乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

近鉄と阪神のお気に入り車両

2016-08-30 | 大阪府・兵庫県
 北勢線に内部・八王子線にと釣り掛けが走るニブロクが分離されたあとの近鉄で一番好みの電車というと転換クロスシートの5200系です。座席にあわせ細い窓が整然と並ぶところや派手に傾斜をつけたりなどせずおとなしい顔なのが気に入っています。名阪間を移動するときこの車両に当たるとアーバンライナーなど特急に抜かれてもどうぞお先へという気分になり腹が立ちません。


 特急を使わずに近鉄で名阪間の移動するときは伊勢中川で乗り換える必要がありますが両側の扉が開く様子を見ると関西私鉄らしい器用さが感じられうれしくなります。なんとなく改軌前の気分が追体験できるような気もしますし。


 今の近鉄の特急車両にはあまり好みの車両がないのですが色々な車両が行き来する様子を見ているとさすが特急王国と感心させられます。


 名古屋線にくらべ大阪線は5200系に当たりづらく今回はロングシート化された2610系でした。それでもモーター車に乗って急勾配の青山越えをするのはなかなかオツです。名古屋から特急を使わず名張に着くとだいぶ大阪に近づいたような気がするのに名古屋からほどなく入った三重県がまだ続いているので東海道線を鈍行乗り継ぎで移動するときの静岡県の長さをちょっと思い出したりもします。


 名張を出ると徐々にロングシートが似合う通勤電車然としてきて乗客の会話や車内アナウンスがいよいよ関東モノの私が勝手にイメージする関西の言葉っぽくなりわくわくしているうちに鶴橋です。関東住まいだとここで神戸三宮などという行先が見えることに慣れずいまだにウソのような気がしてしまいますがさらに銀にオレンジ色という車両だと濃い赤か青がくっきりの勝手な思い込みの阪神らしくなくなんだかニセモノっぽく見えたりします。ただ阪神らしくはないと思っても近鉄特急の新色にはなんとなく似た感じに見えこの点では揃っている気もするのですが。


 ともあれ阪神らしくないというか近鉄っぽいというか、な車両の三宮行きに乗って地下にもぐり大阪難波から阪神なんば線に入ると桜川でアーバンライナーが見え、アーバンライナーって阪神に直通してたっけ、とびっくりしました。桜川に近鉄用の留置線があることを知らなかったわけです。
 尼崎でこれこそ青胴車と言いたくなる色の濃いジェットカーを見るとああ阪神だなあとうれしくなりますが、両側の扉を開けていて通路がわりに乗客が通るところをみるとさらにうれしくなります。


 向かったのは尼崎市側に味のある字が見える武庫川駅です。ここでお馴染みの色の近鉄の車両が走って来るのを見たら鶴橋で阪神の車両を見る以上にウソのような気がしました。どうも勝手に阪神に京急や京成のイメージをかぶせてしまっているようで近鉄の長い車両が入ってこられる感じがしません。


 片開き扉好きなので久々に武庫川線の片開きの赤胴車を見たくなって来たのですが赤は優等らしい色だけに本線で飛ばして欲しくもありやや物足りないものも感じました。関西私鉄の片開きといえば南海の7000系が消えいよいよ少なくなり寂しくなるばかりです。


 と軽快でスッキリしている阪神の車両を見たあとだからか梅田に出て山陽電車を見たらなんとなく朴訥というか垢抜けない気がしてしまいました。転換クロスなので普段関東暮らしだとかなり上等な感じはしますけれども。


 関東では転換クロスの通勤電車などまず期待できないゼイタクさですがまあ車両ではなくて例えば無料の優等なんかを期待する分には多少は救われることもあるのかも、などと後ろ向きだか前向きだかよくわからないことを考えたりしました。
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大阪の渡船(4)甚兵衛渡船

2011-06-07 | 大阪府・兵庫県
(前回の続きです。)
 大阪に甚兵衛渡船という渡船があります。関東住まいなので甚兵衛に渡船というと成田スカイアクセス沿線の「佐倉義民伝」にも出てくる「甚兵衛渡し」を思い出したりでちょっと面白く感じ乗りに行くことにしました。

 まず大阪環状線の大正駅(バス停名は大正橋)で98系統の市バスに乗り、10分くらいで着く泉尾4丁目で降ります。


 バス停から渡船の浮かぶ尻無川までは高層の市営住宅が並んでいるので歩きながら上ばかり見てしまいました。


 高層住宅ばかりで無味乾燥、というと案外そんなこともなく砂場にはこんなものがあったりそもそも渡船があったりでなかなか悪くない雰囲気です。


 バス停から数分で渡場に着きました。


 この大正区泉尾側が「ターミナル」で運行時間以外は船はこちら側に停泊しています。



 日中15分間隔と結構空くので自転車を置いて待合所で待つ向きも見えのどかです。


 出航の時間になりました。


 岸壁間はたったの94mで乗る時間はあっという間ですが一応区境を越える航路です。眺めはなかなか悪くないものがあります。


 対岸の港区福崎に着きました。客扱を済ませるとすぐにとって返します。


 堤防の外から渡場を見るとこんな感じです。


 近くに市バスの福崎1丁目停留所があります。


 市バス51系統で弁天町バスターミナルに出てちょっとだけのバス・渡船乗り継ぎはおしまいです。


 という具合に大阪で4箇所ほど渡船に乗ってみて、単に移動手段というだけでなく船と渡場と動かす職員さんがいて乗客が集まる様子がやや硬い風景に潤いを与えているような気がしました。
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大阪の渡船(3)木津川渡船

2011-04-23 | 大阪府・兵庫県
(前回・船町渡船の続きです。)
 今回は市バス70系統の中船町で降りたところから話を始めます。中船町バス停のある「船町」は大正区の最南部にあり、北の木津川運河と南の木津川に挟まれた埋立地の工場街です。バス通りは両側を中山製鋼所に挟まれているので工場の外なのに中にいるような気分になりました。


 中船町停留所の前に立派なループが目に付きます。これは木津川の対岸、住之江区柴谷まで伸びる新木津川大橋の取り付け部分で、狭い面積で川に船舶を通すための高度を稼いでいます。


 この新木津川大橋の西隣に同じく木津川を渡す「木津川渡船」があり、これが今回の本題です。バス通りから看板に従い新木津川大橋の下を歩いていくと右手に中山製鋼所の変電所が見え、すぐに堤防を上がって渡場につながる通路と事務所が見えてきます。


 堤防を上がると視界が開け渡場が見えます。

 説明書きを読むと岸壁間238mとありますから先に乗った船町渡船の3倍くらいです。

 この大正区船町側が木津川渡船の「ターミナル」側にあたり、船員さんの詰所があって船が待機しています。


 出発時間になり乗り込むとなかなか立派な椅子が見え、さすが長距離(?)路線だと感心しました。と言っても乗船時間は3分ほどですけれども。

 新木津川大橋を眺めていたらあっという間に対岸の住之江区側に到着し、乗降を済ますとすぐに折り返していきました。



 着いた住之江区側から大正区側をのぞみます。


 住之江区側も工場が目立ちますが、お孫さんを渡船見物に連れてきた様子など何となく生活感も出てきました。


 待合所は窓や出入口のカーブが何となくそそるデザインで、電話ボックスもあってちょっと昔の駅やバスの待合所と通じる雰囲気です。




 「乗り渡船」を終えたらだいぶ暗くなって来たので先を急ぎます。向かうのは渡場から500mちょっと南下したところにある「木津川渡し通」というなんだか乗り継ぎ感が増すようなうれしい名前のバス停です。


 ここで市バス49A系統に乗って地下鉄の住之江公園駅に向かいこの日の「乗り渡船」と「乗りバス」のシメとしました。


(次回に続きます。)
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大阪の渡船(2)船町渡船

2011-04-11 | 大阪府・兵庫県
(前回・天保山渡船のつづきです。)
 今回は海遊館と客船ターミナルの前にある天保山バス停(大阪市港区)で市バス72系統ドーム前千代崎行きに乗るところから話を始めます。


 72系統に乗ってみようと思った理由は「なみはや大橋」という経由がちょっと気になったからです。なみはや大橋は港区と大正区を分かつ尻無川を跨ぐ有料道路で高さがあるため結構眺望がききます。また料金所通過の際運転士さんが回数券(でしょうか?)を渡す様子を見ることができちょっと面白く感じました。


 渡った大正区側で降りた停留所は鶴町一丁目です。ここの南側に「船町渡船」の渡場があります。


 バス通り沿いに立ち飲みコーナーを設けている酒屋さんがありました。時間がよければ一杯引っ掛けて行きたい雰囲気ですがまだしばらく「乗り」があるので今回はパスします。


 「大丸石油」の脇にクルマが入れない道があり、その突き当たりが渡場です。


 燃料タンクがあるだけあって火気厳禁とあります。

 ロケット花火やシンナー遊びはいけないもののボール遊びは構わないというのはなるほどというところです。この辺の子供は一度くらい事務所のお世話になったことがあったりするのでしょうか。クルマがこない道となれば格好の遊び場になることでしょうね。


 木津川運河の堤防を上がると渡場です。


 この北側の渡場が渡船のターミナルで詰所もあります。


 バス停とも共通するような雰囲気がある待合所を覗くと時刻表やこの船町渡船の立派な由来書きが見えます。


 読んでみるとこの北側=鶴町側にかつて市電が走っていたとか南側=船町側には飛行場(木津川飛行場)があったと書いてあります。ここの飛行場は戦前にはもうなくなっていたそうですが、伊丹の前にこんなところに飛行場があったとは知らず驚きました。



 時間になったので乗船します。この渡船も天保山渡船同様自転車の乗客が主でした。北側から出発し南側で乗降が終わるとすぐに北側に戻るというダイヤです。


 由来書きに両岸は75mとあり乗船時間はたぶん1分に満たないのではないかというほどあっという間(計ってはいませんが)でした。乗り込むと川風(運河風?)をのんびり味わうヒマもなく南側についてしまいます。


 工場に囲まれたあまり広くない運河なので天保山渡船のような開放的な乗り味とくらべよりゲタ履き感が強いというのかなかなか面白い乗り味です。お客さんが船員さんに挨拶して乗り降りする雰囲気のいい渡船でした。



 北側に戻る船を見送ったら日立造船など工場の間の道を市バス西船町停留所まで少々歩きます。


 西船町停留所は市バス70系統(ドーム前千代崎行き)の終点です。あまり広くない折返場(西船町操車場)でバス3両が顔を並べて出発を待っている様子はなかなか可愛らしい感じがありました。


 70系統の特徴は平日の朝夕に途中停留所をいくつか通過する急行が設定されていることです。この急行は例えば朝7時台は16本・夕方17時台は11本という具合にかなり便数が多いので存在感があります。この急行に乗って次の渡船に向かいました。


(次回に続きます。)
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大阪の渡船(1)天保山渡船

2011-04-09 | 大阪府・兵庫県
 商都に水都なんて言われるだけあり大阪では多くの渡船が楽しめます。
 私は大阪に行く機会があるとついつい「私鉄王国」関西での乗り鉄にうつつを抜かしてしまい渡船に割く時間がないまま帰る、というパターンが多かったのですが、先日ようやく渡船に乗りました。

 大阪の渡船は8路線あり(大阪市公式サイトの路線図)、ありがたいことに全路線船賃はタダ、ですがそこに行くまでは当然おカネがかかります。今回は大阪市交通局がバス・地下鉄・ニュートラムの一日乗車券を出しているのでこれを使って「乗りバス」もしつついくつか渡船を回ってみることにしました。
(※大阪市交通局公式サイト/日によっては普段の一日乗車券より安い「ノーマイカーフリーチケット」が使える場合も)

 大雑把に渡船に乗ろうというだけで特にこの路線に乗りたいという目星はなかったので、とりあえず地図を見て北西端の天保山渡船から乗ってみることにします。まず大阪環状線西九条駅に行くとバス停の真上に街中の鉄橋があり東京の秋葉原界隈を思い出しました。


 天保山渡船北側の渡場に行く市バス79系統(西九条~ユニバーサルスタジオジャパン)に乗ります。


 トラックが多く産業を支えているなあという気がしてくるデルタ地帯をぐるぐると回っていくと渡場最寄の桜島三丁目バス停です。


 阪神高速の高架下から安治川に向かうとすぐに渡場が見えてきます。


 天保山渡船はこの北側(此花区)はUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に近く、南側(港区)は海遊館が近くで両側に娯楽施設があるのが面白いところです。

 ということは観光利用もそこそこあるのかウッドペッカーの描かれた案内図がありました。


 堤防を上るとなかなか立派な待合室が見えます。



 時刻表には対岸の港区側を出発する時刻が書かれていました。天保山のある港区側がターミナル(?)で、港区側からこの此花区側に着いたらすぐに折り返すという運行パターンです。


 自転車の乗客が多く目につきました。


 時間になると海遊館の観覧車をバックにやってくるのでなかなか絵になります。


 運賃がタダということは改札がありませんから到着するとすぐに乗降が済み出発です。


 出発するとものの数分で着いてしまいますが、阪神高速の橋を見上げる船旅(?)はなかなかオツでした。


 橋の下にある港区側の渡場は待合室と船員さんの詰所があって北側より立派です。



 渡場を出るとすぐに天保山公園です。


 「彰往察来」と彫られたまだ新しい碑が目に入ったので見てみると戦時中日本に強制連行されて大阪の港で荷役を強いられた中国人の記念碑でした。読んでみると亡くなった方も少なからずだったとあります。


 そのバックに見える塔のようなものは明治天皇の行幸記念碑です。


 この近くに二等三角点があって天保山は日本一低い山ということになっているそうですが、天保山は人工の山ということなのでちょっと微妙な気もします。とは言え三角点があって地形図に山って書かれているのを見たらとりあえず納得してしまったので負けという感じです。


 天保山公園を出るとすぐに客船ターミナルと海遊館があります。なかなか立派かつ派手で併設されている「マーケットプレース」には100円ショップもあったり観光地ながら結構実用的な面もある施設です。


 海遊館の前にはロータリーとバス停があります。ここで市バスに乗って次の渡船場に向かいました。


(次回に続きます。)
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