乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

ポートワインとタコめし

2015-03-31 | ポルトガル
 せっかく久しぶりにポルトに来たんだからポートワインでも飲んでみるか、という気になり観光案内所に相談に行きました。ドウロ川南岸には見物と試飲ができるポートワインのメーカーがいくつもあります。せっかくなので色々なメーカーのものが味見できる所がないか聞いたところ最初「Solar do Vinho do Porto」という施設の名前を薦められかけました。ただすぐに「ごめんそこは休業中だった」ときて、「Instituto dos Vinhos do Douro e do Porto」という組織の事務所で試飲・販売をしているとアドバイスが続きます。場所は街の中なので旧型車の路面電車に乗る合間に散歩がてら行ってみることにしました。


 着くとなるほど各メーカーのポートワインが販売されていて試飲もできます。ただサービススペースはそう大きくなく試飲できる種類も少ないからかこのときの客は私だけでした。


 試飲と言っても有料です。若いモノは1ユーロからありますが折角ですから試飲できるもので一番古い40年物(6ユーロ)にしてみました。すっきりと甘いところに熟成した香りが載っていてのど越しもよく20度というそれなりのアルコール度の高さが感じられません。とは言えもったいないしウマいのでゆっくり味わって飲みます。それにしてもいくらアルコールがあまり気にならないような味とは言え20度あると午前中から試飲するには1回がせいぜいで、ポートワインに詳しいとかアルコールに強いわけでない私のような一見のシロウトではたくさん揃えてあるところに行っても同じだと後から気づきました。


 飲んで軽く酔い頭がボーっとしたら坂道を歩く気力がなくなります。行先を考えないままとりあえずそばから出る韓国のマウルバスっぽい感じの小さなバス(ZM:Zone Massarelosという系統)に乗車しました。


 見た目は小さいものの床が低く立ち乗りができるだけのスペースがあり意外に広く感じます。


 大して乗る間もなくCordoariaという複数の系統のバスが集まる停留所に着くのでここで改めて行先を考え207系統に乗り換えました。腰掛けるとポートワインと時差ボケのせいですぐに寝つき終点で起きると長距離列車が発着するポルトの大駅カンパニャン駅前です。この近くにあるタコで有名なレストランCasa Aleixに向かいます。


 有名店だけあり日本語メニューもあり韓国語も聞こえて来たりする一方昼時だからかサラリーマンらしき姿が結構目につきました。大半のテーブルにタコの天ぷらとタコめしのセットが並んでいて私も同じくです。天ぷらは大きさや食感からイカの天ぷらを思い出します。食事のときにはあまり甘いものが飲みたくないしせっかくポルトに来たのだしとヴィーニョヴェルデを頼むことになり食後も引き続き頭はボーっとしたままです。


(こちらに続きます。)

ポルトの橋上トランジットモール(?)

2015-03-29 | ポルトガル
 先日高知に行って元土佐電気鉄道「とさでん交通」のポルトガル電車に乗りました。元々リスボンで走っていた車両で全面広告の「PINGO DOCE」はポルトガル有数のスーパーマーケットチェーンのものです。なのでポルトガルでこの車両に乗ったことはないものの眺めているとポルトガルに行きたくなってしまいました。


 というわけで成田空港からまずイタリアに向かい、ローマで乗り換えてポルトガリア航空に乗ったら機内食は炊き込みご飯でワインはドウロワインともうポルトガル気分になりうきうきします。


 やがて車窓、じゃなかった機窓(?)にドウロ川が流れるポルトの街が見えてきました。


 めでたくポルト空港(Aeroporto Francisco Sa Carneiro)に到着し芝生の軌道が映えるLRTに乗るとラクに街に出られます。


 とりあえずは飛行機からも見えたドウロ川にかかるドン・ルイス1世橋に行きました。橋のトランジットモール化とでも言えばいいのか、二階建ての鉄橋の上層から車道をなくしLRTの軌道と歩道だけにされているため見物がしやすく私以外にも観光客がウロウロしています。そもそも大変美しい景観のところに公共交通好きの夢でもなかなかここまで都合よくは考えないんじゃないかというような光景が広がっているので何度見ても感動せざるを得ません。新しい電車があまり好きではない私でさえそうなのだから、という根拠もヘンですが公共交通好きの「ナポリを見て死ね」はここではないかと思ったりもします。


 この景色をクルマに邪魔されることなくゆったりと眺められるわけで絶景も値千金では足りません。時折電車が警笛ではなくカラカラカランという警鐘と共にやって来るのが良いアクセントになります。


 橋上からの眺めに満足したら橋そのものを見物しました。


 高台から見下ろすのも、また夜景もいいものです。


 ポルトに来たなあとしみじみうれしくなってお腹がすいたら夕食はポルト風モツ煮込み(Tripas a moda do Porto)にしました。下ごしらえのおかげかくどくなく穏やかな味付けでご飯も一緒に出てくるためなんだかホッとする料理です。

サンライズ出雲・瀬戸のモハネ

2015-03-15 | 広島県
(前回のつづきです。)
 宮島口であなごを食べたら徐々に東京に向かいます。駅に入ると見えたお酒の看板は料理酒がさりげなくお椀だったりする楽しいデザインで「KK」も渋く、バックの黄色が偶然にも電車の色と合っていて面白く感じました。


 広島から新幹線で岡山に出ます。絵では颯爽と駆ける500系の前にこだまに落ちぶれた500系が停まっているとちょっとさびしい感じです。


 駅構内の掲示を見ると山陽新幹線40周年PRはいいとして、高齢者の交通安全ポスターに犬養毅が登場し「話せばわかる」というのはわかるようなわからないようなところがあります。


 岡山で乗るのはサンライズ出雲・瀬戸です。ホームに出ると連結シーンにわらわらと人が群がっていて私も負けずに群がります。


 今回サンライズにした理由はまだ285系のモハネすなわち電動車に乗ったことがなかったからで、客車寝台列車陥落の余波でこっちに注目が集まる前にと思ったわけです。ソロ上段をとったところかなりの狭さでウナギの寝床いやアナゴのたたりかと思う一方、よくここまで詰めてあるものだとむしろ面白く感じました。しかしこれでは非常時の脱出は難しそうです。となると当然非常用の窓破壊ハンマーがあるだろうと思ったのですがなぜか見あたりませんでした。
 右に並べたのは以前乗ったサンライズツイン(こっちは「サ」ロハネ)の画像です。これもB寝台ながら体感的にはかなり広い気がしました。とするとケチらずサンライズツインの1人分と同額のモハネのシングルにしてもよかったかもしれません。


 上段にしたからかモハネでも時折ごく小さくインバータ音が聞こえるのみです。そこそこ眠れ「おはよう放送」に起こされたら広島で買っておいた駅弁「しゃもじかきめし」を開けて朝食にしました。食堂車やビュッフェはおろか車販もないのはちとわびしいものがあります。


 横浜を過ぎときどき京急を見えるようになり多摩川を渡り、と馴染みの車窓になりあわてて部屋を片付けていると東京に到着しました。明るくなってから見るとだいぶくたびれているのが目立ちます。


 というわけで急行「きたぐに」に乗ったとき以来の寝台電車になったのですが、古くても静かだった583系のモハネよりもさらに静かに思えうまく設計されているものだと感心しました。

広電のドイツ・ハノーバー電車

2015-03-14 | 広島県
 ドイツ・ハノーバーから来た電車に乗るため広島に行きました。この電車は高知のオーストリア電車ポーランド・ビトムの電車と同様にドイツの戦時設計の影響を受けた車両なので一度乗り比べておきたかったからです。(画像はここにもあります。)無事乗れたのはさておき、今は江波~横川にこんな新しい連接車が来るのか、とそっちも感心しました。


 それどころか影の薄い枝線という印象の白島線からも連接車が出て来たりするのでいよいよびっくりです。頭の中が更新されていないのがバレますが。


 でもまあ乗りたい連接車と言えばやっぱりこういう釣り掛けです。八丁堀に立っていると白島線往復中の元大阪市電もやって来て落ち着いた色とスタイルがいいなあと乗ってみたりします。


 ところで台湾で初めて莒光號を見たときこの連接車を思い出してしまったっけ、ということを思い出したので並べてみます。こうして見ると帯のカーブと二つ目玉しか似てないなそもそも電車と機関車だし色も違うし、なのですが。隣の「大阪顔」で思い出したけどピンク帯の阪堺電車を足したらもっと似るかも、という意味不明なことを考えたのでさらに並べてみます。


 元京都市電は瀬戸内海を挟んで松山でも元気なので頼もしい限りです。


 広電標準色をまとった生え抜きの車両は意外に少ないので新鮮に見えます。


 相生橋に行ったら原爆ドームは工事中で長崎バスの姿が見えたりしました。広島に長崎といえば市内をぶらついていたら「被爆国首相よ八月六日九日を人類総ザンゲの日として休日に制定せよ」という小さな札が貼ってある玄関先を何度か見かけたので、冗談ではなく本当に海の日だの山の日が祝日になっちゃうような国だから次はたぶん川の日とかじゃないかなあ、過去は水に流して、などと思ったりです。


 市内での乗り鉄にだいたい満足したら宮島口に向かいます。特に用もないものの広電・松大汽船の一日乗車乗船券を持っていたので船にも乗らないともったいない気がしてしまいとりあえず宮島まで往復しました。もう夕方になり宮島ですることといったら土産にもみじまんじゅうを買うくらいのものです。買ったら匂うのかシカによこせと(?)服を噛まれました。


 宮島口に足をのばした理由はあなごめしです。宮島から本土(?)に戻ったら駅弁のあなごめしの「うえの」に寄りました。弁当販売のみならず食堂もあって食べていけます。席についたらあなごの白焼きにひとくちお酒なぞいかがという内容の誘惑が目の前に見え、しかたなくあなごめしを「小」にして白焼きと酒も頼みました。くやしいけどお店の思う壺です。


(次回に続きます。)

とさでんの単線と外国電車

2015-03-13 | 高知県
 土佐電気鉄道改め「とさでん交通」の発足後は初めてになる高知での乗り鉄をしました。まずJRで伊野に向かうと特急停車駅ながら跨線橋・地下道がなく遮断機なしの構内踏切なのがイイ味出しています。とさでん伊野線の西端伊野電停まで歩き、折返しの電車に乗車しました。600形は大きい2枚窓がイイなあ、都電7000形もずっと原型のままだったらよかったのに、などと思ったりです。


 気持ちよい釣り掛け音を響かせ道路脇の半ば併用軌道みたいな専用軌道を進んで行きます。単線なので通票の交換があるためわくわくしていると運転席が隣り合うように停まり側面の窓を開け運転士さん同士で直接交換します。


 運転席側面に窓がない700形が来たのでどうやって交換するのかと思ったら正面の窓を開け身を乗り出しての交換でした。雨の日はちょっと大変そうです。


 単線の軌道がのびる狭い通りにバスがやっていたりで楽しくて困ります。とさでんと張り合えるくらい楽しいとこ走ってる路線って国内だと今はなき名鉄600V各線くらいしか思いつかないかも、とちょっと寂しくなってからその名鉄から来た車両が元気だったりするのを思い出しうれしくなりました。


 土佐の高知のはりまや橋で降りたら日野の電車(?)がやって来たので「いの」じゃなくて「ひの」じゃないの、「ごめん」、という話はともかくここで「外国電車」をつかまえます。とさでんには「外国車両」が3両あって夏季以外の土・日・祝日に運行され普通の電車と同様の運賃で乗れるという豪気さです。この日の午前に走っていた外国電車はポルトガルのリスボンから来た910号でした。リスボンでレトロな単車に乗ったら釣り掛けではないのでがっかりさせられたものですが、高知に来たこの車両は角ばっていて一見あまりレトロではなくとも釣り掛けなので安心です。(この車両の画像はここにもあります。リスボンを走っている路面電車の画像はこちらをご覧下さい。)


 午後は桟橋車庫に行きます。


 ノルウェーのオスロから来た電車(左)はこの日はお休みです。午後はオーストリアのグラーツから来た電車(右)が運行されました。(この電車の画像はここにもあります。)これはポーランド・ビトムの電車のようにドイツの戦時設計の影響を受けた単車でガッコンガッコンとボギー車とは違ったリズムの音と揺れが楽しめます。


 この電車がありがちな和風顔の釣り掛け200形と並びどっちにも手軽に乗れるのですから考えてみれば夢のようです。その200形のなかでもスタイルに違いがあったりしますし頻度が高く電車は次々とやって来るので息つく暇もありません。


 郊外は郊外電車にまかせていてこじんまりとまとまった路線を持ち塗色を揃えた隣県の伊予鉄道の市内電車に乗ったあとだったので、外国電車はもちろんバラエティに富んだ車両群が様々に塗られ東西に長い路線を走るとさでんとの対比が面白く感じられました。