成人病検診のため、いつもよりも1時間早い時間に起きる。眠い。眠すぎるぞ。
これは眠気で一日がダメになるパターンだ・・・と思いつつ、電車に揺られる。
病院は会社のすぐそばにある。
検査で仰向けになったりするので、髪は特に整髪料をつけずに、シュシュで軽く結わいただけだ。
ボサボサ極まりない頭なので、知っている人に会いませんようにと祈りながら商店街を歩いた。
受付を済ませて、検査着に着替える。
担当の看護師は、前回同様に阿川佐和子似の女性だった。
待っている間に読む本は嶽本野ばら先生の「カフェー小品集」。
本当は、こんな上下ジャージ姿&ボサボサ頭では読みたくないんだけど。だって恥ずかしいではないか。乙女、駄々崩れじゃないか。
でもこの作品を読んでいると、時間が短く感じる。
きっとあの世界せ引きずり込まれるからだ。
●心電図
胸にクリームを塗られて気持ちが悪い。
●採血
来たぜ、これ。
阿川佐和子似の人に
「あの。片手でこの子を握っていてもいいですか?」
と吉熊を見せると
「あ~!!覚えてる!前回も持ってきていましたよね、クマちゃん」
と言われて仄かに嬉しかった。
阿川佐和子似の人は採血が上手であるからに、前回同様、痛みをほとんど感じずに終わった。
●体重・血圧・身長
前回と変わらず。ただ血圧が上100に満たない。下は62。
●聴力
電話ボックスみたいなところに入ってヘッドホンを装着し、音が聞こえたらボタンを押し続けるアレ。
客観視するとどうしても笑ってしまう。
異常なし。
●子宮がん検診
オプションでつけた。
「力を抜いて」と言われたのだが巧く抜けずに困惑。時間が早く過ぎることだけを祈っていた。
●乳がん検診
オプションでつけた。
乳の下にほくろができていて心配だったのだが、特に問題は無いらしい。
●腹部超音波
オプション。
担当医(私より若い女子)の「吸って・・・吐いて・・・止めっ」の「止めっ」の言い方が特徴的で何度も笑いをこらえる。
●胃のレントゲン
前回同様、向井理似のお兄さんにお世話になった。
クソまずいバリウムを飲むとき、本当につらかったが、母が常々言う「亮ちゃんはやればできる子」という言葉を反芻して、飲み込んだ。
その後、装置で傾斜に耐えながら右向きに2回転、などというアクロバティックなことをやらされ、しおしおのぱ~になる。
最後に機械でお腹を押されるのだが、このときも笑うのをこらえるのがつらかった。
●最後にお医者さんの問診を受ける。
お世話になっている精神科医クマ医師がもし精神科医を志さなかったら、彼もこんなふうにしてレントゲンを前にしてああだこうだといっていたのかな、と思う。
全体的に異常はなし。
ただ、ヘモグロビンの値が低いので食生活の改善を促された。
まあね。最近、異常に疲れやすかったし、製氷皿の氷一皿を一日でバリボリと食し尽くしていたので、うっすらとは気づいていたけれども、やはり貧血なのね・・・。
阿川佐和子似の看護師さん曰く、食事しながらコーヒーを飲むのがダメらしい。鉄の吸収が弱まるのだそうだ。サプリを薦められた。
そういえば母ヨーコたんも鉄のサプリを飲んでいる。私も買ってみようかな。
婦人科検診の結果は後日郵送されてくるらしい。
バリウムの下剤、食事券を頂戴し、病院内にあるレストランへ。
吉熊、今日もありがとう。
君がいてくれたおかげで、今回も無事に検査を終えることができたよ。
「本日のパスタ トマトのなんちゃら」
昨晩から何も食べていなかったので、超美味しく感じられた。
食事にアイスコーヒーはマストアイテム。
病院の入口で煙草を吸う。異様にうまい。
青空が眩しい。
日差しは強いのに空気がひんやりとしていて6年前に行ったNYを思い出す。
道路では子連れのお母さんがのんびりとお散歩をし、営業マンらしきサラリーマンが慌しく歩いている。
平日らしい昼の光景だ。
そしてしみじみと平日休みのあり難さを煙と共にかみ締めて恍惚とする。
有給休暇なんて久しぶりだ。
販売員時代は平日休みが普通だったけれども、本社に来てからは基本的に土日休みの暮らしをしている。
平日にしかできないこと。
そうだ!
通帳の記帳だ!
と思い、銀行に寄って記帳を済ませた。
前回からだいぶ経ったので、通帳を新しくしてもらった。
なんとなく嬉しい。
残高はアレだけれども!!
あと、平日にしかできないこと。
・・・安い料金での一人カラオケ♪
カオスな選曲である。
2時間歌いっぱなし。
歌いながら選曲して入力するって、けっこう大変だ。
今回は会員ポイントが貯まっていたので無料だった。わ~い。
帰宅してシャワーを浴び、少し休んでから、経営管理室の飲み会のためにいそいそと出かけた。
吉熊上司、後輩男女に「有給をいただきましてありがとうございます!」と挨拶。
無国籍料理の居酒屋で個室。
けっこう飲んで、普段話さないことを本音で話せた。
理系男子の後輩男子は大学時代になめくじの研究をしていた。
なぜか、話の流れで、私=なめくじ、というふうになってしまい、私は「なめくじ主任」と呼ばれるようになってしまった。
なめくじのように跡を残すタイプの私はどんな雑談だって忘れないと評判だ。
後輩女子が幼少期から公文をやっていたこと。
そして吉熊上司の奥さんの実家で飼われていたワンちゃんの名前がケンタというのも、10年経ったって忘れやしない。
「どうでもいいことは忘れて良いけれども、仕事のことは覚えていろよ!」
と吉熊上司に指摘された。・・・ぎくっ!
それにしても経営管理室は本当に良いメンバーだなと思う。
今日も笑いすぎて喉が痛い。
慌しくも楽しい一日だった。
でも困ったことに、興奮が続いているせいか眠気が吹き飛んでしまった。
こういうときに眠気貯金があれば良いなと思う。