4月17日に防衛省、環境省、外務省との交渉を行いました。1年半ぶりの交渉です。防衛省のアセス担当課と間違うほど「環境省ショック」を受けて以来です。
PHOTO 環境省
膨大で、荒っぽい論理の準備書の前に、自信のない答弁が続出しました。
以下、特徴的な答弁を取り上げます。
防衛省―「説明できないので準備書への意見を出してください」
辺野古でジュゴンが見つからなかった理由については、「調査の結果を述べるのが準備書、分析は必要ない」と居直りました。
基地建設で破壊される海草藻場78㌶の保全についての検討結果がないことについては、「説明できないので意見を出してほしい」と説明責任を放棄しています。
全国の埋め立て土砂1年分にあたる1700万㎥の購入先が決まっていないにもかかわらず、「海草やサンゴに影響はない」とぬけぬけと言う一方、掘り返される地域に与える影響については「業者が考えること」と無責任な態度に終始しました。
他に、意見提出期間の延長や英語版の作成は考えていない。知事意見にあるジュゴンの複数年調査や騒音調査のためのデモフライトは必要がないと着工優先の姿勢を露骨にしました。
環境省―「注視するだけ」
「環境省の調査結果と基本的に変わらない」、これが準備書に対する態度です。
複数年調査を求めるかどうかは「意見を出した沖縄県の判断」。辺野古で食み跡や糞が見つかった環境省調査との違いは「防衛省に聞くべきこと」。「公告縦覧中なので注視している」とコメントを拒否しました。
ジュゴン保護を求める追及には「環境アセスと野生動物保護は別問題」と環境省の役割を否定する言葉にばつが悪くなったのか、「評価書への大臣意見や普天間移設協議会などでタイミングを見て意見を言う」と逃げ腰になりました。さらなる追及に、「言いますよ」と力ない言葉で終わりました。
外務省―「ジュゴン保護は重要な問題」
来年10月生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を前に、はじめて課長補佐が出席して「ジュゴン保護は重要な問題」「とともにCOP10を成功させたい」と協力を求めました。
しかし、COP10にジュゴン保護のIUCN決議を議題に取り上げるかどうかは「関係国との調整」。
今秋のジュゴン保護覚書国際会議への参加は「わが国の立場をふまえて検討する」と消極的。
ジュゴン訴訟については「係争中なのでコメントできない」と後ろ向きの態度に終始しました。
*各地で環境アセスメント学習会が始まっています。
海外との連携も始まっています。
英語版作成を沖縄防衛局に求めています。
準備書への意見を広げましょう。
ジュゴンの保護者