乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

東武快速・富士重工見納め乗り納め

2017-03-18 | 群馬県
 東武が4月のダイヤ改正で快速・区間快速をなくしてしまうと知ってがっかりしつつとりあえずお名残乗車をしておこうと浅草に出かけました。曲線のきついホームに入って来るお馴染みの6050系を見ると間もなく無くなるという気がしません。大きなテーブルひとつひとつが拭かれる清掃が終わり単に扉が開くだけでなく渡り板を置かれて乗り込むと料金不要なのにずいぶんと高級な列車のようで毎度気持ちがよくなります。


 そんな乗り込み方のあとでカバー付きの蛍光灯に照らされたずらりと並ぶ赤いモケットのボックスシートや車内方向幕の会津の文字を見るとデッキのない両開き扉の車両なのを忘れそうです。銘板が鉄道車両から撤退して久しくなる富士重工なのを見たら4月から社名がSUBARUに変わるのを思い出しました。


 隅田川の鉄橋を渡って曲線の多い北千住までのんびりなのはさておき複々線に入ってもせっかく停車駅が少ないのにあまり飛ばさず流して走るのはいつも残念に思うのですが、間もなく無くなると思うとこれも東武らしさかもとなんだかいとおしくなるのですから勝手なものです。遠くまで行くときは金券屋で株主優待券を調達して乗るのですが今回はとりあえずICカードで乗ったのであまり「奥」まででないところで適当に降りようくらいのつもりでいて、結局この列車が停まる唯一の群馬県内の駅板倉東洋大前までとしました。よき列車を見送って館林駅行きの広域公共バスに乗り換えます。


 バスで館林の街中に着くとあまり人通りはなくタヌキが目立っていました。市のキャラクターがタヌキの「ポンちゃん」なのは分福茶釜の話のモデルのひとつ茂林寺が市内にあるからなのでとりあえず順当な感じです。館林周辺に釣り掛けが走っている頃はときどき乗り歩きに来て名物のうどんを買って帰るという流れを楽しんだものですが釣り掛け引退後は足が遠のいてしまいなんだかいろいろ新鮮に感じました。ともあれ館林駅に入って行き止まりの4番線で西小泉行きに乗ります。


 ヒゲ線の行き止まりの西小泉で降りると「ようこそ!日本のブラジルおおいずみへ!!」という大泉町の観光案内所と春闘のスローガンが並んでいました。東武小泉線の西小泉駅なのに大泉町なのは大川村と小泉町が合併したからですがヨソモノだとこんがらがってしまいます。ここに寄ったのは昼食をブラジル料理にしようという理由です。


 食べ放題のブラジル料理をたらふく食べてなんとなく道に立っている地図を見たらまだ三洋電機東京製作所の字がありました。東京都と接していない群馬県で東京製作所という大胆さはさておき三洋がなくなっていることにまだピンと来ません。


 西小泉から東小泉まで戻って竜舞経由で太田に出たら通路の端に「ぷゆまちゃん」なるモノが置かれていました。台鉄普悠瑪号カラーのりょうもう号らしいというところまではわかるのですがでは一体何なんだろうとよく見ると市内の藪塚で毎年行われる「やぶ塚かかし祭り」に出展されたものでつまりはカカシなのだそうです。だから腕がついているのですね。


 太田駅にほど近い太田市スバル町にある富士重工の群馬製作所を見に行きました。浅草で乗った6050系で富士重工の銘板を見て4月から社名がSUBARUになるのを思い出し寄る気になったわけです。太田市スバル町や門前の和菓子屋で売られているスバル最中は社名が変わってむしろ都合がいいくらいでしょうが富士重工業前という信号名はいずれ変更されるでしょうか。スバルは長く定着しているブランド名なので社名になっても違和感はないもののなんだか富士重工が鉄道やバスを作っていた時代がいよいよ遠くなる気がします。


 という具合に見納め乗り納めが重なったらちょっと寂しくなりました。