乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

松山の市内電車

2015-03-07 | 愛媛県
 唐突ですが松山の市内電車は日本一「キレイ」な路面電車ではないかと思ったりします。


 釣り掛け車両群は全面広告をせず暖かな塗色で揃えられ、結構バラエティに富んでいる一方戦後製だけだからかなんとなく揃っている感じもあり他都市の路面電車によくあるハコの載せ替えも行われていないのでキレイと感じるわけです。全部同じ車両で統一、というのとはまた違った穏やかな整い方とでも言えばいいのかと思ったりします。


 そういえば方向幕の指令機にまだ「国」すなわちJR松山駅前が国鉄松山駅前だった頃の名残が見られたり縦書きの駅名票が残っていたりとマイペースというか渋い雰囲気が表れていますが、ひょっとすると車両もなんとなくマイペースに揃ってしまったようなところがあるのでしょうか。


 一方新車の四角い2100形は車体にあれこれ書かれ整った釣り掛け車両群とはずいぶん違った印象です。運転席と運賃箱が離れているため停留所ごとに運転士さんが立ちあがって後方に出て来て運賃収受しなければならない配置とか客室が狭かったりと低床で乗りやすいのは確かなもののどこか過渡期という感じがします。


 これらの中で一番好みの車両というと最古参の51号です。ずんぐりしていてスマートとは言いかねるのですが、車体が重いからか構造のせいなのか釣り掛け音や振動がやや重めに心地よく響いて来る気がします。


 幸い車窓が変化に富んだ環状線に入っていたのでかぶりつくと併用軌道から専用軌道に入り郊外電車と同居する古町駅や単線の行き違いと楽しいシーンが続き幸せなひとときが過ごせました。


 寄るのがお約束とでも言うべき大手町駅の郊外電車との平面交差もやっぱりしばし見物してしまいます。殺風景な東京の大手町と交換したいものです。


 郊外電車は「市内電車・バス1Dayチケット」が使えず釣り掛けも走っていないのでちょっとだけ乗るにとどめました。元京王線の車両に加え井の頭線3000系も同じ線路を走るようになっているのでかつて明大前で乗り換えたのを思い出しちょっと不思議な気分になります。


 という具合に久々に松山で乗り歩いたら「釣り掛け欲」がだいぶ収まりました。キレイに整備された車両や路線長が10㎞弱とは思えないほど変化に富んだ路線網の楽しさに改めて感心です。

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