インタネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」に大阪市内の高校や宗教施設を爆破するという書き込みをした東京の43歳の定時制高校職員が威力業務妨害容疑で逮捕されたという記事を読んだ。
この男は通勤の途中にあるインタネットカフェにほとんど毎日通ってインタネット掲示板に書き込みをしていたようだ。漢字検定などを含めて30ほどの資格を持ち、資格取得の情報交換の場の「資格全般@2ちゃんねる」を繰り返し閲覧していたという。ここでは資格マニアの人物を他の利用者が激しく非難していたそうで、例えばこんなやり取りらしい。
悠(資格マニア) やはり検定試験の勉強をしていると落ち着く。
利用者 資格がなくても自信が持てる自分になりな。
悠 昨日、受験票が届いた。そして、勉強していた。
利用者 うるせえ馬鹿。てめえはくるな。負け犬野郎。
何とも殺伐とした雑言だが、今回逮捕された男も利用者の1人で、犯行予告をしたのは、掲示板上で資格マニアと口論になって腹が立ったからと警察に供述しているという。この男、妻と2人暮らしで、勤務校ではまじめで通り、隣近所では挨拶もできないような印象だったという。そのようなまじめで内気な男が、インタネットでは人が変わったようになったので、まさに「ジキルとハイド」を地で行っている。
この男の逮捕後も、2ちゃんねるでは「大阪駅で拳銃乱射事件を起こす」とか「神奈川の女子小学生を無差別に殺します」というような書き込みが続いているそうだが、書き込んだ者の多くは、この男と同じようにたぶん実生活ではごく普通の無害な存在なのだろう。匿名性の恐ろしさは、このような普通の人間が凶暴、凶悪な言辞を弄ぶようになる可能性があることだ。実は私は2ちゃんねるというものを1度も閲覧したことがない。中にはまともな書き込みもあるのだろうが、いろいろと悪い面で取沙汰されているから、見れば気分が悪くなるだろうと思うからだ。
今は故人になった教え子の1人が、チャットをしていますと言ったので、チャットというものを知らなかった私は興味を持って覗いてみた。もちろんお互いに匿名なのだが、彼の相手は中学校の教師らしく、内容は教育に関するごくまじめなもので、お互いの言葉遣いも丁寧でタメ口などを使ってもいなかった。しかし、私は議論が高潮した時の、相手を追及する彼の口調がどうも気に入らなかった。何かしらねちねちと抉るような物言いで、そういう言い方を楽しんでいるような感じもしたので、後で会った時に、見知らぬ相手なのだから、節度のある物の言い方をするべきじゃないかと苦言を呈した。
警察庁によると、全国の都道府県警に寄せられたネット上の名誉毀損や中傷に関する相談は、07年は8871件で、04年に比べると2倍以上に増えたと言う。実際その結果、自殺した中高生などもあるから事態は深刻だ。どうしてこのような世相が生まれたのか。どんなことにも光の部分と影の部分があるが、匿名の反社会的行動の横行は、輝かしいITの発達の影の部分として甘受しなければならないのだろうか。
この男は通勤の途中にあるインタネットカフェにほとんど毎日通ってインタネット掲示板に書き込みをしていたようだ。漢字検定などを含めて30ほどの資格を持ち、資格取得の情報交換の場の「資格全般@2ちゃんねる」を繰り返し閲覧していたという。ここでは資格マニアの人物を他の利用者が激しく非難していたそうで、例えばこんなやり取りらしい。
悠(資格マニア) やはり検定試験の勉強をしていると落ち着く。
利用者 資格がなくても自信が持てる自分になりな。
悠 昨日、受験票が届いた。そして、勉強していた。
利用者 うるせえ馬鹿。てめえはくるな。負け犬野郎。
何とも殺伐とした雑言だが、今回逮捕された男も利用者の1人で、犯行予告をしたのは、掲示板上で資格マニアと口論になって腹が立ったからと警察に供述しているという。この男、妻と2人暮らしで、勤務校ではまじめで通り、隣近所では挨拶もできないような印象だったという。そのようなまじめで内気な男が、インタネットでは人が変わったようになったので、まさに「ジキルとハイド」を地で行っている。
この男の逮捕後も、2ちゃんねるでは「大阪駅で拳銃乱射事件を起こす」とか「神奈川の女子小学生を無差別に殺します」というような書き込みが続いているそうだが、書き込んだ者の多くは、この男と同じようにたぶん実生活ではごく普通の無害な存在なのだろう。匿名性の恐ろしさは、このような普通の人間が凶暴、凶悪な言辞を弄ぶようになる可能性があることだ。実は私は2ちゃんねるというものを1度も閲覧したことがない。中にはまともな書き込みもあるのだろうが、いろいろと悪い面で取沙汰されているから、見れば気分が悪くなるだろうと思うからだ。
今は故人になった教え子の1人が、チャットをしていますと言ったので、チャットというものを知らなかった私は興味を持って覗いてみた。もちろんお互いに匿名なのだが、彼の相手は中学校の教師らしく、内容は教育に関するごくまじめなもので、お互いの言葉遣いも丁寧でタメ口などを使ってもいなかった。しかし、私は議論が高潮した時の、相手を追及する彼の口調がどうも気に入らなかった。何かしらねちねちと抉るような物言いで、そういう言い方を楽しんでいるような感じもしたので、後で会った時に、見知らぬ相手なのだから、節度のある物の言い方をするべきじゃないかと苦言を呈した。
警察庁によると、全国の都道府県警に寄せられたネット上の名誉毀損や中傷に関する相談は、07年は8871件で、04年に比べると2倍以上に増えたと言う。実際その結果、自殺した中高生などもあるから事態は深刻だ。どうしてこのような世相が生まれたのか。どんなことにも光の部分と影の部分があるが、匿名の反社会的行動の横行は、輝かしいITの発達の影の部分として甘受しなければならないのだろうか。