しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「特捜部Q―自撮りする女たち―」 ユッシ・エーズラ・オールスン

2021年03月20日 | 読書
「特捜部Q―自撮りする女たち―」 ユッシ・エーズラ・オールスン  ハヤカワ・ミステリ文庫 上・下巻
 SELFIES       吉田奈保子・訳

これまで数々の未解決事件の謎を暴いてきた特捜部Q。
だがアシスタントのローセの精神的不調に加え、部は予算不足により解散が囁かれる事態に。
そのさなか、部の責任者であるカールに、殺人捜査課の元課長から電話が入る。
最近起きた老女撲殺事件が未解決の女性教師殺害に酷似しているとの情報だった。
元上司の懇願にカールは重い腰を上げ、管轄外である、現在進行中の事件の捜査に勝手に乗り出すが……。
    <文庫本上巻裏カバーより>

福祉大国デンマークで社会制度の甘い汁を吸う女たち。
あの手この手で補助金を不正受給する彼女らへの憎悪が限界に達したソーシャルワーカーのアネリは、轢き逃げ計画を実行する。
一方、新旧双方の事件の関連性を捜査するQのカールとアサドのコンビだが、とうとう失踪してしまったローセのことも放ってはおけず……。
同時進行するバラバラの事件にQはどう立ち向かうのか?
     <文庫本下巻裏カバーより>

「特捜部Q」シリーズ第7弾。






「特捜部Q」は、事件は悲惨だがなんとなくコメディ風でもあった。
カールやアサドのやり取りやローセの存在。
しかし、段々シリアス度が増している感じがあった。
新しくQに加わったゴードンも、お笑い担当のような所があったのに、今回はすっかり馴染んで、シリアスに。
そして、ローセの生い立ちも明らかになり、かなり深刻な物語になる。
過去の事もそうだがそれが現在に続き、そして事件にも巻き込まれる。
今回の主役の1人。
もう1人の主役は社会福祉事務所のソーシャルワーカー、アネ=リーネ(アネリ)・スヴェンスン。
特にアネリの憎悪の対象になったのは、デニス・F・ツィマーマンとジャズミン・ヤーアンスンとミッシェル・ハンスン。
この3人の女性がタイトルの「自撮りする女たち」なのだ。
3人の様子も丁寧に書かれている。
アネリからすればどうしようもない寄生虫のような存在なのだろうが、割といるタイプの様に感じる。
3人も知り合いにならなければ、1人だったらまた違った行動をとっていたのかも知れないが。
今回は始めから、現在進行中の事件を扱う事になるので、進行もスリリング。
時間との戦いのシーンもあり、より先が気になる。
いくつもの事件が、最後にはきちんとまとまって行く所は見事。
リーモアとはどのような人物だったのだろう。
娘や孫に見せる顔と隣人に見せる顔があまりにも違っているようで気になった。
今回も沢山の人が死んで、決して「良かった」にならない所が辛い。
あまりにも簡単に殺してしまう所が残念。
アネリは最初から、最後のシーンを思い描いていたような潔さ。
どこかで、違うスイッチが入ってしまったのだろう。
映画の『テルマ&ルイーズ』を思い出した。
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