中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

転落死

2008-06-28 06:34:35 | 身辺雑記
 東京の小学校で6年生の児童が、天窓から転落して墜死したという痛ましい事故があった。そのニュースの見出しを見たときにはよく事情が呑み込めなかったが、よく読んでみると、その児童が屋上の採光用の天窓に乗り、それが破れて12メートル下の1階床に転落したものだった。

 その採光用の天窓はガラス板の上に厚さミリの強化プラスチックのドームがかぶせてある構造で、屋上での算数の授業中にその児童がドームの上に乗ったので、強化プラスチックが破れ、底のガラスも破壊したようだ。天窓のドームの周囲には防護柵はなかったと言う。普段は屋上に児童は上がれないようにしていたようだし、ドームの上に人が上ることは想定していなかったので防護策は講じられていなかったらしい。事故があってからでは後の祭りなのだが、小学校の校舎なのだから安全策にはもう少し注意を払うべきではなかったか。後で調べてみると、この学校の他の同型のドームの上にも児童の足跡があったことが分かったらしい。ドームは製作した会社によると、70キロの物体を30センチ上から落とすと破れるものだったらしいが、6年生の男の子が上に乗って飛び跳ねでもしたら当然破れただろうし、これまで事故が起こらなかったのが不思議なくらいだ。そもそも授業中にそのようなことをするのがいけない行儀が悪いと言っても、元気盛りの小学生ならやりかねないことだ。それにそのドームは、写真で見るとごく平べったいもので、周りには柵もないから、大勢の子どもが周りにいたらうっかり乗ってしまうこともあるだろう。徒に子どもを責めることは酷だと思う。

 児童が転落したのは多目的教室として使われるホールのようで、天井まで吹き抜けになっている。テレビのニュースで見たが、昔の教室という概念からかかけ離れたしゃれたつくりのものである。現在は小学校の教科・科目の内容は以前に比べると多様化し、児童数も減少しているから、校舎の建て替えの際にはクラスの教室以外にもいろいろと工夫を凝らしたモダンな空間が作られる。中にはややデザインが優先したものもあるようだ。多目的教室という形態は今では当たり前のものになっているが、それにしても12メートルもの吹き抜けを作る必要があったのかどうか疑問に思った。校舎、教室というものは何よりもまず堅牢、安全で、その上に機能的なものでなくてはならないだろう。