Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『イワンのばか』が終わって五日

2020-02-16 | Weblog
オペラ『イワンのばか』が終わって、五日。

まだ私はトルストイのロシアに片足を残してしまっている気がする。

こんにゃく座の皆さん、スタッフ、観客の皆さんに、あらためて感謝申し上げる。


私たちの仕事は演劇なのだから、いろいろたいへんなことがあっても、演劇そのものが解決してくれる、というところに到達しなければならない、と、いつも思っている。

いや、そんなことは後付けで、いつもいつも私は演劇に助けてもらっている。その積み重ねだ。


夢は、舞台にある。そう思えることに救われる。それがいったいどういうことか。

夢は、夢である。じつは、掴むことが出来ない。だからこそ、夢である。

自分では所有できるものではないからこそ、見つけるし、見つけられる。そういう関係の中にのみ、ある。

そういうものである。
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映画『れいわ一揆』を観る

2020-02-16 | Weblog
島野千尋プロデューサーのお誘いもあって、映画『れいわ一揆』を観ることに。
れいわ新選組の参院選を描く、四時間超のドキュメンタリー。
新宿ピカデリーの一番大きなスクリーンの六百席近い客席が、オールナイトだというのに、ほぼ埋まっている。

渡辺照子の堂々たるヒロインぶり。照ちゃんのスピーチだけで、泣ける。
ほとんど表情を変えないかに見えた舩後靖彦議員が当選前に口元に浮かべる笑みを初めて捉えた瞬間。そして彼が唇の動きで打ち出す文字には、絵文字もふんだんに含まれていることがわかり、その生き生きとした姿に、胸打たれる。
映画を観ているのかどうかわからなくなるような奇妙な感覚が続くが、とにかくそれが大画面で展開されている。
原一男監督がこんな短い撮影期間でこんなに長い映画を作ったのは、初めてだろう。本人に尋ねると、そうだと言っていた。
馬に乗っている人の場面が長すぎるのはもう確信犯なので、これは観た人の判断に委ねられるだろう。

オールナイト上映を終え、照ちゃん・島野さんらと軽く乾杯。
そのままその足で午前中から新宿で会議。
午後は吉祥寺で青年団『東京ノート』の国際版千秋楽を観る。なんとも賑やかな光景。
強行軍を経て、帰宅。

原一男監督との出会いももう三十五年になる。これまでの原さんとのことを語るだけでものすごく時間がかかる。
私たちは最初、奥崎謙三の映画を作ろうとしている人と、奥崎謙三の芝居を作ろうとしている人として、周囲の紹介で、会うことになったのである。
ふっと思い出したのは、私が『カムアウト』を書くきっかけになったのは、原さんと小林佐智子プロデューサーに『タイムズ・オブ・ハーヴェイ・ミルク』の試写に呼ばれたとき、様々な出会いがあったから、ということだ。

とにかく原監督のエネルギーは、継続されている。


映画『れいわ一揆』
監督:原一男
製作:島野千尋
撮影:原一男 島野千尋 岸建太朗 堀井威久麿 長岡野亜 毛塚 傑 中井献人 田中健太 古谷里美 津留崎麻子 宋倫 武田倫和 江里口暁子 金村詩恩
編集:デモ田中 小池美稀
製作・配給:風狂映画舎
2019年/248分/DCP/16:9/日本/ドキュメンタリー
©風狂映画舎

2020年4月17日(金)アップリンク渋谷他にて全国順次公開

http://docudocu.jp/reiwa/index.php
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