ナスビを使った簡単ストレス解消法

2013年10月28日 | うだ話
 ストレスの解消法は人様ざまである。

 やけ食いする人もいればカラオケで熱唱する、中にはボクシングジムでサンドバッグをたたくなんていう人もいるかもしれない。

 私が色々聞いた中でもっともインパクトのあったストレス解消法というのが、「ナスの呪い揚げ」というもの。中島らもの名著『明るい悩み相談室』で紹介されていた。

 『北の国から』で有名な倉本聰さんが考え出したらしいが、まず野菜のナスに包丁で嫌いな人間、たとえばその人が「雲雀丘花屋敷さん」だったとすると、その名前を包丁でナスに彫りこんで、それを高温の油で、

 「フッフッフ、雲雀丘花屋敷、今からお前を揚げてやるぜ」

 と、ジャーと素揚げするというものである。どんな復讐法なのか。これを、らもさんではなく、倉本さん発案というところに、なんともいえない味がある。

 これは女の子にフラれたときなんかにもいいかもしれない。

 たとえば、会社の同僚のOL梅子を食事に誘って袖にされた夜など、ナスに「梅子」と彫りこんで、油で揚げてしまう。そしたら次の日、会社であったとき「フン」といった態度を取られても、

 「フッフッフ、昨夜オレ様に280℃の油で揚げられたとも知らずにのんきなもんだな」

 と、特に根拠はないが優越感にひたれる。
 
 なるほどこれは、いい方法かもしれない。「油で揚げる」というのが、適度に残虐な感じでSな心を満足させ、「ジュワー」という音も嗜虐趣味を刺激しそうだ。

 なにより、ネットでの中傷やイタズラ電話などとちがって人に迷惑をかけることなく復讐(?)できて気分がスッキリするところが良い。同時に食事の用意もできて野菜も食べられるし一石二鳥も三鳥もあるではないか。

 昨今は、アイドルに熱愛が発覚してネット上で炎上なんてケースもよく見かけるが、そういうときこそこの「呪い揚げ」の出番であろう。

 下手にテンパって「今までまんまとダマしてくれたな、このクソ女が!」などといった、みっともないことをツイッターなどに書き散らして、あとで恥ずかしい思いをするくらいなら、ナスに名前を書いてカラッと揚げてしまい、右往左往する仲間たちを尻目に、

 「フッフッフ、悪いが彼女は昨晩すでに私が揚げさせてもらったよ。もちろん、その後おいしくいただいたがねワッハッハ」

 と余裕をかませれば、気持ちもおだやかに……ならないかな。




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