海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

夕食後に建築家のオフィスに招待されて 江陰市

2015-06-09 | 写真日記

ピラミッド形のオフィスは、地下2階地上3階構成

 ショッピングモールの駐車場の中に使われなくなったガラス張りのピラミッドがあり、約10年前にここを建築事務所として改装。その建築家は30歳代で、話をしてみると自分の哲学を持っているセンスの良い若者だった。夏の暑い時期は、トップから水が流れ落ちるようになっているので意外と快適だそうだ。

 

内部は安徽の古い様式

入り口を入ると奥に誰でもがお茶を飲みながら話し合える場があり、とても気持ちの良い空間が広がっていた。この内部は安徽の古い様式で構成されていて、地下の一階と二階は仕事スペースで地上2階と3階はプライベートスペース。

 

空間構成はさすが

 

 ピラミッドのトップ部分

東京にある日本人のデザイナーなどのオフィスに行くと日本の文化を感じないと言ったのは、欧米から日本に来た作家やフォトグラファー達。日本に住んでいる日本人から見れば、それらのオフィスは一見スマートに見えるかも知れないが、彼らから見ると所詮猿マネにしか見えないのだ。彼らはそんな事をそのオフィス内では決して言わないが、親しくなった作家達と日本の文化について酒を飲みながら話しているとそれがよく話題になる事があった。それは、京都に住む外国人作家が特に強調して言っていた。では、中国ではどうかというと、西洋の影響を一番受けた上海でさえ中国の文化を必ず室内に取り入れているクリエイターのオフィスがほとんど。この内装なんてその代表格だと思ってよい。

 

お茶を飲みながら

この日、是非と言われてこのオフィスに招待されたのだが勉強会の真っ最中。様々な中国茶を飲みながら様々な職種の人達の話を通訳してもらうと話の内容は相当濃い事がわかる。また、この3日間の間に、お金の話が一切出て来なかった事もちょっと驚き。この江陰市に来てからは大袈裟かもしれないがちょっと驚きの連続だった事を今も思い出す。今回紹介してくれた友人の茶藝師は、来月にも上海からこの江陰市に拠点を移すそうだ。

私がこの2泊3日の間に呑んだ酒はビール小瓶2本のみ。これは自分にとってはギネスものの少なさ。みんな酒呑まないんだよねぇ、ここの人達。

 

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江陰市博物館へ

2015-06-08 | 写真日記

この地から出土

 

二日目の午前中にオーナーの親戚にあたる人に案内してもらって向かったのは江陰市の博物館。この隣は立派な図書館もありすべてが無料で開放されている。その土地を理解するには博物館が一番手っ取り早い。最近はネットを使えば何でも情報が手に入ると思い込んでいる人が多いが、本当に欲しい情報は意外とネット上には無いものだ。特に中国は変化が激早なので2年も過ぎた過去記事は使い物にならない情報だと思ってよい。

この江陰市は遺跡も多く発掘されていて紀元前から良渚文化が栄えた場所なので、墓や青銅器も含め数多くの出土品が並んでいた。そして、呉の国の発祥地でもあり地理的に見ても長江が街のすぐ横を流れている事と温暖な気候を思えばかなり納得できる。

博物館の説明文を見てみると、昔の科拳制度の試験はこの江陰市のみで行われていたので、全国の受験者達が集まった場所でもある。それと、孫中山(孫文)がこの地を訪れた時に人民の民度の高さに驚き、この地を中国全土のお手本にすると宣言したそうだ。

これらの事を聞くと、昔から相当民度が高い都市だったので、今のこの街の人民もそのDNAを引き継いていると思って良いのかもしれない。次回来る時は、中国一豊かな農村になった華西村はすぐ隣なので行ってみようと思っている。

 ☆館内撮禁の為、画像はトップのみ

今日から一泊二日で地方の工場へ

 

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二日目のイベントで

2015-06-07 | 写真日記

招待してくれたデザイナー夫婦 

 

こんな時も当然だが、結婚式も含め祝い事の時の女の衣装はだいたい赤色と決まっているのが中国。以前、中国のアマチュアカメラマンを集めた撮影会の写真を見た事がある。それは、荒涼とした山の崖っぷちに赤いヒラヒラの衣装を付けたモデルが立っていて、それを取り囲むように超高級レンズが並び、まるでオリンピックのカメラ席のような雰囲気だったのを思い出す。

こちらでは、値段が高くて大きなカメラやレンズ(最新機種に限る)=メンツなのだが、ライカは別格。

 

 

この江陰市は大昔は呉の国だった。その呉から伝わった絹織物の技術文化が呉服(反物)である。呉服=和服(着物)ではないので、呉服屋は着物の反物屋だと思ってよい。

 
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陽が落ちた後の忠義街 江陰市

2015-06-05 | 遠い記憶 現代のレンズ

やっぱり青白い蛍光灯より電球色の方が心が和む

 

とにかく静か過ぎる

 

きれいな壊れ方

 

この家も蛍光灯がメイン

この忠義街の街路灯や各家庭の照明は蛍光灯を使っているようだが、せめて電球色のLEDに交換してくれるともっと雰囲気が出るのだが…。他人の意見を冷静に聞く地元の行動力のある文化人や市政府の人と知り合ったので、今度提案してみよう。雰囲気の良い街づくりをして人を集めたいならね。余裕がある都市なので、各家庭に電球色タイプのLEDを無料で支給するくらい出来るはず。

X-Prp-1 X-T1  フジの高感度性能が良いので光量の少ない場所でも気にせず写真を撮る事が出来る。

 

 

 

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展示会場のカフェは江陰市の忠義街

2015-06-04 | 写真日記

100年以上前に建てられた家並みが続く忠義街

 

自分が子供だった頃を思い出すような風景

ここの街の人達は、まだ外国人慣れしてないようだ

 

 屋根の上にはサボテンが

 

ここも新しく改装済み

 

会場となるカフェ

翌日の会場となるカフェに行きロケハン。今世紀に入ってから古い街並や倉庫街を改装しギャラリーやカフェなどに改装する都市が激増。前世紀後半の中国は、古いものは何でも破壊し近代建築の方が良いに決まっていると思い込んでいた時代だったので、本来なら残さなくてはならない物まで消し去った。それらを有効利用し人が集まるようにしたのは作家などの文化人が中心で、役人ではない。

 

ブリキ製のローライだが、レンズ部が上下逆なのが中国らしい

 

 

 

川沿いのデッキで中国茶を

このカフェが良いのは川沿いある事。店内にも部屋がいくつかに分かれているので、とてもリラックス出来る。お茶がメインなのでビールなどの酒を飲む人はほとんどいないのがちょっと寂しいが、この街だけでなく今の中国の若い人達は酒もやらないしタバコも吸わない人が多いので、あとの十数年後の中国は劇的に生活習慣が変わると私は思っている。(何も起こらなければね)

X-T1とX-Pro-1

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