今年もいよいよ最終日を迎えた。まったくいつもいつもだが月日の経つのは早い。自分が歳を取るのの二乗に比例して矢のように過ぎていく。
大晦日というのに家事は何もせず、事務所の部屋の中は散らかしたまま、年末の会計の締めの事務作業に没頭していた。
午後の7時を回ったころ、風呂の掃除を終え、お節料理の支度を終え、台所の掃除を終えたかーたんが事務所にオカブを呼びに来た。
毎年、年越し蕎麦はオカブが作る役目になっているからだ。今年の年越し蕎麦は、エルさんが学生時代バイトしていた三軒茶屋の和食処『お山のすぎの子』で譲ってもらったものだ。国産の蕎麦粉を使った手打ちの蕎麦なので気を使って、慎重に茹でる。女三人はかけの天麩羅蕎麦、オカブはもりに冷のお銚子を。
8時からかーたんとNHKで第九の中継を見る。今年はテノールに福井敬、バリトンに甲斐栄次郎という大物を揃えたので見逃せない。ソリストが合唱の前に立っていたので、これで歌えるのか?と不安になったが、さすが福井御大、堂々のテナーを響かせていた。ソリストにも増して、実力の程に驚かされるのが国音の合唱だ。毎年、レベルが上がっていくのが分かるが、今年の出来は一段と磨きがかかっていた。オケも良かった。
10時に第九が終わって、毎年恒例の『こうもり』DVD鑑賞。蛇足ながら付け加えておくと、ドイツ語圏、特にウィーンでは大晦日の夜は劇場では必ず、このヨハン・シュトラウス作曲の名オペレッタがかかる。シュターツ・オパーでもフォルクス・オパーでもアンデア・ウィーン劇場でもだ。ウィーンっ子はわくわくしながらその年の大晦日の『こうもり』の配役や演出に期待を寄せる。
今年もカルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場のシルヴェスター公演の物を見る。アイゼンシュタイン:エベルハルト・ヴェヒター、ロザリンデ:パメラ・コバーン、フランク:ベンノ・クッシュ、オルロフスキー公:ビリギッテ・ファスベンダー、アルフレート:ヨーゼフ・ホプファーワイザー、ファルケ:ウォルフガング・ブレンデル、ブリント:フェリー・グリューバー 、アデーレ:ジャネット・ペリー、フロッシュ:フランツ・マクゼンダー、イワン:イヴァン・ウンゲル、イーダ:イレーネ・シュタインバイサー・・・・と豪華というか、古今東西の最高の配役と演奏陣、そして最高の『こうもり』に仕上がった公演である。そして極めつけの演出がオットー・シェンク。はっきり言って、『こうもり』はオットー・シェンクの演出以外は観たくない。
毎年言っているが、この豪華絢爛たる配役の中で、最も輝いているのがオルロフスキー役のブリギッテ・ファスベンダー。彼女を超えるオルロフスキーはこの将来も決して現れないのではないか?ズボン役が得意の彼女だが、私生活でも女性と危ない関係をもっていたらしく、劇の役を実生活でも地で実践していたということだろう。
フロッシュの好演の後に、大団円の「シャンパンの歌」に見送られて2014年は過ぎていく。
23:50から、テレビ東京の「東急ジルヴェスター・コンサート」を観る。今年は山田和樹指揮のシベリウス作曲『フィンランディア』でカウント・ダウンだ。ちょっと早かったか!
無事年が明けた。
A Happy New Year 2015!
すべきことみな打ち捨てし晦日かな 素閑
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