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「十二国記 図南の翼」(再読)  小野不由美

2019年10月10日 | 読書
「十二国記 図南の翼」(再読)  小野不由美  講談社文庫  

恭国は先王崩御から27年経ち、荒廃は進み妖魔も現れるようになっていた。
豪商の12歳の娘、珠晶は王がいないから国が荒れるのを分かっているのに、周りの大人が昇山しない事に苛立っていた。
昇山とは黄海の蓬山にいる麒麟のもとを訪れ天意を諮ること。
王となる者には王気があり、麒麟が王と認め王となる。
蓬山のある金剛山に入る道は4つ。
それぞれ門が立ち塞がり、門が開くのは1年に1度。
恭国に接するのは令乾門で春分に開く。
大人たちが行かないなら、と珠晶は1人、蓬山を目指す。
しかし、黄海は妖魔が跋扈する土地。
珠晶は途中の宿で、黄海で妖獣狩りをする“猟戸師”と呼ばれる、頑丘を雇う。
そして昇山の人たちと猟戸師たちの過酷な旅が始まる。
中には輿に乗り供をたくさん連れた者もいた。
しかも、頑丘ら猟戸師たちが知っている黄海の旅の知恵は何も知らない様子。
妖魔の来襲に犠牲を出しながらも、お互いに助け合う事のない人たちに珠晶は苛立つ。






十二国の真ん中にある、黄海が描かれた物語。
物語、ひとつひとつ読む度に、十二国の事が分かって来る。

何不自由なく、裕福に暮らしていても珠晶は周りを見て、荒廃していく国に心を痛める。
原因はただひとつ、王がいないから。
昇山を目指しても、珠晶は自分が王になるとは本当は思っていなかった。
理由は他にもあった。
それは、しっかりと考えてを持っているからだろう。
大人には生意気に感じられるけれど、真っ直ぐな考え方。
しかし、それは状況が違えば、また違う判断を強いられる。
それを学びながら、黄海の旅で珠晶は成長して行く。
違う考えを受け止める柔軟さも必要。
これも、1人の少女の成長物語。

しかし、昇山する為に麒麟がいる蓬山に向かうと言う事。
麒麟は王になる人がやって来るのを待っている。
自ら捜しに、蓬山を出て行く麒麟もいる。
それは、麒麟の性質なのだろうか。
奏の国も探しに出たようだ。
何となく景麒なら蓬山で待っていそうな感じだが、蓬莱まで探しに行ったのは王気を感じたから。
そこまで王気が伝わるなら、供麒が珠晶の元に来なかったのは何故だろう。
珠晶が成長するのを待っていたのだろうか。
延麒が行ったのは探すというより放浪していったのか。
色々と考えてしまうのもこの物語。
更夜が登場したのが、嬉しかった。
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