(前回のつづきです。)
釜山→対馬→壱岐と島伝いに乗り継いで最後は九州(島)に向かいます。壱岐から九州(島)への航路は複数ありますが、今回は印通寺港から出る唐津東港行きのフェリー(九州郵船)にしました。
まず郷ノ浦の本町バス停から印通寺港に向けて壱岐交通で出発します。

壱岐交通のバスには両替機がなく運賃箱があるのみです。

両替は運転士さんによる人力(?)、さらに最前列の「マニア席」に腰掛けると側面方向幕のハンドルがついていてやっぱり人力という具合なのでちょっとうれしくなりました。

あまり見かけない漢字(之繞に神)のバス停(読み方は「しめのお」)を通り、印通寺まではほぼずっと国道382号線を走ります。

特に狭隘区間もなくあっさりと印通寺港に到着しました。

まずフェリーターミナルで切符を買い荷物を預けて付近の見物に出ます。

身軽になってまず向かったのは重家酒造です。ここでも前々回同様に焼酎を買いました。壱岐の焼酎メーカーは7社もありそう広くない島内によく成り立つものだと感心します。

続けてバス通りを少し郷ノ浦方向に戻り電力界の実業家松永安左エ門の生地にちなんで作られた「松永安左エ門記念館」に足を向けました。敷地には旧西鉄福岡市内線(路面電車)の車両が保存されています。この車両は松永が福岡市内の路面電車(福博電気軌道)開業時の中心人物だったという縁で路線廃止後壱岐に来たとのことです。西鉄時代の1948年に製造された車両ではあるものの、ここに置かれると電力が戦時統制やそれに続く地域独占体制の時代になる前の電気事業と電車を同じ事業者が行うことが普通だった時代を思い起こさせる存在になります。
そういえば壱岐には前々回で触れたように保存蒸気機関車もあるので鉄道がない島にしては鉄道に縁がありますね。

観光案内を見ると松永安左エ門記念館のほか「唐人神」という祠や海沿いに立つ「マリンパル壱岐」という地元産商品の直売所が載っていたので寄ってからフェリーターミナルに戻りました。これらは徒歩圏なので助かります。


フェリーに乗り込むと2等は桟敷と座席に加え無料貸出のござがあるのでちょっと驚きました。

一種の補助席だとするとそれが必要なくらい混雑することがあるのでしょうが幸いがらがらです。

印通寺港から1時間40分で暗くなった唐津東港に到着しました。唐津はカラの津、すなわち唐だか韓だかとにかく大陸方面と行き来する港の意味ですから、そこに(途中対馬・壱岐を経ているものの)大陸の釜山から着くというのはなんだかうれしいものです。(ちなみに韓国の忠清南道にも「唐津市」がありますがこれはまさしく(中国の)唐への港だったのでしょう。)

唐津東港前に立つバス停「唐津フェリーターミナル」で大手口行きの昭和バスに乗ります。フェリーの到着を受けるバスにしては車両が小さく乗り込んだのは私一人とやや寂しい状態で、終着の大手口は唐津バスセンター内が降車所でした。

新しいバスセンターでは「玄海エネルギーパーク」なる「いかにも」な行先表示が見えました。つまりは玄海原発に行くバスで、以前「やらせ」で名をとどろかせたことを思い出します。地図を見て玄海原発からはこのバスセンターまで15km足らずなのはもとより壱岐までも25kmしかないということに後から気づきました。事故のとき離島で迅速な避難というのもなかなか難しそうですけれども。

唐津バスセンターからは博多バスターミナル行き「からつ号」に乗り、都市高速で一般路線バスを追い抜くシーンでまた韓国に戻ったような気分になったりしつつ1時間ほどで天神に着きました。釜山→博多は高速船ビートル(またはコビー)で2時間55分と便利ですが、島伝いに2泊3日かけて乗り継ぐのもオツなものです。

天神周辺に投宿し、翌日帰京の際に乗った福岡→成田間が私のエアアジア・ジャパンお名残搭乗になりました。(エアアジア・ジャパンは10月26日に運行終了)

今回の航空券は福岡→成田は手数料等込で5280円、往路の成田→釜山の4640円、釜山→福岡空港の交通費が約17000円ですから合計すると東京~新大阪間を新幹線指定席で往復する(通常期27500円)のと同じくらいで済んだことになります。エアアジアが安いのはもちろんですが、こうしてみると新幹線というのは高い乗り物だとも改めて思いました。エアアジア・ジャパン公式サイトには「また皆さまの元に戻ってきます。」とありましたから復活を期待しつつ「韓国~九州乗り継ぎ」話を終わりにします。
(番外をおまけで付け加えました。)
(韓国~九州乗り継ぎ話一覧)
■(1)釜山→対馬(比田勝)
■(2)比田勝
■(3)韓国展望台
■(4)日本の離島最長路線バス(比田勝→厳原)
■(5)対馬(厳原)→壱岐(郷ノ浦)
■(6)郷ノ浦~勝本
■(7)フェリーみしま
■(8)壱岐(郷ノ浦)→唐津(このページ)
■(番外)福岡・釜山・対馬の麺もの
釜山→対馬→壱岐と島伝いに乗り継いで最後は九州(島)に向かいます。壱岐から九州(島)への航路は複数ありますが、今回は印通寺港から出る唐津東港行きのフェリー(九州郵船)にしました。
まず郷ノ浦の本町バス停から印通寺港に向けて壱岐交通で出発します。

壱岐交通のバスには両替機がなく運賃箱があるのみです。

両替は運転士さんによる人力(?)、さらに最前列の「マニア席」に腰掛けると側面方向幕のハンドルがついていてやっぱり人力という具合なのでちょっとうれしくなりました。

あまり見かけない漢字(之繞に神)のバス停(読み方は「しめのお」)を通り、印通寺まではほぼずっと国道382号線を走ります。

特に狭隘区間もなくあっさりと印通寺港に到着しました。

まずフェリーターミナルで切符を買い荷物を預けて付近の見物に出ます。

身軽になってまず向かったのは重家酒造です。ここでも前々回同様に焼酎を買いました。壱岐の焼酎メーカーは7社もありそう広くない島内によく成り立つものだと感心します。

続けてバス通りを少し郷ノ浦方向に戻り電力界の実業家松永安左エ門の生地にちなんで作られた「松永安左エ門記念館」に足を向けました。敷地には旧西鉄福岡市内線(路面電車)の車両が保存されています。この車両は松永が福岡市内の路面電車(福博電気軌道)開業時の中心人物だったという縁で路線廃止後壱岐に来たとのことです。西鉄時代の1948年に製造された車両ではあるものの、ここに置かれると電力が戦時統制やそれに続く地域独占体制の時代になる前の電気事業と電車を同じ事業者が行うことが普通だった時代を思い起こさせる存在になります。
そういえば壱岐には前々回で触れたように保存蒸気機関車もあるので鉄道がない島にしては鉄道に縁がありますね。

観光案内を見ると松永安左エ門記念館のほか「唐人神」という祠や海沿いに立つ「マリンパル壱岐」という地元産商品の直売所が載っていたので寄ってからフェリーターミナルに戻りました。これらは徒歩圏なので助かります。


フェリーに乗り込むと2等は桟敷と座席に加え無料貸出のござがあるのでちょっと驚きました。

一種の補助席だとするとそれが必要なくらい混雑することがあるのでしょうが幸いがらがらです。

印通寺港から1時間40分で暗くなった唐津東港に到着しました。唐津はカラの津、すなわち唐だか韓だかとにかく大陸方面と行き来する港の意味ですから、そこに(途中対馬・壱岐を経ているものの)大陸の釜山から着くというのはなんだかうれしいものです。(ちなみに韓国の忠清南道にも「唐津市」がありますがこれはまさしく(中国の)唐への港だったのでしょう。)

唐津東港前に立つバス停「唐津フェリーターミナル」で大手口行きの昭和バスに乗ります。フェリーの到着を受けるバスにしては車両が小さく乗り込んだのは私一人とやや寂しい状態で、終着の大手口は唐津バスセンター内が降車所でした。

新しいバスセンターでは「玄海エネルギーパーク」なる「いかにも」な行先表示が見えました。つまりは玄海原発に行くバスで、以前「やらせ」で名をとどろかせたことを思い出します。地図を見て玄海原発からはこのバスセンターまで15km足らずなのはもとより壱岐までも25kmしかないということに後から気づきました。事故のとき離島で迅速な避難というのもなかなか難しそうですけれども。

唐津バスセンターからは博多バスターミナル行き「からつ号」に乗り、都市高速で一般路線バスを追い抜くシーンでまた韓国に戻ったような気分になったりしつつ1時間ほどで天神に着きました。釜山→博多は高速船ビートル(またはコビー)で2時間55分と便利ですが、島伝いに2泊3日かけて乗り継ぐのもオツなものです。

天神周辺に投宿し、翌日帰京の際に乗った福岡→成田間が私のエアアジア・ジャパンお名残搭乗になりました。(エアアジア・ジャパンは10月26日に運行終了)

今回の航空券は福岡→成田は手数料等込で5280円、往路の成田→釜山の4640円、釜山→福岡空港の交通費が約17000円ですから合計すると東京~新大阪間を新幹線指定席で往復する(通常期27500円)のと同じくらいで済んだことになります。エアアジアが安いのはもちろんですが、こうしてみると新幹線というのは高い乗り物だとも改めて思いました。エアアジア・ジャパン公式サイトには「また皆さまの元に戻ってきます。」とありましたから復活を期待しつつ「韓国~九州乗り継ぎ」話を終わりにします。
(番外をおまけで付け加えました。)
(韓国~九州乗り継ぎ話一覧)
■(1)釜山→対馬(比田勝)
■(2)比田勝
■(3)韓国展望台
■(4)日本の離島最長路線バス(比田勝→厳原)
■(5)対馬(厳原)→壱岐(郷ノ浦)
■(6)郷ノ浦~勝本
■(7)フェリーみしま
■(8)壱岐(郷ノ浦)→唐津(このページ)
■(番外)福岡・釜山・対馬の麺もの