最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

地方裁判の判決を公開せよ:新潟水俣病

2015-03-30 16:50:17 | 日記
新潟水俣病が最初に発見されてから??年経過していますが、差別を恐れて裁判に参加できなかった、病気と言えなかったとして未認定患者による第二次訴訟、平成16年の水俣病関西訴訟最高裁判決を受けて平成19年年に提起された第三次訴訟と、主なものだけで3つの裁判が起こされています。
平成27年3月になって、ようやく平成16年分の意判断が新潟地裁で出されました。
11年間も裁判をやっていたことになります。その間に死者も出たでしょうし、裁判所も人事異動があったでしょう。
なぜこんなに裁判期間が長いのか、実に腹立たしいです。私の裁判のときでも、緊急性を要するとして提起しましたが7カ月かかりました。これでも弁護士からは驚異的な速さだと言われましたが、相場の問題ではありません。不利益を被った人が、判決がどのような形であれ回復しなければならないのです。
こういう裁判はじっくりやったからと言って新しい事実が次々生まれるわけではありません。申立人、相手方、原告、被告の社会復帰のために、さっさと判決を出して欲しいものです。

さて、今回の判断では原告側の事実上の負けとなっているようです。ところが、この判断に関して、最高裁判所は新しい判断が出たわけではないとしてなのかどうかまでは分かりませんが、判決文を公開していません
辛うじて法務省で国が原告になっている事から、その立場を表明しているページしかないのです。

性転換後に結婚してできた子は嫡出子か

2015-03-30 15:50:24 | 日記
平成25年(許)第5号 戸籍訂正許可申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

何とも難しい話です。X1さんは、元々女性として生まれましたが、性同一障害で性転換手術の後、戸籍上女性から男性に変わりました。そして、X1さんは女性と結婚しました。性転換手術を受けたからと言って生殖能力ができる訳ではないので、精子バンクあたりから提供を受けたのかもしれません。ようやく子供Aができました。役所に届けたところ、X1さんの血をにいていないのでAさんの父親が空欄とされてしまったことを不服として訴えたものです。

難しいですね、このケースは。戸籍は何のためにあるものなのかを根本的に問い直すものになってしまいます。戸籍は、血筋で家族関係をはっきりさせる目的であるべきなのか、法的な関係のみをはっきりさせるものなのか。裁判所の判断は、「父と書け」というものでした。

性別の取扱いの変更の審判を受けた者については,妻との性的関係によって子をもうけることはおよそ想定できないものの,一方でそのような者に婚姻することを認めながら,他方で,その主要な効果である同条による嫡出の推定についての規定の適用を,妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に認めないとすることは相当でないというべきである。

反対意見として裁判官岡部喜代子氏は
子の父が妻の夫であるか否かを嫡出推定の存否にかからしめているから,夫が特例法に基づき性別変更審判を受けた者である場合にも民法772条により嫡出の推定が及ぶか否かによって夫の子といえるか否かを検討しなければならないであろう。

また裁判官大谷剛彦氏は
実親子関係は血縁に基礎を置いて,そのうちの母子関係については,客観的に明らかな懐胎,出産という事実により法律上の母子関係を成立させ,一方,父子関係については,従来客観的又は外形的な事実からの判定が困難なところから・・・

と生物学的親子関係を明らかにすることを重視しています。

法的関係のみを明らかにするのであれば、今回の判断は妥当だと思います。
その一方で、婚姻関係の禁止範囲を明確にする目的もあります。これを念頭に入れると、かなり問題が残る判断です。とは言っても現実に妻の浮気で托卵されていることがかなりあり、気付かないで育てているという事実を鑑みれば、生物学的な目的は相対的に小さくなるということでしょうか。
Aさんも思春期を過ぎれば、自分がどのような状態で生まれてきたのかその経緯を何となくでも分かるようになるでしょう。私自身はこういう状況に巻き込まれることもなく、身の回りにもこういう人がいないので、あまり危機感を感じませんが、あえて原審判決が命じた空欄にしなくてもいいのかなという感じがしなくもないです。
これは制度不備であり、政治で何とかしてやってほしいところです。

今回の裁判官
第3小法廷
裁判長裁判官 大谷剛彦 反対
裁判官 岡部喜代子  反対
裁判官 寺田逸郎 ややずれている
裁判官 大橋正春 ややずれている
裁判官 木内道祥 ややずれている