秋葉原の通り魔事件で、やや影が薄くなったようでもあるが、事件の前に大きく取り上げられていたのは、深夜帰宅する中央省庁の職員が、利用したタクシーの運転手から金品の提供を受けていたことだった。
深夜近くまで残業で居残り、終電車で帰宅できなくなった職員にはタクシー券が支給される。この場合利用するのが個人タクシーの場合には、サービスとして車内でビールやおつまみの提供をすることが20年ほど前から常態化していて、業界などではこれを「居酒屋タクシー」などと呼んでいたらしい。タクシー業界の競争は最近ますます激しくなっていて、とりわけ個人タクシー業者の実態は厳しいものがあるようだから、深夜の長距離利用の客は有難い存在だろう。そこでできるだけ馴染みの客を獲得したくなるのは当然で、そこからこのような「接待」が行われるようになったのだろう。
サービスとしてはビールやおつまみ等の他に、茶や菓子、タオルなどもあったようだ。このようなサービスの提供が、法的に規制されているのかどうかは知らないが、私にはそれほど目くじらを立てるほどのことではないと思われる。遅く仕事をして帰宅する者が、サービスとして提供されたビールや茶を飲むことは、それほど問題になることなのか。それが役人であっても倫理に反することとは思われないのだが、間違っているだろうか。もっとも、そもそもそのようなサービスをすること自体が過剰、過当で問題だと言うのなら別の話ではあるが。
問題は彼らの中のかなりの者が、現金や金券の提供を受けていたことで、現金は受け取った運賃を割り戻すことを禁止している道路運送法に違反すると言う。だからそのようなことをした運転手は罰せられるのだろうが、運賃の割戻しを受けた者も処罰の対象になるのかどうかは知らない。しかし、たとえ罰せられなくても倫理の問題はあるだろうし、公務員ならばなおさらである。金券の場合も同じことだ。5年間で現金とコンビニで使えるプリペイドカードであるクオカードという金券を、合わせて200万円前後の提供を受け取っていた主計局職員もあるらしいから、完全に倫理感覚は麻痺していたとしか言いようがない。中にはあらかじめ馴染みのタクシー運転手に車を回すように電話すると、運転手はすぐにメーターを倒して迎えに行き、支払いの時にはその分をキャッシュバックするという手口もあるそうで呆れてしまう。魚心あれば水心ありと言うが、役人と運転手のどちらが魚でどちらが水だったのだろうか。
今後はタクシー券の支給を止めて利用者個人が現金で支払い、後日経理に請求する方法にするということも考えているらしい。その場合も運転手に金額を膨らませた領収書を書かせるようなことはないかと疑ってしまうのはゲス根性かも知れないが、どうも一事が万事でついそんなことを考えてしまう。また法人のタクシー会社にしか使えないタクシー券も考えているということも聞いたが、これは個人タクシー苛めではないか。問題の本質がどこにあるかを見誤ってはならないと思う。

深夜近くまで残業で居残り、終電車で帰宅できなくなった職員にはタクシー券が支給される。この場合利用するのが個人タクシーの場合には、サービスとして車内でビールやおつまみの提供をすることが20年ほど前から常態化していて、業界などではこれを「居酒屋タクシー」などと呼んでいたらしい。タクシー業界の競争は最近ますます激しくなっていて、とりわけ個人タクシー業者の実態は厳しいものがあるようだから、深夜の長距離利用の客は有難い存在だろう。そこでできるだけ馴染みの客を獲得したくなるのは当然で、そこからこのような「接待」が行われるようになったのだろう。
サービスとしてはビールやおつまみ等の他に、茶や菓子、タオルなどもあったようだ。このようなサービスの提供が、法的に規制されているのかどうかは知らないが、私にはそれほど目くじらを立てるほどのことではないと思われる。遅く仕事をして帰宅する者が、サービスとして提供されたビールや茶を飲むことは、それほど問題になることなのか。それが役人であっても倫理に反することとは思われないのだが、間違っているだろうか。もっとも、そもそもそのようなサービスをすること自体が過剰、過当で問題だと言うのなら別の話ではあるが。
問題は彼らの中のかなりの者が、現金や金券の提供を受けていたことで、現金は受け取った運賃を割り戻すことを禁止している道路運送法に違反すると言う。だからそのようなことをした運転手は罰せられるのだろうが、運賃の割戻しを受けた者も処罰の対象になるのかどうかは知らない。しかし、たとえ罰せられなくても倫理の問題はあるだろうし、公務員ならばなおさらである。金券の場合も同じことだ。5年間で現金とコンビニで使えるプリペイドカードであるクオカードという金券を、合わせて200万円前後の提供を受け取っていた主計局職員もあるらしいから、完全に倫理感覚は麻痺していたとしか言いようがない。中にはあらかじめ馴染みのタクシー運転手に車を回すように電話すると、運転手はすぐにメーターを倒して迎えに行き、支払いの時にはその分をキャッシュバックするという手口もあるそうで呆れてしまう。魚心あれば水心ありと言うが、役人と運転手のどちらが魚でどちらが水だったのだろうか。
今後はタクシー券の支給を止めて利用者個人が現金で支払い、後日経理に請求する方法にするということも考えているらしい。その場合も運転手に金額を膨らませた領収書を書かせるようなことはないかと疑ってしまうのはゲス根性かも知れないが、どうも一事が万事でついそんなことを考えてしまう。また法人のタクシー会社にしか使えないタクシー券も考えているということも聞いたが、これは個人タクシー苛めではないか。問題の本質がどこにあるかを見誤ってはならないと思う。
