昨日に続いて絶好の秋晴れの好天。
こういう日に事務所に閉じこもって仕事をしていては体に悪い。そこで引き続き、散歩に出ることにする。しかし行くところといっても大体はもう既に訪れているので限られている。しかし、もう何回も行っているが久しぶりなので、駒場の旧前田侯爵邸にでも行ってみるかと、カメラを引っ提げて家を出る。
途中で、代沢の森厳寺に参詣。この寺は浄土宗。我が本家の菩提寺、青山の龍泉寺とも姉妹関係にある。江戸の昔の淡島の灸の名所として名高い古刹だ。
代沢二丁目の高級住宅街を歩き、左右の街並みに溜息。また駒場東大前を過ぎて、前田侯爵邸に至る道の高級住宅街にも溜息。どうも、オカブのような身分の者には高級住宅街は精神衛生上よろしくない。
旧前田侯爵邸に着く。見学客は少ない。平日の真昼間にこんなところを訪れるのは余程の暇人であろう。
さてこの屋敷は旧加賀藩藩主、前田家の第16代当主前田利為侯爵が建てたもの。利為候は陸軍軍人で昭和17年、マレーシア・ボルネオ沖で乗機が撃墜され没した。享年57歳。陸軍大将に列せられた。長女が昭和30年代から40年代にかけてマスコミで活躍したマナー評論家の酒井美意子氏。
一通り外を見渡してから、邸内に入る。玄関を入ってすぐ右のサロンは「マルキール」(侯爵)というちょっとした喫茶店になっている。オカブはその脇の侯爵夫人の居室の佇まいが大変気に入っていて、ベンチに腰を下ろしてしばらく時を過ごした。こんな部屋を持ちたいなあ、などとかなわぬ妄想を抱く。
しかし、この邸、女中部屋でさえ、我が家より立派ではないか!いかに加賀百万石の殿様とはいえ、世の矛盾に再び溜息。どうも豪邸は、オカブの精神衛生に大変よろしくないようだ。
しかし、今日はいい天気だ。窓外の庭木が陽の光に戯れているのを見ていると、自然の摂理の妙に圧倒される。
日本建築の和館は茶会の準備か何かで10月13日まで閉ざされている。残念だ。
さんさんと降り注ぐ日光を浴びて、家路についた。
秋の光風と舞い踊る木の葉かな 素閑
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