「パスト ライブス 再会」が、4月5日に日本公開される 。
1年以上前、昨年のベルリン映画祭で観たのだ。
まったく予備知識なしに映画を観るのもいいものであった。
韓国、カナダ、アメリカと生きる場を変遷した演劇人でもあるセリーヌ・ソン監督の実体験に基づいたものらしい。
アメリカのアカデミー賞で作品賞・脚本賞の候補になっていたという。
以下、ネタばれってことはないが、観る予定のある方は、まだ読まない方がいいかも。
「初恋もの」としての人気や高評価は理解できるところもあるが、ある意味では、とても地味な話だ。
中盤の、SNS時代ならではの、二人の交流に、うーむと思ってしまう。
私が子どもの頃は、「テレビ電話」なんて、夢のまた夢、と思っていた。
それが自然と「恋愛の場」になるということ、それさえひと昔以上前の設定であることに、ちょっと歳月を感じて、唸ってしまう。
終盤は、「アメリカらしさ」にも満ちていて、昨年、この映画を観たすぐ後にニューヨークに行ったので、いろいろと感想が立体的になってくるのかもしれない。
中盤で主人公が参加するアメリカの地域での研修みたいなものは、ほんとうに実在するものだし、そこで恋が始まることだってあるだろう。
アジアからアメリカを見た映画、でもあるのだ。
現在進行形の韓国とアメリカの親和力の高さを示す映画とも、いえるのだ。