。それ自体をどうこう言うつもりはないし、私も興味があるけれど、では、タラウマラ族にとってのランとは何だったのかをよーく考えることはとても大事なことだと思うのだ。

 人里離れた深い山の中に住んでいる彼らにとって走ることは日常生活そのものである。移動の手段であり、数少ない娯楽、つまりスポーツでもある。無駄のない体型と筋肉、それに心肺能力。長い距離を走ることを武器
に生き延びた我々の遠い先祖と同じように、彼らも、おおむね小さくてやせっぽちだ

 ワラーチやベアフットを推奨する一方で、高価でごたごたとしたランニングギアを欲する精神は、大きな矛盾をはらんでいる。それは、取りも直さず、現代に至るにしたがって先鋭化した矛盾だし、世界の抱える矛盾そのものだ。21世紀、ランニングもまた時代を映す鏡となった。

 
コメント
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