ウルトラ5つの誓い

2013年10月02日 | オタク・サブカル
 「『ウルトラ5つの誓い』って、どんなんやったっけ?」。

 先日、居酒屋で一杯やっているとき、そんなことを言いだしたのは友人サカイ君であった。

 サカイ君は私と同じく特撮ファンである。そこで彼と話すと、往年のヒーロー番組や怪獣のことが議題に上がることが多い。

 そこで出たのは

 「ウルトラシリーズの各話サブタイトルは意外とカッコイイ」

 ということであって、

 『無限へのパスポート』
 『禁じられた言葉』
 『小さな英雄』

 などは文学な短編小説のタイトルのようであり、硬派なSFドラマであったセブンも

 『姿なき挑戦者』
 『闇に光る目』
 『栄光は誰れのために』

 などなど、シブイものが多い。

 こういったサブタイトルなつかし話は、最後に『ウルトラマン80』のサブタイトルである

 『ボクは怪獣だ~い』
 『さすが! 観音さまは強かった!』
 『山からすもう小僧がやって来た』
 『グローブ 落し物にご用心!!』

 といったズッコケものまで行き着いて「やる気があるのか!」とつっこんでオチがつくというのがお約束である。そういったシブイ題シリーズに、帰ってきたウルトラマンの『ウルトラ5つの誓い』というのがある。

 これは帰マンの最終回であり、ウルトラマンの『さらばウルトラマン』セブンの『史上最大の侵略』と並んで、なかなかの名タイトルである。「誓い」という響きが、いかにもヒーローものらしい硬派な響きだ。

 そこに、冒頭のサカイ君の問いだ。そういわれてみれば、「ウルトラ5つの誓い」って、はてどんなんやったっけ?

 なにか5つ、誓ったのである。子供のころ見た『帰ってきたウルトラマン』を思い出してみると、たしか故郷のM78星雲に帰る郷秀樹(ウルトラマン)が、仲良しの次郎君に別れを告げる際、「これからは、ひとりで強く生きていくんだ」と、5つの誓いを教えたのだ。

 空へと消えていくウルトラマンを見上げながら、次郎君は涙をこらえ、何度もその誓いをくり返し暗唱するという感動的なラストであった。

 あれって、どんなんやったかなあ。きっとウルトラマンのことだ、

 「どんなに苦しいときでも、誇りを失ってはいけない」

 とか、

 「弱い者を守るのがキミの務めなのだ」

 といった、そんな胸を打つような内容に違いない。

 こういうとき情報化社会は便利である。さっそく調べてみようと、サカイ君がスマホから動画サイトにアップされた帰ってきたウルトラマン最終話を探し出し再生してみると、次郎君が受けとった誓いのひとつ目というのが、

 「ひとつ、腹ペコのまま学校に行かないこと」

 ………………。

 いや、まあなにがどうということはないが、とりあえず意表はつかれた。

 それまで散々、「マンやセブンはカッコイイよな」という話で盛り上がって、

 「平成ウルトラマンなんて中身が薄いよな、昔の名作とくらべたらたいしたことないぜ」

 などと、嫌なオールドファンぷりを見せていた我々だったが、ここでズコッとズッコケることとなったのである。

 おいおい、そんなライトな内容だったのか、ウルトラ5つの誓いは。

 いや、まあたしかに朝食抜きで学校に行くのはいかがなものかと思う。朝しっかり食べないと、頭はボーッとするし、力も出ない。

 だが、わざわざ宇宙から来てまでヒーローが教えるべきことだろうか。そういうのは「ためしてガッテン」とかにまかせておけばいいのではないか。最近忙しいので「ウィダーinゼリー」とかでもOKなのであろうか。気になるところである。


  (次回【→こちら】に続く)



コメント
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