このところ(この数ヶ月)、この作品について論じてきた。
ロードショー公開前から、一部の関係者や試写を見た人からの噂で、
「良い!」と聞いてきたからだ。
しかし、私は躊躇していた。
公開しても、まだ「死」や「死者」を扱った題材に触れることができず、
映画館には足が向かなかった。
大切な人の死や、身近な人の死を乗り越えきっていない私が、
ただ直感的に選んだ選択(結論)だった。
「まだ、観るのには早いかも・・・。DVDで観るかな・・・」
その程度の感覚で、たった一つの映画さえ、観る勇気も余裕もなかったのだ。
(昨秋は、まだ忙しかったし、この作品に思い入れも執着もなかったし……)
しかし、昨年12月、時間ができたときに、
やっと意を決したように出かけて、この作品を観た。
ユーモアあふれる箇所が随所にあったので、救われたが・・・
やはり、いろいろと考えさせられる部分があった。
たくさん感じた。
そして、当然、泣いた。
うまく「死」を描きながら、「生」を描ききっているし、
現代社会の背景や、人の偏見・差別などの思い込みも入って、
非常にバランスよく“まとまっている”と思った。
田舎の風景がさりげなく、昔の雰囲気があって癒されたし、
残された「見送る人々」の悲喜こもごも、人生の機微も描かれていた。
何より、納棺師の所作が美しく、ラストのエンドロールが印象に残った。
それは、日本社会から消えていく悲哀を秘めた「文化」のようにも感じられ、
そういうものが、こうした作品を通して残された(描かれた)ことが、
何よりも貴重なことのように思われ、素晴しい作品だと思った。
ついに、本日「アカデミー賞」受賞である。
日本がつかない「アカデミー賞」である。
受賞するような予感がしていたが、「やはりね~」と感じた。
日本アカデミー賞会員の私も、今年は7~8割は「おくりびと」に
投票をしたので、密かな期待感もあった。
ぶっちぎり・・・という感想の日本アカデミー賞を経て、
アメリカでも評価されたことは、一人の日本人として、大変嬉しいことである。
スタッフの嬉しそうな顔と、受賞にわくマスコミ報道に、笑みがこぼれる。
「良かったですね」
「おめでとうございます」
暗い話題ばかりの昨今だったので、余計に、素直に喜べた。
ロードショー公開前から、一部の関係者や試写を見た人からの噂で、
「良い!」と聞いてきたからだ。
しかし、私は躊躇していた。
公開しても、まだ「死」や「死者」を扱った題材に触れることができず、
映画館には足が向かなかった。
大切な人の死や、身近な人の死を乗り越えきっていない私が、
ただ直感的に選んだ選択(結論)だった。
「まだ、観るのには早いかも・・・。DVDで観るかな・・・」
その程度の感覚で、たった一つの映画さえ、観る勇気も余裕もなかったのだ。
(昨秋は、まだ忙しかったし、この作品に思い入れも執着もなかったし……)
しかし、昨年12月、時間ができたときに、
やっと意を決したように出かけて、この作品を観た。
ユーモアあふれる箇所が随所にあったので、救われたが・・・
やはり、いろいろと考えさせられる部分があった。
たくさん感じた。
そして、当然、泣いた。
うまく「死」を描きながら、「生」を描ききっているし、
現代社会の背景や、人の偏見・差別などの思い込みも入って、
非常にバランスよく“まとまっている”と思った。
田舎の風景がさりげなく、昔の雰囲気があって癒されたし、
残された「見送る人々」の悲喜こもごも、人生の機微も描かれていた。
何より、納棺師の所作が美しく、ラストのエンドロールが印象に残った。
それは、日本社会から消えていく悲哀を秘めた「文化」のようにも感じられ、
そういうものが、こうした作品を通して残された(描かれた)ことが、
何よりも貴重なことのように思われ、素晴しい作品だと思った。
ついに、本日「アカデミー賞」受賞である。
日本がつかない「アカデミー賞」である。
受賞するような予感がしていたが、「やはりね~」と感じた。
日本アカデミー賞会員の私も、今年は7~8割は「おくりびと」に
投票をしたので、密かな期待感もあった。
ぶっちぎり・・・という感想の日本アカデミー賞を経て、
アメリカでも評価されたことは、一人の日本人として、大変嬉しいことである。
スタッフの嬉しそうな顔と、受賞にわくマスコミ報道に、笑みがこぼれる。
「良かったですね」
「おめでとうございます」
暗い話題ばかりの昨今だったので、余計に、素直に喜べた。