乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

シラヌスの教会とヌラーゲ

2015-10-29 | イタリア
 サルデーニャ島のマコメール(Macomer)とヌーオロ(Nuoro)を結ぶ狭軌線に乗っていたら車窓に先史時代の遺跡ヌラーゲ(Nuraghe)がいくつか見えました。山や丘だと行くのが大変そうですが画像のシラーヌス(Silanus)付近では割と平たいところに見えややラクそうです。


 なのでシラーヌス駅で降りて寄ってみることにしました。駅周辺は住宅は結構あるものの店はよろず屋があったくらいでシラーヌスの町の中心に行くにはかなり坂を上がらねばならずあまり便利なところではありません。


 町を出ると葡萄畑や牧草地が広がるのどかな農村風景になります。


 ヌラーゲを目指して歩いていると「Pozzo sacro di Cherchizzu」と書かれた名所案内らしい看板が立っていたので寄ると地下室の入口のようなものがありました。なんでもヌラーゲが作られた時代には井戸を神聖な場所として整備することが行なわれていたとかでサルデーニャ島内にはこういうものの跡が他にもたくさんあるそうです。


 マコメールとヌーオロを結ぶ主要道にぶつかるとお目当てのヌラーゲが見えます。


 このヌラーゲは小さな教会(Chiesa di Santa Sabina)と隣り合っているのが面白くどちらも中に入れます。(訪問時両者共通の入場料2.5ユーロ/開場時間は冬季9:30~13:30・15:30~19:30 夏季9:30~13:30・15:30~20:30)


 まず教会に入ると祭壇のある中央の部屋に左右の部屋に繋がったシンプルな建物ですが石の重々しさのためか不思議と迫力がありました。


 ヌラーゲの中には階段があり登ることができます。


 高さは8mあるとかで手すりなどはなく端に立つとちょっと足がすくみました。しばらくして慣れると広々としたところにポコッと立つヌラーゲのてっぺんで浴びる風はなかなか気持ちのいいものです。


 ヌラーゲと教会の裏手にはヌラーゲの時代に作られた墓の跡が2つあります。このような墓の跡もまたサルデーニャ島内にたくさんありやはりヌラーゲや井戸と同時代の建造物なのだそうです。


 という具合にナローゲージのかわいらしい気動車に乗り遺跡のあるのどかな風景を散歩するのはなんとも気分のいいひとときでした。

アルゲーロ(サルデーニャ島)

2015-10-26 | イタリア
 先日サルデーニャ島の狭軌鉄道に乗るためアルゲーロ(Alghero)に行きました。アルゲーロの郊外には空港がありイタリア本土やヨーロッパ各地と容易に行き来できる一方、標準軌の鉄道路線はなくか細い狭軌のみなのはちょっと面白く感じます。乗る合間にこのアルゲーロの旧市街を少々見物したので今回はその話です。(「乗り鉄」話はこちらをご覧下さい。)

 まず着いたアルゲーロ駅は旧市街から1.5~2km程度離れ歩くのはちょっと面倒だったので市内バスで移動することにしました。アルゲーロの市内バスの1回券(90分有効)は乗る前にあらかじめ買う場合は1ユーロ、乗ってから車内で買うと1.5ユーロと結構差があります。アルゲーロ駅の出札口で鉄道のみならずバスの乗車券も販売しているのでここで買っておきました。


 駅前の通りを渡ったところの停留所でしばらく待っていると来たのは空港とアルゲーロ駅前と旧市街を結ぶ路線で小さな車両です。(復路は大きい車両でしたが。)6、7分乗ると旧市街が見たのでこの辺かなと適当に降りると観光案内所が見えたので入ってみました。地図をもらい話を聞くとここはウニが名物だけど時期は11月くらいからとのことでこれは残念です。


 案内所のすぐ近くにずんぐりした塔(Torre di Porta Terra)があるのでまず登ってみました。そう高くはないのですが旧市街の眺めは悪くないものがあります。


 眺めた旧市街を歩くとアルゲーロはサンゴの産地とのことでサンゴのアクセサリーを売る店が多く並んでいました。


 時々見える黄色と赤の縞の旗はかつてカタルーニャの影響下にあったことを表すアルゲーロの旗で今もカタルーニャ語を話す人が少なくないそうです。だからなのかカタルーニャ語が上段に書かれたマヨルカ通りという案内板を見たのですが、下段もマヨルカの綴りはイタリア語だとMaiorcaなのにMajorcaなのでそういう綴りもあるのかあるいはサルデーニャ語の綴りなのかとちょっと気になりました。


 最初に登った塔からも見えたサン・ミケーレ教会(Chiesa di San Michele)は鮮やかな屋根がよく目立っています。


 旧市街は城壁に囲まれていて北側は船溜まりです。


 と適当に歩き回って腹が減ってきたところでボッタルガ(からすみ)が売られているのを見たら食べたくなり昼食はボッタルガのスパゲティにしました。


 旧市街を出たところに魚市場があったので入ってみたらこの日はもうおしまいでがらんとしています。


 ただ市場内の魚介類を出す食堂が開いていたので見たらなんだか食べたくなってしまいました。重いものは食べられないので生の魚介類のセット(エビ、マテ貝、カキ、ムール貝、マグロ)をつまみに頼んでワインを飲むことにします。考えてみればムール貝を生で食べるのは初めてですが大変ウマく感心しました。


 という具合に昼間から2度食い2度飲みとやや意地汚く過ごしましたがこういうステキなところに来たら誘惑に乗らないわけにはいきません。いつかウニも食べに行きたいものです。

チャンピーノ空港からライアンエアー

2015-10-25 | イタリア
 ヨーロッパを中心に路線を広げる格安航空会社・LCCのライアンエアー(Ryanair)に先日初めて乗りました。乗った便はローマを代表する空港のフィウミチーノ空港ではなくチャンピーノ(Ciampino)空港発です。LCCは着陸料が安く空いている地味で不便な空港を使用することがよくありますが、チャンピーノ空港はフィウミチーノ空港よりもローマ中心部に近くむしろ便利と感じるくらいでちょっと面白いことになっています。

 宿をとったローマ・テルミニ駅付近からこのチャンピーノ空港に行くには直行するバスがあるのですが、早朝でもなく荷物もそれほどでもなかったので一旦空港近くまで鉄道で移動してからバスに乗り換えることにしました。まずローマテルミニ駅のホームに入りチャンピーノ空港最寄りのチャンピーノ駅に向かう近郊列車(画像一番手前)に乗ろうとするとフィウミチーノ空港行きのノンストップ列車(画像最奥)も見えます。


 ローマの公共交通は地下鉄・バス・路面電車・近郊鉄道がほぼ乗り換え自由なゾーン制運賃です。チャンピーノ駅は一番中心のゾーン(訪問時100分間1.5ユーロ)なのでローマ中心部各地からごく安価に移動できます。ローマ・テルミニ駅から十数分乗ってチャンピーノ駅に着くとのんびりしたありがちなローマ近郊の駅という風情でした。


 チャンピーノ駅を出るとすぐ左手にチャンピーノ空港行きのバス停が見え特に迷うことはありませんでした。このバスはゾーン制度内にないので乗る時に運賃を払いましたが1.2ユーロと大したことはありません。(空港バスを運行するAtralの公式サイト)発車すると10分ほどでチャンピーノ空港に到着します。


 空港に着いたらライアンエアーに乗り換えです。ライアンエアーの国際線に乗るときはシェンゲン協定内の路線であっても協定圏外住民は「ビザチェック」という到着地に入国できるかの確認をまず受けておかねばならないという決まりがあるのですが、今回乗ったのは国内線なのでその必要はありませんでした。搭乗券はあらかじめ自分で紙に印刷して持って行かないとうんと高い発券手数料がかかるのでこれは用意済み、荷物を預けると別料金になるので無料で機内に持ち込める範囲のみ、というわけで空港に着いたらすぐ保安検査を受けて搭乗口に行くだけです。搭乗口では乗る飛行機の姿が見えないのに並ぶよう指示が出るのでヘンだなあと思ったらそのあとで目の前に飛行機が着陸しこれが乗る飛行機だというのでびっくりしました。


 着陸から搭乗開始まではたった20分という早業で、徒歩搭乗なのとあわせなんだかバスにでも乗るような気分です。飛行中飲み物や軽食の販売が来るのは鉄道の車内販売みたいですけれども。座席はリクライニングせずシートにポケットがないので緊急時の説明は座席の裏に直接貼られています。シートピッチは決して広くはないものの不快というほど狭くはなくそう長時間乗らなかったので特に問題は感じませんでした。


 値段が安くて助かるのはもちろんですがあっさりしたサービスも悪くなくまた使いたいと思っています。