香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

新潮6月号

2013-05-15 23:40:44 | 本のこと
新潮6月号


お目当ては、松家仁之さんの『沈むフランシス』
 昨年、松家仁之(まさし)氏は大作「火山のふもとで」で、
 文芸誌として異例の長篇デビューをはたした(新人として
 やはり異例の読売文学賞を受賞)。鮮烈な登場から約一年、
 第二作「沈むフランシス」(250枚)の主人公は東京での
 経歴も恋人も捨て、北海道に移住した三十五歳の女性。
 非正規雇用の郵便局員として、静かで小さな町のすみずみ
 に郵便物を届ける彼女の日々は、しかし、心落ち着くだけ
 のものではなかった。ーーー略ーーー
 デビュー作が示した人間への洞察、自然への畏敬、そして
 大スケールの時間感覚はそのままに、異例の新人の筆は
 「人間的、あまりに人間的」な領域にまで及ぶ。
 それにしても「フランシス」とは? 
 この謎が明かされるときの悦ばしい驚きを読者と共有したい。
                       新潮編集長


美しい大人の小説でした
観念的で、退廃的で,苦しい恋愛感情と
道東の美しい風景と、田舎の息苦しさ
寒過ぎて溶けない雪の結晶と、世界中の音
目で文章を追いながら、
心のなかが風景で感覚で音でいっぱいになる
静かな終わりに、ふぅ~っと大きく深呼吸しました

津村記久子さんの『給水塔と亀』
芥川賞作品の『ポストライムの舟』以来初めて読みました
短編だったのですが、とてもよかった
定年退職して、子供の頃に住んだ場所に超してきた
家族がいない男性の1日
淡々と書かれているけど、読後感が好き

宮本輝さんの『満月の路(16)』
流転の海シリーズで、連載中
読もうか読まないか、
連載初めだったら、新潮を買い続けたくなるけど
途中だしなと思って、読んでしまった
久しぶりの熊吾、そっか、こういう話になっているのかと
単行本が出るのが楽しみだな
流転の海シリーズは本当に好き
宮本輝さんは、戦後の昭和の時代の作品がいいなぁ

    

今日も寒い札幌でした
雨も降ってきたし、気温は上がらないし
もういい加減、暖かくなってほしいな

昨日、明るいうちに帰宅途中、通勤路のさくら

短いけれど、連日走っていますが
農試公園や新川通さくら並木は、まだあまり咲いていません
週末、満開になるかな

今日、ポストに入っていたお友だちが作ったmini book
ドイツから届きました

『きみがいない』のりまえるま
温かいイラストに、じ~んとくる文
大人の絵本です