以前からチェコ料理が食べたかった。
厳密にはチェコ料理が食いたかったのではない。チェコ料理に付け合わせてある、クネードリーキー(よく日本では蒸しパンと形容されているもの。いわゆるチェコ風ダンプリング)がどんなものか一度、食ってみたかったのである。
今日、たまたまネットで調べていたら手近な代々木上原にチェコ料理屋があるという。その名は『Sedmikrasky(セドクラースキー)』 。美人の姉妹がやっているという。これは行かなくてはなるまい。取るものもとりあえず、ディナーの開店の18:00目指して家を出る。
下北沢から代々木上原まで。代々木上原の北口から暗い住宅街の裏通りを1分ほど行くと目指す店があった。
なるほど・・ホールのお姉ちゃんは昔のコマネチを彷彿とさせる東欧風の風貌をしておる。厨房のお姉ちゃんは普通の顔。
一番奥の席に案内される。
まずはビール。もちろんチェコビールである。ピルスナー・ウルケル750円也。これにホースラディッシュと生クリームのハム巻き800円也、とグラーシュ(パプリカで味付けして肉を煮込んだシチュー)。1500円也。
ピルスナー・ウルケルはそれほど冷やしていない。ビールを焼肉屋のようにキンキンに冷やすのは日本独自の風習で、ヨーロッパで飲むビールはそれほど冷えていない。これはこれで良しとしよう。しかしこのビールは船便で送った劣化した味がする。まあ贅沢は言っていられない。
ホースラデイッシュと生クリームのハム巻きはこれはもう絶品。多分この店のオリジナル料理であろう。絶対、お薦めの一皿である。
グラーシュは牛肉を用いたもので、非常にスパイシーで、かつてウィーンで食ったどの店のグラーシュよりも美味かった。これに付け合わせてあったクネードリーキー、多分プレーンのものであろうが、パサパサしていて蒸しパンよりも普通のパンに近かった。本場物など知る由もない。 もとより初めて食うものである。こんなものかと思い納得して食った。これで念願がかなったわけである。
さて、次に今日はチェコ料理を食い尽くす気であったのでモラフスキーブラベツ(スモークト・ポーク)1500円也とビール、ベルナルド・スペシャル・ダーク500ml1400円也。
スモークト・ポークも絶品。非常にスパイシーでエキゾチックな逸品だ。付け合わせのザウアー・クラウトも大変結構。これに付いていたクネードリキーはジャガイモ入りのもの。色が黄色くてもちもちした食感だ。これも本場物を知る由がないのでこんなものかと思って食っていた。
ベルナルドの黒ビールはこれも船便の味がした。
これにエーデルピルスの生ビール、500mlクリューゲル700円也を鯨飲馬食して、食事終わり。
締めに スリヴォヴィッツェ(チェコのプラムのシュナップス)700円也。
結論として、チェコビールは皆船便の味がするので、なまじブランド物の高い瓶ビールを飲むよりも生ビールを飲んだほうが良いような気がした。
料理はすべて絶品。絶対、お薦めの店です。
クネードリーキーは一度ちょっとチェコへ行って、本場物を食ってみたい気がする。
また来たい隠れた名店である。最後に写真がピンボケなのをお詫びする。
店を出て吐く息白い夜の街 素閑