「週刊朝日」の名物連載といえば、東海林さだおさんの「あれも食いたいこれも食いたい」だが、これらの連載は「○○の丸かじり」という単行本にもなって出版されている。もう何十年前からなのだろう。
で、「週刊朝日」が廃刊になり、その連載はどうなったのだろうかというと、なんと、朝日新聞の土曜版で、隔週で復活したのだという。「まだまだ! あれも食いたいこれも食いたい」と銘打ち、新シリーズということである。
私の周囲には、東海林さだおさんの食べ物エッセイのファンが一定程度いて、しかも女性が多いのであるが、この連載復活の件は、大歓迎されている様子だ。
そのうちの一人は、私自身が連載を持っていた今はなき某誌に橋渡しして、その人自身がショージくんの向こうを張りたいということで、食べ物エッセイを連載することになった。ところが、それまで連載経験のないその人は、食べ物以外のことの多いマジメな連載にしてしまった。編集長がそれでいいと言ったので、それでいいということになった。のどかな時代である。
こうして新聞の紙面を見ても、紙媒体であることはいいけれど、やはり、「あれも食いたいこれも食いたい」は、週刊誌の見開きページの連載であることが、意味があったような気がしている。
インターネットの配信での連載は、どこか、味気ない。