11月急に冷麺が食べたくなり、厳冬期の前に韓国に行っておくかと金浦行きの大韓航空の切符を買いました。機内食の参鶏湯風丼?はちゃんと高麗人参入りでなかなかウマく感心です。深夜の金浦に着いたら空港鉄道~デジタルメディアシティ~地下鉄6号線と乗り換えソウル北部の仏光で適当なモーテルに投宿しました。
翌日は仏光から乗りバスを楽しみつつ冷麺を食べに行くという算段です。仏光にはソウル西部市外バスターミナルという「停留所」があります。かつてはここに古びたターミナルがあったのですがソウル西部警察署になってしまい、今は名前こそターミナルでも道路中央のバスレーンや路肩の停留所でバスが発着するただの停留所です。発着するバスにはそれなりに長い路線もありますがいわゆる市外バスではなく距離が長めの一般的な路線バスで、韓国のターミナルでない簡易な市外バス停留所によくある乗車券販売所ブースはありません。
ここで今回乗ったのは坡州市の積城に行く30番です。
30番は統一路という名の板門店へ向かう道(ヨンシンネ以北の統一路は国道1号線)をずっと北上します。北に向かうにつれ非常時用の道路破壊施設が点在しさすが休戦ラインの近くという感じがしました。坡州駅付近で統一路を逸れ陸軍の部隊をいくつも見ながら北東へ進みます。
ソウル西部市外バスターミナルから50キロ以上1時間45分乗ると終点の積城共用バスターミナルです。ここまで運賃は1400ウォン均一とだいぶトクした気分になりました。各行先の乗り場がかわいらしく並ぶターミナルは共用ターミナルと言っても今は市外バスの発着はなく一般的な路線バスのみです。
ターミナル前の橋上の停留所から出る92番バスに乗り継ぎます。車両が小さく乗客は地元のお年寄り中心になりだいぶローカルな雰囲気です。
坡州市から漣川郡に入り38度線を越えると百鶴面の中心にある坡州市と漣川郡のバスが共用する折返場に着きます。百鶴面は休戦線で分断された面でこの折返場は休戦線まで約5キロの近さですが民間人統制線の内側でことさらに緊迫した感じはありません。
ここで乗り継ぐバスを待つ間、もし朝鮮戦争がなかったら38度線がずっと南北の境ということになり、そうなると百鶴には来れなかったもののソウル西部市外ターミナルから38度線以南の(現実には現在北朝鮮の)開城方面へバスが頻発していたかもなどと想像してしまいました。そういえば以前民間人統制線に沿って路線バスを乗り継いでみようかと考えたもののさすがに気分が重くなりそうなのでやめたなんてこともあります。北へとバスを乗り継げない、というバカバカしい理由であってもやはり分断というのはイヤなものだと改めて思いました。
さて百鶴で乗ったのは東の全谷に行く漣川郡58番バスです。この58番は同じ全谷行でも便によって途中の経由地が異なるのですが、そのうち最も休戦線に近い北側を走る旺澄面東中里経由に乗ったところ割に狭めの箇所がありなかなかよい乗り味でした。民間人統制線にかなり近づく箇所もあるものの越えることはなくのどかな農村を走っていきます。
バスを降りたのは臨津江の右岸にある無等里という集落の旺澄面事務所停留所です。ここに「黄海冷麺」という有名店があるというので寄ってみました。最寄りの集落からやや外れた高麗人参畑の先に件の冷麺店が見えます。
ひと気がないのでヘンだなとなかなか立派な店先をのぞくと11月は寒いので週末のみ営業と貼り紙があり閉まっていてがっかりしました。仕方ないので次のバスまでの時間つぶしに臨津江を見に行くと川岸近くには川魚や貝の料理を出す店がいくつか見えやや心が動いたものの東京の自宅からはるばる抱えて来た冷麺気分が勝ち別の冷麺店に行くことにします。
(こちらに続きます。)
翌日は仏光から乗りバスを楽しみつつ冷麺を食べに行くという算段です。仏光にはソウル西部市外バスターミナルという「停留所」があります。かつてはここに古びたターミナルがあったのですがソウル西部警察署になってしまい、今は名前こそターミナルでも道路中央のバスレーンや路肩の停留所でバスが発着するただの停留所です。発着するバスにはそれなりに長い路線もありますがいわゆる市外バスではなく距離が長めの一般的な路線バスで、韓国のターミナルでない簡易な市外バス停留所によくある乗車券販売所ブースはありません。
ここで今回乗ったのは坡州市の積城に行く30番です。
30番は統一路という名の板門店へ向かう道(ヨンシンネ以北の統一路は国道1号線)をずっと北上します。北に向かうにつれ非常時用の道路破壊施設が点在しさすが休戦ラインの近くという感じがしました。坡州駅付近で統一路を逸れ陸軍の部隊をいくつも見ながら北東へ進みます。
ソウル西部市外バスターミナルから50キロ以上1時間45分乗ると終点の積城共用バスターミナルです。ここまで運賃は1400ウォン均一とだいぶトクした気分になりました。各行先の乗り場がかわいらしく並ぶターミナルは共用ターミナルと言っても今は市外バスの発着はなく一般的な路線バスのみです。
ターミナル前の橋上の停留所から出る92番バスに乗り継ぎます。車両が小さく乗客は地元のお年寄り中心になりだいぶローカルな雰囲気です。
坡州市から漣川郡に入り38度線を越えると百鶴面の中心にある坡州市と漣川郡のバスが共用する折返場に着きます。百鶴面は休戦線で分断された面でこの折返場は休戦線まで約5キロの近さですが民間人統制線の内側でことさらに緊迫した感じはありません。
ここで乗り継ぐバスを待つ間、もし朝鮮戦争がなかったら38度線がずっと南北の境ということになり、そうなると百鶴には来れなかったもののソウル西部市外ターミナルから38度線以南の(現実には現在北朝鮮の)開城方面へバスが頻発していたかもなどと想像してしまいました。そういえば以前民間人統制線に沿って路線バスを乗り継いでみようかと考えたもののさすがに気分が重くなりそうなのでやめたなんてこともあります。北へとバスを乗り継げない、というバカバカしい理由であってもやはり分断というのはイヤなものだと改めて思いました。
さて百鶴で乗ったのは東の全谷に行く漣川郡58番バスです。この58番は同じ全谷行でも便によって途中の経由地が異なるのですが、そのうち最も休戦線に近い北側を走る旺澄面東中里経由に乗ったところ割に狭めの箇所がありなかなかよい乗り味でした。民間人統制線にかなり近づく箇所もあるものの越えることはなくのどかな農村を走っていきます。
バスを降りたのは臨津江の右岸にある無等里という集落の旺澄面事務所停留所です。ここに「黄海冷麺」という有名店があるというので寄ってみました。最寄りの集落からやや外れた高麗人参畑の先に件の冷麺店が見えます。
ひと気がないのでヘンだなとなかなか立派な店先をのぞくと11月は寒いので週末のみ営業と貼り紙があり閉まっていてがっかりしました。仕方ないので次のバスまでの時間つぶしに臨津江を見に行くと川岸近くには川魚や貝の料理を出す店がいくつか見えやや心が動いたものの東京の自宅からはるばる抱えて来た冷麺気分が勝ち別の冷麺店に行くことにします。
(こちらに続きます。)
また、西部市外バスターミナルの建物が、ついに無くなってしまったとの由。私が訪問した2013年5月にはGバスが数系統が発着し、殺風景ながら1970年代の香り濃厚な待合室が残っていただけに感無量です。
Gバス時代になってからの西部ターミナルをご覧になっていたのですね。急速に変化するソウルにあった昔の空気がなくなったのは惜しい気がします。
私は10年以上前に地下鉄のループを見ようと行ったついでにこんなところにバスターミナルがあるのかとなんとなく寄ったことはあるのですがざっと眺めるだけでターミナルで発着するバスには乗らずじまいでした。今思うともっとよく見てちゃんと乗っておくんだったと悔やまれます。