来年3月上演される『カムアウト』。
幅広く出演者を募ります。
出演者オーディションの締切が迫っています。
12月21日(月)必着!
以下、以前ブログに書いた記事を再掲します。
………………………
『カムアウト2016(仮題)』出演者オーディション!
一応キャッチフレーズでは「1989年初演時、女を愛する女たちの群像劇を描き、社会的にも大きな話題になった『カムアウト』を、27年ぶりに再演します」ということになっている。
確かに、1989年の段階では、今や一般語となっている「カミングアウト」というコトバを使う人はほとんどいなかった。
一般化した言葉なら引用しても恥ずかしくないと思っているのでWikipediaで引くと、「カミングアウト(Coming out)とは、これまで公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明すること。英語の動詞形でカムアウト(Come out)とも言う。逆に、他人の秘密を暴露することをアウティング(Outing)という」となっている。
同時に、別な辞書では、どうやらカムアウトとは、「十字穴付きねじをドライバーを用いて締付けを行なう際に、上から押さえつける力(推力)が小さい場合等に、十字穴からドライバーが手元に浮き上がってくる現象のこと」ともなっている。なかなかうまく締まらない、という意味にもなるのだろうか。
ともあれ、それまで女性の同性愛を真正面から描いた戯曲作品はなかったと思う。当事者からは、男性の、しかもストレート(異性愛)の者が書くことに対する反発もあったが、結果としてはいろいろな人が喜んでくれたとは思う。「この劇の御陰で『カムアウト』というコトバが一般化するのが何年も早くなったと思う」というのは、当時から言われた。
上演は動員的にも大成功だった。時効だろうから言うが、シアタートップスでワンステージ320人入れたのは最高記録だと思う。(椅子なしのオールスタンディングでは劇団新感線が400入れているという)
『ブレスレス : カムアウト (坂手洋二戯曲集) 』単行本は1991年6月に出た。岸田戯曲賞受賞作『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』と二本が入っている。私の初めての本である。受賞前から『トーキョー裁判 : OFFSIDE』も含めて出版が決まっていた。編集者としての村井健さんの仕事である。心から感謝している。
キャスティングのために斜め読みで見直ししてはいたが、先日、久しぶりにしっかり読み返して、いろいろな意味で驚いた。
まず、面白いのだ。
そして、実にきちんとしたストレートプレイなのだ。大勢出てくるのにごちゃごちゃしていない。構成が物語的にすっきりさばかれていて、長さを感じさせない。随所にいい台詞が出てくる。まったく、自分で言うな、だが。
しかし、最近の私は、演劇に対する実験のない劇はやらない、と、どこかで思っているのだという自覚はあったし、じっさい、普通のストレートプレイには拒否感があったのだ。
さいきん、デビッド・ヘアーの昨年の再演版の『スカイライト』をナショナルシアター・ビューイングで観て、じつはデビッドの社会的な「報告劇」三本(『パーマネントウェイ』『スタッフ・ハプンズ』『ザ・パワー・オブ・イエス』)を日本で初演している私であるが(この三本を全部上演したのはイギリス本国以外には日本だけだという話もある)、実は自分がそれ以前にデビッドのストレートプレイもとても評価していたという事実を、忘れるはずもないのだが、あらためて強く思った。
『スカイライト』は1996年の初演をロンドンで観ている。その時からストレートプレイの醍醐味を意識している。とにかく巧みなのだ。デビッドの『エイミーズ・ビュー』もロンドンで初演を観ている。
私の『ブラインドタッチ』(2002)は、岸田今日子・塩見三省の二人芝居だが、私の劇の中でもっともストレートプレイの醍醐味をやろうとした作品だ。なんと2011年の3月末、ロンドンでこの作品の英訳リーティングがあり、一応誘ってみたデビッドから「行けなくてすまない」というFAXが来たのには感激した。このロンドン行きは、震災・原発直後で成田空港は墓場のようにガラガラ、ロンドンで「from Japan?」と訊かれてそうだ答えると、あらゆる人に同情の目で見られた。あの時の空気を忘れてはならない、と思う。
二十年ぶりくらいに、映像だが『スカイライト』を観て、私の中で、近年のストレートプレイに対するガードが若干ほどけていることを感じるし、それが次作に影響しかけているのも事実だ。
さて、『カムアウト』の初演は1989年。27年経っている。
今回、演出は、『普天間』『ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド』の藤井ごう氏に任せた。
時間が経ちすぎていて、自分では距離感が掴みにくいのと、新しい発見の連続で、あたってほしいからだ。
オーディション情報の続きを記そう。
<公演について>
○時期 2016年3月20日(日)予定~31日(木)
○会場 下北沢ザ・スズナリ
○稽古 2016年2月初旬開始予定
<募集者>
○女性
<応募方法>
※履歴書と作文をA4サイズで作成し、以下にご郵送下さい。
○履歴書 要写真添付。氏名・住所・電話番号・メールアドレス(PC/携帯共)・身長・体重・年齢(生年月日)を
明記のこと。観たことのある、あるいは読んだことのある、燐光群または坂手洋二の作品があれば挙げて下さい。
○作文 2点
・「カムアウトを読んで」
・「自分について」または「演劇について」
○送付先 〒154-0022 世田谷区梅丘1-24-14フリート梅丘202 �グッドフェローズ
○締切 12月21日(月)必着
書類審査通過の方は、12月22日以降の年内で指定する日の実技試験・面接にご参加いただきます。
劇団ホームページの表示は以下の通り。今時なのでレインボーカラーがデザインされている。
↓
http://rinkogun.com/come_out2016_audition.html
多くの方の応募をお待ちしている。
幅広く出演者を募ります。
出演者オーディションの締切が迫っています。
12月21日(月)必着!
以下、以前ブログに書いた記事を再掲します。
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『カムアウト2016(仮題)』出演者オーディション!
一応キャッチフレーズでは「1989年初演時、女を愛する女たちの群像劇を描き、社会的にも大きな話題になった『カムアウト』を、27年ぶりに再演します」ということになっている。
確かに、1989年の段階では、今や一般語となっている「カミングアウト」というコトバを使う人はほとんどいなかった。
一般化した言葉なら引用しても恥ずかしくないと思っているのでWikipediaで引くと、「カミングアウト(Coming out)とは、これまで公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明すること。英語の動詞形でカムアウト(Come out)とも言う。逆に、他人の秘密を暴露することをアウティング(Outing)という」となっている。
同時に、別な辞書では、どうやらカムアウトとは、「十字穴付きねじをドライバーを用いて締付けを行なう際に、上から押さえつける力(推力)が小さい場合等に、十字穴からドライバーが手元に浮き上がってくる現象のこと」ともなっている。なかなかうまく締まらない、という意味にもなるのだろうか。
ともあれ、それまで女性の同性愛を真正面から描いた戯曲作品はなかったと思う。当事者からは、男性の、しかもストレート(異性愛)の者が書くことに対する反発もあったが、結果としてはいろいろな人が喜んでくれたとは思う。「この劇の御陰で『カムアウト』というコトバが一般化するのが何年も早くなったと思う」というのは、当時から言われた。
上演は動員的にも大成功だった。時効だろうから言うが、シアタートップスでワンステージ320人入れたのは最高記録だと思う。(椅子なしのオールスタンディングでは劇団新感線が400入れているという)
『ブレスレス : カムアウト (坂手洋二戯曲集) 』単行本は1991年6月に出た。岸田戯曲賞受賞作『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』と二本が入っている。私の初めての本である。受賞前から『トーキョー裁判 : OFFSIDE』も含めて出版が決まっていた。編集者としての村井健さんの仕事である。心から感謝している。
キャスティングのために斜め読みで見直ししてはいたが、先日、久しぶりにしっかり読み返して、いろいろな意味で驚いた。
まず、面白いのだ。
そして、実にきちんとしたストレートプレイなのだ。大勢出てくるのにごちゃごちゃしていない。構成が物語的にすっきりさばかれていて、長さを感じさせない。随所にいい台詞が出てくる。まったく、自分で言うな、だが。
しかし、最近の私は、演劇に対する実験のない劇はやらない、と、どこかで思っているのだという自覚はあったし、じっさい、普通のストレートプレイには拒否感があったのだ。
さいきん、デビッド・ヘアーの昨年の再演版の『スカイライト』をナショナルシアター・ビューイングで観て、じつはデビッドの社会的な「報告劇」三本(『パーマネントウェイ』『スタッフ・ハプンズ』『ザ・パワー・オブ・イエス』)を日本で初演している私であるが(この三本を全部上演したのはイギリス本国以外には日本だけだという話もある)、実は自分がそれ以前にデビッドのストレートプレイもとても評価していたという事実を、忘れるはずもないのだが、あらためて強く思った。
『スカイライト』は1996年の初演をロンドンで観ている。その時からストレートプレイの醍醐味を意識している。とにかく巧みなのだ。デビッドの『エイミーズ・ビュー』もロンドンで初演を観ている。
私の『ブラインドタッチ』(2002)は、岸田今日子・塩見三省の二人芝居だが、私の劇の中でもっともストレートプレイの醍醐味をやろうとした作品だ。なんと2011年の3月末、ロンドンでこの作品の英訳リーティングがあり、一応誘ってみたデビッドから「行けなくてすまない」というFAXが来たのには感激した。このロンドン行きは、震災・原発直後で成田空港は墓場のようにガラガラ、ロンドンで「from Japan?」と訊かれてそうだ答えると、あらゆる人に同情の目で見られた。あの時の空気を忘れてはならない、と思う。
二十年ぶりくらいに、映像だが『スカイライト』を観て、私の中で、近年のストレートプレイに対するガードが若干ほどけていることを感じるし、それが次作に影響しかけているのも事実だ。
さて、『カムアウト』の初演は1989年。27年経っている。
今回、演出は、『普天間』『ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド』の藤井ごう氏に任せた。
時間が経ちすぎていて、自分では距離感が掴みにくいのと、新しい発見の連続で、あたってほしいからだ。
オーディション情報の続きを記そう。
<公演について>
○時期 2016年3月20日(日)予定~31日(木)
○会場 下北沢ザ・スズナリ
○稽古 2016年2月初旬開始予定
<募集者>
○女性
<応募方法>
※履歴書と作文をA4サイズで作成し、以下にご郵送下さい。
○履歴書 要写真添付。氏名・住所・電話番号・メールアドレス(PC/携帯共)・身長・体重・年齢(生年月日)を
明記のこと。観たことのある、あるいは読んだことのある、燐光群または坂手洋二の作品があれば挙げて下さい。
○作文 2点
・「カムアウトを読んで」
・「自分について」または「演劇について」
○送付先 〒154-0022 世田谷区梅丘1-24-14フリート梅丘202 �グッドフェローズ
○締切 12月21日(月)必着
書類審査通過の方は、12月22日以降の年内で指定する日の実技試験・面接にご参加いただきます。
劇団ホームページの表示は以下の通り。今時なのでレインボーカラーがデザインされている。
↓
http://rinkogun.com/come_out2016_audition.html
多くの方の応募をお待ちしている。