一週間前に電話で話したばかりだった。
ほんとうはゴールデンウィークに入る前の今日あたりにお見舞いに行く相談をしていた。
訃報が届いた日、新宿で夜の会議を終えて外に出た。雨がやんだと思ったら突風。 野中くんだと思った。なので会いにいった。
とても穏やかに休んでいる顔は、今にも動き出しそうだった。
声は忘れない。今も残っている気がする。声は、直接触れなくても、内蔵から響いて内蔵に届くからなのかな、と思う。繊細で、正直な思いが伝わる声。
お洒落で頑固で優しい男だった。
非戦を選ぶ演劇人の会で、劇作家協会のいろいろな事業で、支え合い、未来を語った。今は向こうで斎藤憐さんと何か話しているのだろうな。
あなたは最後に呑んだときバーボンを飲んでいたけど、いずれウイスキーを飲みましょう。
さようなら野中友博さん。