乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

四日市あすなろう鉄道ととんてき

2016-08-27 | 愛知県・三重県
 北勢線が三岐鉄道に、養老線が養老鉄道に、伊賀線が伊賀鉄道にと近鉄は分離がすすむなあと思っていたら昨年内部・八王子線が四日市あすなろう鉄道になり三重県内の近鉄から非標準軌の路線がなくなってしまいました。と言っても廃線ではありませんしニブロクの北勢線と内部・八王子線は釣り掛けが健在なので時々乗りたくなるという点は変わらず助かります。
 その「時々」が来たので近鉄四日市駅から内部線のあすなろう四日市駅に向かいました。近鉄時代にはあすなろう四日市駅は近鉄四日市という名前で近鉄名古屋線と同名でしたが当時から名古屋線とは改札が別でやや離れた高架下にあったので別名になってもあまり違和感がありません。
 ところでこの駅を見るとイタリアのローマ・テルミニ駅の脇から出ているナローゲージ(右の画像)を思い出します。標準軌の大きな駅の脇からナローゲージの電車がちょろちょろと出て行く様子が何となく似てる気がするからです。


 またどちらにも正面が1枚窓で一人掛けの固定クロスシートがならぶ釣り掛け車両が走っています。


 とりあえず内部行きに乗ると途中で冷房改造車と交換しました。かなり大掛かりな改造ながら塗色があまり奇をてらったものではなく渋いツートンカラーなのでホッとする雰囲気です。そういえばローマのナローゲージは旧色が青系のツートンカラーに黄帯が入る塗色だったのでこれもちょっと通じるところがあるような気がして面白くなりました。


 終点の内部は狭い路地や病院に囲まれた駅と車庫の様子が秘密基地っぽさあるいは箱庭のようなものを感じさせます。


 中間車が1両だけぽつんと置いてあると狭さがより強く感じられる気がしました。バス窓を眺めたりしているうちに折り返しの発車時刻になります。


 こんどは分岐するホームの雰囲気が楽しい日永まで戻って八王子線に乗り換えました。八王子線は中間駅がないのですぐ終点の西日野に着きます。


 デコボコな編成を見ていると折り返し時間の間飽きずに済みました。細い扉も味がありますね。


 ひと通り乗ったら暗くなってきたので夕食にすることにしました。四日市では「とんてき」なる料理が名物のようなので食べてみようと赤堀駅で降り『隆座』という店に寄ったところ行列ができていて店頭にとんてきは売り切れという貼り紙が出ていました。


 仕方ないのでロードサイト店が並ぶいかにもクルマ向けの道という感じの松本街道を1.5kmほど歩き『まつもとの来来憲』という別のとんてきを出す店に向かいました。ここもまた繁盛していて席に案内されるまで45分、注文してから出てくるまで30分という具合です。ともあれ出て来た『大とんてき定食』は大きな豚肉をソース味で焼いたモノでごく親しみやすいものでした。おかわり自由のご飯・漬物・キャベツ・トン汁を追加しながら食べるとお腹いっぱいです。


 まつもとの来来憲は近鉄湯の山線の伊勢松本駅に近いので近鉄四日市駅に戻るのはラクでした。暗くなってからわずかな区間に乗っただけですが湯の山線は少なくとも10年以上ぶりなのでひょんなことからの再開というのはちょっとうれしくなります。


 ともあれそれほど大きく変わった感じもなくまた時々乗りたくなりそうだと思えなんだかホッとした四日市あすなろう鉄道「初乗り」でした。

北勢線夏休みスタンプラリー

2016-08-25 | 愛知県・三重県
 北勢線に乗りたくなり桑名に行きました。近鉄を降りてホームののりかえ案内を見上げるとなんだかピンと来ません。北勢線は三岐鉄道、養老線は養老鉄道になってだいぶ経つのにまだどちらも近鉄のような気がするからですが、ともあれ改札を出て「三岐鉄道の」北勢線が出る西桑名駅へと向かいます。


 あまり具体的な予定を決めていなかったもののたぶんモトはとれるだろうと一日乗車券を買ったところ「北勢線夏休みスタンプラリー」の台紙がついてきました。スタンプを集めるともれなく景品ももらえるとありこれは集めねばという気分にさせられます。スタンプラリーを行っているとは全然知らなかったのですがこれでスタンプが置いてある駅という目的地ができてなんだか乗りやすくなり景品を考えなくてもトクした気分です。豊橋でも同じようなことがありましたがということはちゃんと下調べをせずに出かけているというわけでものぐさはいけませんね。
 ともあれ西桑名駅のスタンプを押して北勢線に乗ると冷房がついているので驚きました。暑いなか窓を開けて釣り掛け音を聞くというのが近鉄のニブロク詣というイメージでしたから。まず降りたのはスタンプが置かれている交換駅の東員でそういえばこんな駅あったっけとまたも驚いてしまいます。東員は2005年に六把野と北大社を統合してできた駅で見るのも降りるのも初めてです。


 スタンプを押して次の列車に乗ると今度は先頭だけ冷房がない編成だったので暑さはさておき窓を開けて釣り掛け音が楽しめます。車庫が見えたらここにあった北大社駅を思い出しました。「きたたいしゃ」だと思っていたら「きたおおやしろ」という読みだったので印象に残ったのですが、読みと言えば「ろっぱの」もなんとなく面白い響きですから無くなったのはちょっと残念な気もします。楚原でもう一度交換するのを見ていたらだいぶ三岐鉄道色の北勢線に慣れたせいでもあるのか小さい車体にもなかなか似合う色かもと感心しました。


 阿下喜に着くと隣接する軽便鉄道博物館で保存されているモニ226が迎えてくれます。ここで3つ目のスタンプを押したら景品との引換条件が満たされるのでひと安心です。新しい駅舎を出ると駅前も新しくなりコミュニティバス(いなべ市福祉バス)が停まり、と様変わりしていて以前はどんな雰囲気だったか思い出せません。


 三重交通ののりばが見えるといつだったかずいぶん前にここでバスに乗り三重から岐阜へと県境を越えて大垣までバスを乗り継いだのを思い出しましたがその路線も廃止されてしまいました。北勢線に乗りに来ると寄って買い物をしたホクセイショッピングセンターは閉店していて目立つボーリングのピンがなんだか寂しく見えます。


 駅から少々離れた阿下喜の町中はあまり拡張されていない道路をバスが通るのでなかなか悪くない雰囲気です。風景としては三重交通の大きいバスの方が似合う感じですが今回は小さいコミュニティバスの坂本線に乗りました。この路線は三岐線の東藤原・西野尻・西藤原の各駅を経由するもので北勢線と一日乗車券が共通の三岐線にも足をのばそうというわけです。そういえばかつては両線をハシゴしようと阿下喜から伊勢治田まで歩いたこともありますが今はその両駅を結ぶ治田線もありだいぶラクができるようになっています。しかも各線とも運賃は無料ですから全くありがたい限りです。

 坂本線に乗った停留所は阿下喜本町で、阿下喜駅を経て員弁川を渡り東藤原駅最寄の停留所、東禅寺で降りました。バス停と駅名が違いヨソモノにはちょっとわかりにくいのですが場所は駅のすぐ前です。この駅からは太平洋セメントへの専用線がのび貨物列車の入換が行なわれているのでちょっと見物してから西藤原行きに乗りました。元西武の401系でそれなりに馴染みはある顔のはずなのにおでこのライトがデカくなっていることで結構印象が変わって見えるのが面白いところです。


 三岐線の末端西藤原駅は駅舎からして蒸気機関車のカタチですが実物の蒸気機関車に電気機関車ディーゼル機関車と保存されていてミニ鉄道(は休止中でしたが)もありちょっとした鉄道名所という感じでよい時間を過ごせます。


 折り返しの近鉄富田行きに乗り東藤原を通り過ぎて「貨物鉄道博物館」がある丹生川に寄ってみました。

 開館日は基本的に毎月第1日曜日と少ないのですがその日でなくとも屋外の展示車両は見られます。私は実のところ「乗れない」貨物列車にはさほど興味がないのですがそれでも重たい変圧器を運ぶデカい「シキ160」などかなりの迫力で楽しめました。保存車両の脇を現役の貨物列車が通る様子が見られるのは貨物輸送が盛んな三岐鉄道沿線の良さです。


 という具合にひと通り乗り回ったら近鉄富田駅に出て台紙を提示し景品を頂戴します。景品は10円玉くらいの大きさの北勢線の絵入りメダルでよい記念になりました。

渥美線・市内線沿線食べ歩きスタンプラリー

2016-08-24 | 愛知県・三重県
 久々に豊橋鉄道東田本線、というとなんだか重々しい感じですがつまりは豊橋の路面電車に乗ろうと一日乗車券を買ったら「渥美線・市内線沿線食べ歩きスタンプラリー」(2016年7月23日~11月27日開催)なるイベントの「市内線コース」の台紙をもらいました。どういうものかと見ると新豊橋駅と競輪場前電停の定期券売り場それぞれのスタンプに加え協賛している路面電車沿線の飲食店や食品・菓子店のスタンプを1つ以上合計3つ集めればいいという簡単なルールです。なんとなく電車に乗ろうくらいにしか考えていなかったのでこれで目的ができたと協賛店のリストを見てまず井原に向かいました。
 井原から運動公園方面へ曲がる有名な急カーブはこれまで何度も見ていても来ればやっぱりとりあえず見てしまいます。名鉄から来たモ780は岐阜で使われていた頃の条件からステップが目立ち郊外電車っぽいので併用軌道ばかりの豊橋で見るとなんだか妙な感じですがもう岐阜時代より豊橋に来てからの方が長くなっているのでちょっとびっくりです。


 井原に行った理由はスタンプラリーに協賛している金光堂という和菓子店があるからでここで電車の絵が描かれた袋に入った「市電通り」というお菓子を1つ買いスタンプを押してもらいました。


 続いて隣の競輪場前電停でスタンプを押します。ここで乗った都電7000形改め豊橋鉄道3500形は都電でもお馴染みの顔ですが、都電はホームが高床式なのでもともとステップがなく引き戸だったものを豊橋で使うためステップつきの折戸に改造されている点にちょっと面白さを感じます。


 下・左の画像がステップが無い都電での状態です。ところで「昔の」都電は豊橋同様にステップつきだったのが専用軌道がほとんどの荒川線だけになったのち全停留所のホームが高床に嵩上げされ以前からの車両(7500形/下・右)はステップをなくす改造をされました。つまり豊橋に行った車両とは逆の改造が行われていたというわけでステップをなくしたりステップをつけたりなんだかまどろっこしい感じですね。


 豊橋に話を戻すと中扉にステップをつけると台車に干渉するので窓割を変えて扉の位置をズラしています。こうした変わった点はあるにしても大雑把にみれば同じ姿を豊橋で見るとなんだか都電よりも似合っている感じがしました。やはり高床ではなく低いホームや路上での乗降や併用軌道を走る姿の方が似合うサイズだからかもと思ったのでしょうがさてどうでしょうか。


 話があちこち飛びますがスタンプラリーは豊橋駅前に戻って新豊橋駅で最後にスタンプを押したら「達成記念証明書」をもらえおしまいということになります。一店舗だけしか行っていないのに「食べ歩き」を達成したというのもなんだかズルのようで申し訳ないのですが。
 さてごく簡単にスタンプラリーを済ませて感じたのは今さらながらではありますが古株の車両が減ったことです。3100形が走っていた頃は3200形とどっちかが来ればまずはうれしかったのですが3200形だけになった今はなかなか当たらず来た時のうれしさがその頃より増しました。ピカピカに整備されて走っているのは頼もしい限りです。