西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

保有バイアス。

2011-06-24 19:17:43 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

タイトルについて、以下、大竹文雄氏の著書・
「競争と公平感 ~市場経済の本当のメリット~」より引用。
ちなみに、帯によると、
『「週刊ダイヤモンド」2010年の<ベスト経済書>第1位』らしいです。

 大学の授業を受けに来た学生の半数には、机の上に新品のマグカップが置かれている。教員は、机の上のマグカップはあなたへのプレゼントだと言う。その上で、マグカップをもらった人に、「そのマグカップをいくらなら売るか」と聞く。一方、マグカップをもらっていない学生には、「あのマグカップをいくらなら買うか」と聞く。通常、両者が言う値段には、倍以上の差が出てくる。もちろん、マグカップを持っている人は、高い値段でないと売らないし、持っていない人は安い値段でないと買わない。これは一瞬でもマグカップを保有してしまうと、市場価格よりも高い値段を、私たちがそれに与えてしまうからだ。
 株の価格が購入価格よりも下がり続けている場合、ひょっとしたら、元に戻るかもしれない、と思ってなかなか売ることができない、というのも同じだ。住宅でもそうだ。ひょっとすると、転職行動や新しい技術に対する態度もそうかもしれない。合理的に考えると今までと同じ方法だと損をすることが分かっていても、色々な理屈を考えて同じ職場にいることを選んだり、古い技術を使い続けるというのは、よく見られることだろう。

私、この著者さん、好きなんですよね。
格差問題に対する考え方、最低賃金に対する考え方、
正社員・非正規社員に対する労働規制のあり方等、
社会保障的な観点で考えると、煮詰まってしまいがちな問題を、
経済学の視点から分かりやすく取り上げてくださっており、
色んな物事に対する自分の考え方や立ち位置を整理するときに、
とても参考になります。

で、引用した内容ですが、
これ、西宮市役所の状況にも、すごくよく当てはまると思うんですよね。
「今、現に持っている西宮市立中央病院」
「今、現に支給している各種補助金」
「今、現に遂行している各種事業」
これらについて、極端な保有バイアス働いてませんか???と。
というわけで、も一つ、引用。

錯視のような場合には、私たちは物差しできちんと測って物事を決断しないと、大きな間違いをしてしまう。同じように、経済的な意思決定の際には、経済学的な思考方法という正しい物差しを用いないと、取り返しのつかない間違いを犯してしまうかもしれない。

つくづくと、ちゃんとした物差しで考えてもらわんと、
取り返しのつかない、困ったことになりかねないと思うのですよ。
そんなことにならないよう、なんとか頑張っていきます。
しかし、漏れ聞こえてくる大きな話に、ろくなものがないような。。。
それでは失礼いたします。