中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

議員はタレントか

2008-06-06 08:05:15 | 身辺雑記
 パソコンを開くと『Windows Live トゥデイ』というニュース画面が出る。ある大手新聞社の電子版のニュースだが、そこに「ゆかりタン、TV討論ドタキャン」という見出しがあった。この「ゆかりタン」はかねてから私が嫌いなネーミングだが開いてみた。内容は、ある女性衆院議員が、出演を依頼されていたテレビの討論番組を直前になって、食あたりを理由にキャンセルしたというだけのものだった。

 この議員はかつての「郵政選挙」に郵政民営化反対を唱える議員の対抗馬として立候補し、「刺客」としてマスコミの話題になった、元首相のいわゆる「チルドレン」の1人である。立候補したときから、週刊誌やスポーツ紙などで盛んに「ゆかりタン」と書き立てられていた。それは、本人の前からの愛称なのか、マスコミがつくったものなのかは知らないが、国政選挙の立候補者をそのように呼ぶことに、何かマスコミの軽薄さを感じたものだった。この電子版の記事にしても、テレビの出演を「ドタキャン」した程度のことが、話題提供程度のつもりだろうが、それほどのニュースなのかと馬鹿らしくなり、大手新聞も軽いものだと思った。

 ちょうど時を同じくして、一部のスポーツ紙や週刊誌が、奇しくも「ゆかりタン」を刺客として送られた当の女性議員の交際相手のことが大きく取り上げていた。7歳年下だとか、交際相手はどこのどのような人物かなどと騒いでいるが、どうでもいいことじゃないか、それほどの大きなニュースなのかと、これも馬鹿らしく思った。この電子版にも「遠距離もなんの○子議員7歳下恋人」という見出しがあった。八つ当たりするようだが、「○子議員」というのも気に食わない。

 元首相の政治手法は、国民に対するマスコミの影響力を利用した「劇場型政治」と言われた。それに国民はまんまと乗せられ、80%以上という薄気味悪いような高支持を与えた。今頃になってそのツケが回ってきていると言われているが、そのような熱狂的な雰囲気の中で登場した議員達もさまざまで、お話にならないような言動で顰蹙と嘲笑をかった若手議員もいた。元首相の政治手法に乗ったマスコミが煽り立てて、国会議員もタレント並みの扱いになってしまった。

 今、日本にはさまざまな問題が山積して、政治は混迷常態にあるとも言える。求められるのは、本当に真っ向から政治に取り組む気概のある議員だ。もちろんまじめに勉強しているチルドレンもいるのだろうが、議場での野次要員や、賛否の挙手要員だけの役割をしているようでは、税金から高額の歳費を受け取りながら本当に情けない。マスコミも議員を政治家としての見識があるかどうかを厳しい目で見て、タレントのように扱うのはいい加減に止めたらどうか。