「本当は日本人が大好きな中国人」朝日新書
先月約5年ぶりに「本当は日本人が大好きな中国人」の著者に上海で会い一緒に夕飯を食った。こんな時、二人で飯を食うには大皿料理の中国料理は適さないので、当然日本料理屋のカウンター席へ。その時に彼女の最新刊「本当は日本人が大好きな中国人」をいただいた。彼女の本は過去何冊か読んだが、ほとんどが政治社会ネタが多かった。今回は中国の文化ネタが中心だった事もあり、私の身の回りでも同じ話題で同じような経験をしているので結構楽しみながら読むことが出来た。時々日本へ帰国し日本の書店に行くと中国関係の本で平積みになっている単行本は、政治や社会ネタの本がほとんどで、この手の文化ネタの本なんてほとんど見かけない。
数多くの日本の企業が中国で頑張っているのだが、私が知る限り日本人駐在員達は中国の文化や若者達のサブカルについて知ろうとしている人や深く知っている人は意外と少ない。あっ、間違った。夜のカラオケネーチャン世界も文化だったな。彼らはそこで仕入れた裏の取れてない極薄ネタ(0.03mm)を数十倍に膨らませて広めるので、そうとう歪んだ話が日本の週刊誌ネタになって記事として書かれている事がよくある。そして、それを読んだ日本人は真に受けてあたかも中国全土がそうなんだと思い込んでしまうので、庶民の本当の正しい社会文化情報は日本にあまり届いてない事になる。
私が知る限り、中国人は相手の人間の個を見る目は日本人以上にシビアだ。相手が信用出来るかどうかは当たり前の事だが、ただ中国で金儲けをしに来ている外国人と深く中国の文化を理解しようとしている外国人とは絶対につき合い方が違うからだ。例えば日本に住んでいる外国人で日本人より日本の文化を語れる人は結構多いし、私もそういう外国人をたくさん見てきた。そういう人達は日本人から尊敬もされ、ビジネスのチャンスだって自分が努力しなくても相手から転がってくる場合が結構多い。
最近は円安や渡航ビザ緩和策もあるのだろうが、中国人旅行客が日本での爆買ニュースが両国で毎日のように報道されていている。私の友人の日本人が日本で中国人の金持ちの買い物アテンドをしたのだが、その金持ち中国人は2件のドラックストアーで100万円分の薬や化粧品を、さらに高級ブランド品も同じように爆買したそうだ。そんな中国人もいれば、京都や奈良の寺巡りがメインで日本の古い文化に驚き楽しんだ人も結構いる。今後、この日本ブームは多分しばらく続くだろうが、今後も多種多様な外国人が日本に来る事を思えば、外国人慣れしてない日本人(特に地方)はもっと頭を使って接し方や商売のやり方を考えた方がよい時期に来ている。では、どんな事をすれば良いの?なんて言っている人は、団体ではなく海外へ個人旅行をしてみればよく分かるはず。
日本では相変わらずガラケーから脱却出来ない人も多いようだが、日本にくる外国人はほぼ100%スマホを使っているのと情報はスマホがメインと思って良い。つまり、ネットを活用する事なのだが、今日本で商売をしている経営者(特に地方)にはちょっとハードルが高いようだ。個人で出来なければ市町村レベルでまとまってやる方法もあるのだが、ここで役人が絡むと面倒な事になるので必ず民間でやるべき。
☆ズマリット50mm f1.5 X-T1