乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

逗子の京急旧600形

2015-06-03 | 神奈川県
 先だって高松に行った時琴電の1070形(京急旧600形)に乗りました。京急ではこの車両に乗ったことも見たこともないので2枚窓の顔とクロスシートで快特運用についていた頃はさぞ素晴らしい乗り味だったことだろうと想像してはみたもののロングシート化されていてはなかなかピンときません。


 そこで京急時代のまま保存されているものを見に行くことにしました。保存場所は逗子市池子の第一運動公園というところです。まずは逗子駅に出て駅の横須賀方にある京急バスの逗子営業所を見ながら踏切を渡り横須賀線沿いを歩いていきます。


 少し先に遮断機も警報機もない第4種踏切があってびっくりしました。留置線と駅の間なので結構列車の行き来があるはずですがよく生き残っているものですね。


 やがて横須賀線といったん離れ京急の神武寺駅に向かう総合車両製作所(かつての東急車輌)の連絡線の踏切にぶつかります。


 専用線は人家の裏を抜ける様子がどこかのローカル線のようでご近所さんらしき人が軌道を歩いていたりのんびりした雰囲気ではあるものの、トンネルを抜けた先は米軍の管理区域なのでものものしい警告も貼られていました。


 踏切を渡り京急逗子線をくぐって横須賀線と第一運動公園の間を歩いて行くとお目当ての京急600形が見えてきます。


 保存されているのは601号1両のみです。フェンスに囲まれていて結構厳重な感じでした。(訪問時の開放時間は9~16時)


 京急らしく大きな窓が並ぶ整ったデザインがたまりません。


 車内に入るとかなりの部品が失われ痛々しいものがあります。ただあちこち修繕の手が入っているのでその点はホッとさせられました。


 特別料金不要の私鉄クロスシート車に乏しい関東育ちなので憧れの車両ではあるのですが、実物のボックスシートを見ると転換クロスシートが珍しくない関西圏や名鉄との差がどうしても頭に浮かんでしまいます。とは言え大きな窓やパイプの造形などなかなかオシャレで好感を持ちました。


 見物のあとは神武寺駅に出ます。京急逗子線と総合車両製作所の連絡線を挟んで住宅など米軍施設がひろがり星条旗が翻っていて、踏切を渡るクルマに米軍関係車用の「Yナンバー」がついているのも見えちょっと沖縄で乗りバスしたときを思い出しました。


 台湾の踏切だと「停看聴」にあたる英語の注意書きがあります。


 神武寺駅には米軍専用改札口があり、これはいわゆる「思いやり予算」で作られたのだそうです。


 金沢八景方面に向かう列車に乗ってかぶりつくと専用線から続く狭軌と京急の標準軌の三線軌条になるので四線軌条のここを思い出しなんだか国境見物のような気分になってしまいました。