【ヒマラヤ通信その11】
世田谷区のような、少し、街について。
パタンは、王宮を中心とした旧市街とまわりに広がる新市街とでできている。
まず、旧市街を国木田独歩の武蔵野風に歩いてみよう。
旧王宮のあるダルバール広場から出発。どの道が良いかと、選んではいけない。
どの道も不思議な空間に誘う。地図も要らない。
と言うより、地図は役にたたない。
今歩いている道は、すぐに地図に載っていないことに気がつく。
道と道の交わるところに、小さなお寺があり、近所の人の熱心な信仰に支えられている。
角を曲がると、道は、細くなり、曲がりくねって、先が見えない。
旧市街は、石づくりの3~4階建ての建物が連なり、建物と建物に挟まれた狭い空間が道となっている。
4mもあれば広いほうで、2~3mの道も多い。徒歩が主な交通手段だったころそのままの道を今は、人も車も使っている。
もちろん、一方通行ではないので、あちこちで、鉢合わせをしている。
建物の入口は、小さい。気になる建物があったら入ってみよう。
暗いトンネルを抜けると、明るく広い中庭にでる。ここは、中庭を囲む4~6軒の家で管理し、共同の庭として使っている。
最近、共同で管理していた家の代が変わって、商店になったり、空き家となって、管理ができなくなるという問題が顕在化して、伝統的なネワールの街並みや生活が壊されてきている。
さらに道を進むと、別れ道にでる。このようなところには、畳三畳ほどの屋根のあるテラスがあり、誰でもがここで、休める。
最近は、ここに住み着く人もいて、格子で囲んで使えないようにしているところも多い。ここにもよき伝統が失われつつある。
さらに進むと、先にゲートが現れる。
旧市街と新市街との境界だ。始めに書いた世田谷区のようなは、新市街で顕著だ。
と言っても高級住宅地と言う意味ではない。
急激な宅地化が畑をつぶして、昔の農道がそのまま使われており、宅地は広くても、道路インフラは、最悪の状態にある。
旧市街、新市街の道を車が我が物顔ではしるので、道のあちこちにハンプが作られている。
これでスピードは抑えられるが、道の狭さは、どうしょうもない。
また、旧市街に戻ってくる。いくつもの別れ道があり、いろいろな店が軒を連ねる。気がむいたら、冷やかしに入るのもよい。
珍しいものが見つかるかもしれない。
店から出て、また、歩く。この道は、前に通ったような錯覚に襲われる。ここは、まるでラビリンス。
足が痛くなるころ、突然、王宮広場に戻る。
長くなったので、クイズは今回はお休み。