乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

群馬~埼玉県境と深谷市コミュニティバス

2018-09-27 | 埼玉県
(前回のつづきです。)
 島村渡船が結ぶ利根川の両岸は南北どちら側も群馬県伊勢崎市ですが、南側はちょっと歩けば埼玉県です。なので北から南へと渡船に乗った後は埼玉県に抜けることにしました。
 この場合島村渡船に近い埼玉県は西が本庄市、東が深谷市でそのどちらに抜けるかが考えどころになりますが、島村渡船に近いところを走る本庄市側のコミュニティバスは2013年に廃止され事前予約が必要なデマンド型バス化されてしまったためおいそれと利用できず、コミュニティバスがある深谷市側に抜けるしかありません。

 そんなわけで深谷市に向けて歩いていくとほどなく群馬・埼玉県境に着きました。手前・群馬県側は2車線ある県道259号線は県境の手前で1車線になって埼玉県に続いているためいかにも境目っぽい雰囲気です。また県境上に道路がのび、これと県道が交差点になっているのでミラーが設置されていることから埼玉県深谷市とミラーに写る群馬県伊勢崎市の標識がいっぺんに見られました。


 県境の伊勢崎側には日本基督教団島村教会と島村めぐみ保育園本館の渋い建物が目立っています。また県境の道路を越えた斜向かいの埼玉県側にも保育園の別館(右の画像)があり、デザインが揃った一連の施設が群馬県と埼玉県にまたがっている様子はなかなか面白いものがありました。これらはどちら側も登録有形文化財になっています。


 埼玉県側からも県境の様子を眺めたら県境上の道路を東へとしばらく歩いてみることにしました。

 県境上の道路を挟んで向かい合う家はお向さんが他県になるわけでどんな感覚なんだろうと思いますが考えてみれば国境を挟んで向かい合うという場合もよくありますし日常になっていると特にどうということもないのでしょうか。
(ポーランド・チェコ国境)
(ベルギー・フランス国境)

 歩いているうち両側にネギ畑が見えてきます。埼玉県側は深谷市なので深谷ネギということになりますが細い道一本隔てただけで伊勢崎ネギあるいは群馬県産ネギになるというのはなんだか妙な感じです。店頭で行われる野菜の産地表示が都道府県単位というのは結構大雑把なものかもと改めて思いました。


 テキトウなところで県境から逸れ南に向かってネギ畑の中を進んで行くとやや唐突な感じの派手な建物が見えてきます。これは渋沢栄一記念館・八基公民館で、この付近は渋沢栄一の出身地です。以前は深谷駅前にあったという渋沢栄一像がでーんと立っています。


 この建物の前に深谷市のコミュニティバス「くるリン」北部定期便の停留所があるのでここを目指したわけですが、バスの時刻までだいぶあり鉄道とも縁の深い人物なので中の渋沢栄一資料室を見物しておきました。また館内におでこにふと書かれたあやしいモノが置かれているので見ると「ふっかちゃん」という深谷市のイメージキャラクターでアタマに深谷ネギが生えているというありがちな設定です。


 間がいいのか悪いのか資料室の見物後まだ時間があったので10分弱歩いたところにある旧渋沢邸「中の家(なかんち)」にも行ってみました。こっちには若い頃の像が建っています。


 そうこうするうちにバスの時間になりました。小さい車両であまりバスらしくないのですが隣の本庄市のコミュニティバスが廃止になったことを思うとありがたくなります。東京駅を模したという派手な深谷駅の北口に着いたらなんだかほっとしました。


 「くるリン」の運賃は200円で全線一日乗車券が渡される、という島村渡船の前に乗った伊勢崎市のコミュニティバスと同じ方式です。それならもう少し乗らないともったいないという気になり高崎線を跨いで南口に出ました。ここから秩父鉄道の武川駅まで南部シャトル便に乗ります。


 「くるリン」には地元の他の公共交通(国際十王バス・武蔵観光バス・秩父鉄道)と乗り継ぐと100円割引というエラい制度があるのでそれを使って武川駅で秩父鉄道に乗り継ぐことにしました。武川駅の窓口で券売機で買った秩父鉄道の乗車券を提示し「くるリン」車内でもらえる乗継割引券を渡すと現金100円が戻って来るという仕組みです。おかげでちょっとトクした気分になって熊谷に出て東京に帰りました。

利根川の島村渡船

2018-09-26 | 群馬県
 ふと利根川の島村渡船を思い出しそろそろ乗っておかなければという気分になったので群馬県伊勢崎市に行くことにしました。
 利根川の渡船は他に赤岩渡船(群馬県邑楽郡千代田町~埼玉県熊谷市)や小堀渡船(茨城県取手市)もありこの2つには既に乗ったことがあるのですが、島村渡船は以前渡場まで行ったのに欠航で乗れなかったということがありなんだか相性が悪い感じです。またその余波というのか、そのうちもう一度島村渡船に行って乗れたらその次にと考えていた富田渡船(千葉県香取市)が2013年に廃止され乗れずじまいに終わったなんてこともありました。

 そんなこんなで長らく間が空き半ば忘れていた宿題を思い出したような気分で久々に東武伊勢崎線境町駅に着くと駅名標は以前通り「群馬県伊勢崎市」というシールが貼られたものです。割に新しそうな体裁ですが佐波郡境町が合併で伊勢崎市になったのが2005年ですからそれ以前からのものですね。


 駅前に出てすぐのところにアミンハラルレストランという瓦屋根のバングラデシュ料理店があるのでまずここで骨付きマトンの煮込みを食べました。


 腹ごしらえが済んだら伊勢崎市のコミュニティバス「あおぞら」の境シャトルバスという路線に乗って島村渡船の北側の船着場に近い北向会議所へと向かいます。この路線は前回も乗ったのですがそのときは無料だったのに今年から有料になってしまいました。もっとも有料化と言ってもあおぞら全線に乗れる一日乗車券が200円とめったに乗らないヨソモノからすると文句言いづらい金額ですが。


 全線乗れる一日乗車券なのに今回はこの1回しか乗らないのでもったいないと思いつつ北向会議所停留所で降ります。島村渡船まで1kmという案内が見えたら今日はまさか欠航ということはないだろうけどと前回を思い出しちょっと不安になりました。


 利根川の土手が近づくと「境島村観光シャトルバス」の利根川水辺プラザ公園停留所が立っています。この路線は土日祝日のみ運行され無料で乗れるので計画しているときはより歩く距離が少なくて済むこれを使おうかと最初思ったのですが、なんとなく前回の雪辱なら同じ北向会議所からの方がいいかもとか観光バスよりは普通のバスっぽい(?)コミュニティバスの方が渡船との乗り継ぎっぽい(?)、有料化後の乗りくらべになるというような理由が浮かんできて結局「あおぞら」の方にしました。
 土手を越えても船着場まではまだ300mありますが、そこに行く前に土手の上にある渡船小屋に船を出すようお願いする必要があります。


 小屋を見るとポールに赤い欠航の旗が立っていないので安心しました。(右の画像は前回欠航で乗れなかった時のもの)中に詰めている渡船夫さんに声をかけると先に船着場まで歩いて行くよう指示があり、歩いて行くと途中で自転車に乗った渡船夫さんが追い越して先に船着場に着き、こちらが船着場に着く頃には出発の準備が出来ているというあんばいです。


 乗り込んで救命胴衣をつけたら出発と相成ります。


 動き出すと思ったよりスピードが出るので爽快です。南側の船着場までわずか数分ではあるのですが結構乗った気になれました。この南側から乗る場合は立っているポールに旗を揚げて北側の渡船小屋に詰めている渡船夫さんに知らせるという渡船によくある方法で依頼します。


 北に戻って行く船を見送ったら何年か越しの宿題が終わったような気がしました。


 さて着いた南側も伊勢崎市内で、土手を越えて少し歩くと「あおぞら」の新野新田停留所に行き当たります。実のところ境町駅で「あおぞら」に乗って北向会議所で降りずにずっと乗っているとここに来てしまうのですが、そういうことを考えるとせっかく渡船で渡って来た気分がなんだかシラケてしまうので見なかったことにして先に進みました。


(次回につづきます)

ハバナでご飯もの

2018-09-25 | キューバ
 キューバの主食はコメですが、その辺をウロウロしているときパッと食べられそうな店で見かける順はまずはつまみやすいサンドイッチやピザが多くご飯ものはその次くらいの印象です。このうち一番気に入ったのはご飯ものなので今回はハバナで食べたご飯ものを思い出してみます。

 まずはハバナ中央駅近所で食べたお店です。駅の向かい側を歩いていたらカフェテリアやサトウキビジュースのスタンドが集まる一角があり、奥のカフェテリアのメニューにコメのメシが見えました。

 圧力鍋から出された柔らかい鶏肉とコメ、野菜の盛り合わせのプレートが25cupでなかなかウマいと立ち食いしていると足元にネコが寄って来ます。となると少々おすそ分けせざるを得ませんでした。


 次はハバナのランドマークのひとつカピトリオの近所です。ウロウロしていてお腹が空いたらVirtudes通りとNeptuno通りの交差点に手軽そうな食堂がありました。

 ここの鶏肉とご飯、野菜のプレート30cupはなかなかかわいらしくまとまっています。一緒に頼んだマルタという飲み物はクワスの親戚みたいな味の甘い発酵麦芽系飲料です。マルタは25cupと料理の値段との比較だとずいぶん高く感じますがキューバでは缶飲料が高いのでこうなります。
 店内を見回すと仕事の合間のような人が多く、クルマのキーを脇に置いてかっこんでいる人がいたり、ギターを置いてかっこんでいるミュージシャンはこれからどこかのレストランやバーにでも行くのかな、という具合でハバナは首都だけあり忙しい街なんだろうなあと思ったりしました。


 市内バスに乗って少し郊外に出てみます。特にあてはないのでいくつかの系統のバスが集まっているのでそれなりに栄えているのではないかと想像したLa Palmaというところで降りてみました。繁華街ではないもののとりあえず店がそこそこ見え市場もあります。


 旅行中に野菜や肉を買うわけにはいきませんが酒も売っていたのでアルコール度34%700mlで57cupだったホワイトラムを土産に買いました。ちなみに通帳がないと買えない配給所ではラム700mlが20cupとありそっちのものとはランクなどに差があるのかちょっと気になるところです。

 市場を出て周りをウロつくとびっしりではないものの店がぽつぽつとありパン店やちょっとした小物や土産物の店に寄りました。

 という辺りでご飯ものに話が戻ります。なんとなくシャレた雰囲気があるカフェテリアのメニューを覗くとコメの弁当が色々あったので30cupの豚肉弁当を買いました。しばらく経ってから食べようと開けたところキューバでよく使われている薄いボール紙の弁当箱がふにゃふにゃにふやけていましたがこれもなんだか楽しいものです。

 そんなわけで大きな骨付き肉と豆ごはんコングリを食べていたら骨付き弁当つながりで排骨弁当を思い出し急に台湾に行きたいと思ったら以前も似たようなことを思ったのを思い出しました。この辺り毎度単純です。