昨晩、テレビでチェルノブイリ特集を見始めてしまった。今朝はおかげで寝不足なのだ。頭が重い。
チェルノブイリ原発事故から25年がたった。
あの頃インターネットは無く、今ほどのインフォメーションは収集できず、ましてやドイツに住み始めて2,3年だった私はドイツ語での情報収集に苦労した。
いきなり店から乳製品やほうれん草やサラダ菜が消え、幼児は外で特に砂場で遊ばないようにというお触れが広がって、ようやくこれは恐い状態なのだと認識した。
なんと恐ろしいことが起こったのか、今更改めて背筋が凍ってしまいそうだった。
石棺作業を進めるにあたって建屋の屋上の瓦礫を除ける作業はロボットでさえ、いやロボットだからこそ、間もなく故障し機能停止となり
"リクビダートル”達がそれにとって代わるしかなかったのだそうだ。
彼等は”Bio- Robot"と自称しながら気の遠くなるような恐ろしい作業に挑んだ。
建屋の屋根に出てから数を90数える間にスコップを掴み、瓦礫を掬い、瓦礫を屋根から放り出す。その動作を3回ほど繰り返し走り戻る。
メルトダウンが起こり下の冷却プールの壁を壊し、水素爆発が起こる前にプールの脇に穴を開けて水を抜く作業をしなければならなかった。
命を受けた炭鉱夫達は危険な場所で防護装備も無くトンネルを掘り続けた。
蒸し暑い坑道内では水を飲まなければ体が持たない。しかし持っていた水は放射能に汚染されてゆき、体内被曝も起こった。
この時もしも爆発が起こったなら、ヨーロッパはどうなっていたことだろうか?
ヨーロッパの半分は居住不可能になっていただろうという話だったからドイツは全滅だったかもしれない。
彼等"リクビダートル"達がその地獄で働いてくれたからこそ、今私たちはこの地に無事に生きているのだと遅ればせながら気が付いて言葉がなかった。
南ドイツの森ではいまだに茸の汚染が見られ、それを食べる猪からは高い放射能が検出される。
福島原発事故は今後どう展開してゆくのだろう。。。
どんなに堅牢に発電所を建造したとしても、100%の安全というものは無い。
危険はいつも存在しており、その存在している危険を無視する事がどうしてできるだろう?
その危険が檻を破ってしまった時、捕まえてひねりつぶす"手”を私たちはまだ持っていない。
そんな賭けをしていて良いのだろうか。。。。
Arte