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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

北方領土は返ってこないということになったが、皆さん平気らしい

2019-06-24 | Weblog

北方領土は返ってこないということになったが、皆さん平気らしい。


昨朝、共同通信の配信で、「北方領土引き渡し拒否「公約」、安倍政権が招いた結末」という太田清氏による署名記事が出た。

ロシアのプーチン大統領は22日放映のロシア国営テレビの番組で、北方領土で「ロシア国旗を降ろすことにはならないか」と質問されると、「そうした計画はない」と断言、日本への引き渡しを拒否する考えを明確にした。そして「ロシア政府が策定した南クリール諸島(北方領土)を含む極東地域の大規模な開発計画を実現していく」と表明。新しい空港など「インフラも整備していく」とした。

プーチン氏が公の場で、これほど明確に「北方領土を渡さない」と明言したのは、昨年11月のシンガポールでの安倍晋三首相との首脳会談で日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意、日本側で領土問題解決への期待が高まってからは初めてだという。交渉担当者のラブロフ外相も強硬姿勢を繰り返してきたが、大統領の発言は重みが違うというのも確かだろう。北方領土問題の解決を外交の主要課題と明言してきた安倍政権は今後、どのように対応するつもりなのだろうか。

いつものようにプーチン氏が「領土問題で日本をけん制」したと報じたメディアもあったが、けん制などという甘いものではない。ロシア国民に対し、金輪際、領土を引き渡すことはないと「公約」したに等しい、と太田氏は断じた。 

ロシア国営テレビのニュース番組「ベスチ・フ・スボーツ(土曜日のニュース)」での発言。(中略)28日から始まる20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)を前にインタビューで領土問題について話すというのは、それだけで大統領の現時点での考えをできるだけ広範な国民階層に知ってもらいたいというクレムリンの意向があると考えるのが自然だろう。(後略)

一部メディアは北方領土の引き渡しをしないことを「プーチン大統領が公約」「プーチン氏は領土問題を終わらせた」などと、日本との交渉は終わったかのような見出しで報じたが、クレムリンがこうした意思決定をし国営テレビで“声明”を出した以上、「交渉は難航が予想される」どころか、G20大阪サミットの場での大筋合意はおろか、安倍首相の任期中の領土問題での大幅な前進はなくなったと考えるのが常識ではないか、と、太田氏は続ける。

確かに、多少は冷静にものを考えている人なら、プーチン氏の支持率低下、ロシアの国内情勢を甘く見て、拙速に「2島プラスアルファ」との妥協策で交渉をまとめようとした安倍政権の安直さのいきつく結果であると予想していたはずだ。

領土問題の解決は近い、大きな進展があると吹聴した報道をしていたメディアも、この事実を前には言葉を失っているようだが、情勢を読み解く発言は乏しい。

安倍政権は、「外交の安倍」という、現実と逆様のキャッチフレーズを、そろそろ恥じて取り下げ、北方領土返還に期待を寄せた国民に、陳謝すべきだろう。

 

写真は、モスクワ、クレムリンの、プーチンさんが主に仕事している建物。今月。

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