乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

茨城南部乗り継ぎ(3)関東鉄道バス

2010-08-08 | 茨城県
(前回のつづきです。)
 関東鉄道竜ヶ崎線に乗って着いた佐貫駅から関東鉄道のバスに乗り継ぎます。

 まず乗るのはニュータウン長山行きで日中は20分おきに出ています。このあと関鉄バスを乗り継いでいくと1000円以上いきそうなのでここで1000円の回数券を買っておきました。150円券6枚と10円券20枚計1100円分の一綴りになっていて細かな金額でも使いやすい構成です。


 十数分でニュータウン長山に着きます。

 ニュータウンというだけありとりたてて見物するものもない感じの新しめの住宅地の中にぽこっとだだっ広い折返場がありました。


 ニュータウン長山では牛久駅東口行きの関鉄バスに乗り換えます。こちらは1日6往復程度とだいぶか細い路線です。佐貫からのバスとそう雰囲気は変わらずさして特徴がある路線という感じでもないのですが、女化(おなばけ)とか富士山(ふじやま)といった面白い停留所名が目を引きました。15分ほどで牛久駅東口です。

 着いたら乗り継ぎ時間がないので大急ぎで東口から常磐線を越えて西口に向かい筑波大学病院行きに乗ります。


 最後部に陣取りふと方向幕が入った箱を見るとタマゴが腰掛けている絵で座席が何人掛けか注意するシールが貼ってありました。京成電車に貼ってあるのと同じデザインのようですがバスにもこういう注意シールを貼るというのは面白く感じます。やや世知辛い気もしますが。


 バスは牛久の市街地を抜けつくば市へと走ります。つくばは高速バスや電車で直接行ったことしかなかったので牛久から比較的長く路線バスに乗っていくのは面白そうだと思って乗ったのですが、この辺り大雑把な郊外の車窓が延々と続くばかりなので飽きてしまいました。最初は終点の筑波大学病院まで乗ろうと思っていたのですが退屈だし暗くなってきたしで途中のつくばセンターで降りることにします。降りると東京駅行き高速バス乗り場は目の前、しかもちょうどバスが来たところでした。


 明るい時間ならここつくばセンターで次々にやってくる関鉄バスを見物するのはなかなか楽しいのですが、町のほうは正直そう歩き回りたい感じのするところでもないのでこの日はすぐに高速バスに乗って東京に戻ることにします。無事最前列左のマニア席を確保できました。


 東京~つくば間の高速バスは電車に主役を奪われさすがに本数も大幅に減ってしまいましたがお得な切符をいくつも揃え頑張っています。マニア席で見ていて面白かったのは乗客の半分以上が「東京トク割回数券」を使っていたことです。この回数券は上り(東京行き)のバスにしか使えないものの3枚綴りで1900円という恐ろしい値段です。片道の普通運賃が1150円なので2枚使って残り1枚は捨ててもお得になってしまいますから。
 この切符が上りのみの設定ということは上り下りで乗客数が相当アンバランスなのでしょうか。東京入りの渋滞を避けて上りは電車、帰りは買い物でもして荷物もあるし疲れたからゆったりバスでつくばに帰ろう、みたいな乗客が一定数いてその分をこの回数券で埋めようという感じなのかと想像してみたのですが。
 ちなみに私は以前2人でこの切符を使ったことがあり、今回はそのとき既に元を取った残り1枚で乗りました。つまり今回の乗り継ぎの最後をつくばにしたのはこの残った回数券を消化するためだったというわけです。そんな既に「儲け」が出ていて捨ててもいい切符で東京に戻ったらいよいよトクした気分になりました。

茨城南部乗り継ぎ(2)竜ヶ崎

2010-08-07 | 茨城県
(前回のつづきです。)
 小堀の渡船で着いた常磐線鉄橋下の渡し場から取手駅までは歩いて10分くらいと大したことない距離ですが真昼間の炎天下だとやや堪えます。途中で取手市が運営している小堀循環バスの臨時停留所を見かけました。小堀地区と取手本土は渡船だけでなくこのバスも運行されているので渡船を利用せず行き来することができるようになっています。


 取手駅に出たら大利根交通バスの北方車庫行きに乗ります。運賃が申告式先払いなのが面白いところで以前の京王バスを思い出しました。阪東自動車のあとに大利根交通となんだか講談だか浪曲じみた字面が続きますが、この辺りは経路の違う複数の事業者のテリトリーが入り組んでいるのでなかなか変化に富んだ乗りバスができます。


 田んぼと都市化した地域が混ざる車窓を見つつ20分ほどで北方車庫に到着しました。狭い道の脇にバスが並び敷地内にちょこんと停留所が置かれたなかなかかわいらしい雰囲気の車庫です。

 車庫の敷地はギリギリ利根町から龍ケ崎市に入ったところで、ここから竜ヶ崎市と示す看板は市・町境からややズレています。

 この車庫がある北方地区から関鉄の竜ヶ崎駅まで龍ケ崎市のコミュニティバスがあるので今度はそれに乗り継ぎます。ただそのコミバスの停留所は北方車庫の隣の停留所「北方」からなので停留所一つ分歩かなければなりません。ちなみに大利根交通バスは取手発北方車庫止まりのバスと同じ経路でさらに先に行く北方経由立崎行きというバスを走らせているので(本数は少なめ)これに乗ると1停留所分歩かなくて済みます。

 大利根交通とコミバス両方の停留所が立つのどかな北方停留所に着きました。

 この辺りもなかなか狭い道でいい雰囲気です。


 北方で龍ケ崎市のコミュニティバスに乗ります。

 この路線はなかなか細い道を通っていく点は面白いのですが車両が小さいのであまり狭隘区間という感じがしないのはちょっと残念です。

 途中経由する総合福祉センターからおばあさんがまとまって乗ってくると耳に心地よい方言のおしゃべりが聞こえるようになりたいして東京から遠くないのに遠くに来た気がしてきます。にぎやかな雰囲気で竜ヶ崎駅に着きました。


 関鉄竜ヶ崎線は気動車ながら電車みたいな新しい車両が入っていますがローカル私鉄枝線の終点らしいのんびりした雰囲気はなかなかいいものです。


 せっかくなのでここから佐貫までちょっとだけ乗り鉄します。


 間に入地を挟んで全線で3駅しかありませんからものの数分で佐貫に到着です。

 ちょっとの時間とは言え渡船・バス・鉄道と細かく色々な乗り物が混ざると乗り継ぎは俄然面白くなります。


(こちらに続きます。)

茨城南部乗り継ぎ(1)飛び地の渡船

2010-08-06 | 茨城県
 東京から常磐線に乗って利根川を渡ったところにある取手は、千葉と茨城の境、複々線と複線、直流と交流というように色々な点でボーダーなのでなかなか存在感があります。

 この取手を通るたびに気になっていたのが小堀地区に向かう渡船(小堀渡船・小堀の渡し)の存在です。茨城県取手市の小堀地区はもともとは取手市(あるいは茨城県)「本土」とくっついていて千葉県とは利根川(旧流路は現在の古利根沼)を挟んで離れていたのですが、利根川の流路変更に伴いできた新たな利根川流路によって「本土」と切り離され千葉県側になってしまいました。この小堀地区には利根川を渡る橋がないため茨城県取手市の「本土」に行くには一旦千葉県を通ってからでないと行くことができません。つまり飛び地になったというわけです。そんな経緯から小堀地区と本土を結ぶ渡船が運行されています。
 飛び地といい渡船といい興味を引くものの東京住まいだと近いのでいつか行けばいいとつい伸び伸びにしていたのですが、このたびようやく重い腰があがり、その渡船、またせっかく行くんだからと付近のバス・鉄道を乗り継ぐことにしました。

 スタートは千葉県側の常磐線天王台駅北口です。ここでまず川村学園経由大和団地行きの阪東自動車バスに乗ります。ところでこの辺り以前ニュー東豊という変わった名前の会社の路線バスも出ていたような気が、と思ったら今は撤退しているのだそうでびっくりしました。やっぱり何でも乗ろうと思ったらすぐ行動しなければいけませんね。何度も懲りてるはずですがなかなか反省しきれません。


 途中の川村学園止まりは結構多く出ているのですが大和団地行きは毎時1本あればいい程度です。乗ってみると川村学園を過ぎると田んぼが広がるのどかな景色になり本数が少ないのも納得でした。10分ちょっとで大和団地停留所の折返所に着きます、ここが千葉県側の古利根沼に一番近いバス停のはずです。


 古利根沼に向かいます。手を抜いて地図を用意しないまま出かけてしまったので大和団地で降りる前に運転士さんに教えてもらい大体の見当で目指しつつ歩き出しました。ほどなくすぐに目に入ったのが自然観察の森の入口です。

 森というか雑木林がそのまま残されているなかなかセンスのいい公園でここから沼を見下ろすことができます。


 ただ目指す小堀地区は沼の対岸にあり、沼を渡る橋はないので元は川の細長い沼を西からぐるりと回りこまなければなりません。


 すんなり沼沿いにのびる道というのはなかったので田んぼや畑の中を歩いていきます。暑い夏の日差しにうんざりしつつもどうやら沼の西端、つまり利根川だった頃の上流に来ました。この水上付近を千葉と茨城の県境が通っているはずです。

 陸上だとこの土手の辺りを県境が通っているはず、ということはいよいよ飛び地地域の小堀地区に突入するわけです。なお小堀の読みは「おおほり」です。大堀みたいでまぎらわしいのですけれども。「おおぼり」と言っていた通りがかりの人もいました。

 さて飛び地の小堀地区に入って最初に目に付いたのが成田航空専門学校です。入口にプロペラとタイヤが展示されてるのはさすがですね。


 時間もない上暑いので集落の中はちょっと見ただけですがとりあえずごく地味な集落で静かでした。水神社、常円寺、小堀集会所が集まっている辺りが集落の中心のようです。


 (現)利根川の土手近くにニュー東豊の車庫がありました。


 土手を越えると渡し場です。渡船の運賃は100円ですが小堀地区在住の方はタダで乗れるというので飛び地の渡船らしい気がしました。


 ほどなく私と自転車を持ち込んでいるお客さんの計2名で動き出します。定員12人の小さな渡船ながら自転車と原付を持ち込めるそうでこういうところは渡船のいい点ですね。
 なお渡船の渡し場は3箇所あり、経路は以下の順で三角形を描くように運行されています。
右岸:小堀地区の『小堀』渡し場

左岸:『小堀』の対岸付近にある『サッカー場』渡し場

左岸:常磐線鉄橋下にある『ふれあい桟橋』渡し場

『小堀』に戻る
(取手市公式サイト内に時刻表等情報あり)

 途中経由地の『サッカー場』では時間調整がありました。


 改めて見ると小さな船室がかわいらしい感じです。


 炎天下ではあるもののなかなか爽快な川風を浴びながら茨城県取手市の「本土」、『ふれあい桟橋』に着きました。と言っても要は東京(私の家)から千葉を通って取手に着いただけなのですがなんだか結構な大旅行をしたような気分になります。


(次回に続きます。)