元「介護生活オンリー」を経験した者として、
同時に、大切な家族が病気になった時のことを思い返してみると・・・・
“日々の辛さ” と “複雑な気持ちの整理” は、本当に厳しいものだと感じる。
韓国の俳優(韓流スター)で、「冬のソナタ」に出演し、歌手としても日本で活動中の
パク・ヨンハ氏の死亡(自殺)が、今朝(30日5時に母親によって発見)伝えられた。
母国以外にも、次のコンサートを待ちわびていたファンが、日本にはたくさんいる。
ファンの人達にとっての衝撃は、いかばかりのものかと思う。
結局、9月まで予定されていた日本ツアーは、全て中止となった。
彼の死の原因は、はっきりとは特定されておらず、胃がんの末期により苦しんでいた
父親を気遣っていたという情報だけだった。
日々の生活では、睡眠剤を飲んでいたらしい。
その後、「日常が辛い」「生活が負担だ(一人でマネージメントをしていたらしい)」
などという精神的な吐露を聞いた友人もいて、最近信頼していた人との決別があったと
いう事実もわかってきた。「信頼できる人がいない」と、もらしていたらしい。
(仕事上で信頼していたマネージャーに、莫大な金銭的な裏切り行為があったと言う!)
警察の見解としては、遺書もないし、彼が辛い気持ちを抱えたまま・・・・飲酒をして、
夜中に突発的に起こした自らの決断だったようである。あまりにも哀しすぎる。
夜中の4時に、知人に電話をして「辛い」と話したのが、最後の彼の言葉だったようだ。
父親の病気以外にも、芸能活動と新事業から、大きなストレスを受けていたらしい。
有名であるがゆえに、隠さなければならなかったことがたくさんあったのだろうし、
愛する家族(父親)の負債なども、常に背負ってきた軌跡が・・・・・彼の精神面を
徐々に揺さぶっていたのかもしれない。
彼の父親は、音楽プロデューサーで、芸能界では有名な人らしい。
父親を尊敬し、敬愛していた彼は、病気になって、とても苦しんでいたと聞く。
人は、自分の気持ちが相手に傾き、強く思うがために「辛さ」は余計に増していく。
もし、愛情を感じていない人であれば、または関係が深くなければ、そんなに深刻に
思いつめることもないだろう。
その人に対する“複雑な思い入れ”があるからこそ、人は、苦しみを抱えてしまうのだ。
理由は、人によって様々だが・・・・
人生は苦しみや悲しみが多いときがあり、それを乗り越えられるかどうかが、その人の
生きてきた軌跡の足跡そのものになるように感じる。
それを、どのように体現し、昇華し、学習していくのか・・・・とても、厳しく、難しい
私たちの「生」の課題でもある。
最近は、家族を世話している人の「介護うつ」も、増えてきた。
介護人としては、日々の肉体的な作業があり、身体は常に動いている状態なので、
自分の労働時間としては「過剰な状態」になっている。疲労は蓄積しているままだ。
それだけで、「介護うつ」になる確率は多いのである。
そのうえに、精神的な辛い気持ちや、やるせない感情が、絶え間なく襲ってくる。
心と身体が休めない・・・・・ということは、何よりも厳しい環境である。
また、一般論としてではあるが・・・・
なんとなく具合が悪いと思えば・・・・すぐに医者は「抗うつ剤」を処方するが、
その薬が自分にあわなければ、(かえって)心身をひどい状態に追い込んでしまう。
安易に医者の言うことを信じてしまうのは、または、言うとおりにしてしまうのは、
あるリスクが伴うのではないかと、最近は特に感じる。
「薬」は「薬」であって、やはり副作用が伴うし、100%「良くなる」わけではない。
自分に適応した薬でないと、本当に、あぶない結果になってしまうことも多い。
追い詰められた時は、友人に心を開いて、「今」の状態(気持ち)を話してみることと、
気分転換をしたり、外出したり、楽しいことを考えるように努力したり・・・・
薬以外にも、「行動する」ことが幾つかあるのではないかと思う。
そして、何よりも大切なのは、「気持ちを楽にしていくように努力すること」。
無理をしないで、「心身を休め、気持ちをゆったりとすること」が、重要である。
「ぼ~っと何もしないこと」が、効果をもたらす人もいるし・・・・
家族や友人の言葉で救われる人もいるだろう。
よにかく、自分流のリラックス方法を模索していくのは、いいことだと思う。
「魔がさしてしまう夜中」は、とにかく明るく気分を持っていくようにして、
許される時間であれば、誰かと話したり、会ったりするのも良いかもしれない。
現代社会の抱える側面であるが、「自分が何者なのか」ということさえ判断できなくなる
状態は、ある意味では健康的ではなく、尋常な状態ではない。
周囲の支えと、援助が必要であり、また、愛情あふれる言葉の数々が、そういう「魔」の
妄想を撃退してくれるのかもしれない。
社会ネットワークとしても、多くの活動がされてきはじめたが・・・・もっと、もっと、
このような現状を、認識する必要がありそうだ。